アドビ、消費者の購買動向に関する調査結果を発表
コロナ禍を含む過去5年で店舗とデジタルを融合したオムニチャネル化が加速
【2022年11月21日】
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神谷 知信、以下 アドビ)は本日、小売と銀行分野における商品やサービスの購買動向に関する調査結果「Adobe Digital Survey消費者動向調査2022」を発表しました。今回の調査では過去5年で、商品購入前にオンラインで情報収集して購入する消費者が増えていることがわかりました。また、コロナ禍が収束した後も55.3%の消費者が店舗で商品を見ながら買い物をしたいと回答する中(図1)、店舗で口コミサイトやSNS、商品のメーカーサイト、レビューサイトなどを見ながら商品を検討する消費者が増えており、店舗とオンラインを融合したオムニチャネル化が加速していることが伺えます。
図1:店舗などにて現物を見ながら買い物したい消費者が55.3%
銀行サービスにおいては銀行を乗り換えた理由として「オンラインサービスが使いやすい、または便利だと思った」と回答した消費者が60%にも上り(図7)、5年前よりさらに、インターネットサイトやアプリでのサービスの充実が求められていることがわかりました。
商品購入前にWeb/SNSで情報収集、店舗でも商品を見ながらネット検索
5年前の調査と比較して、商品購入前にWeb/SNSで情報収集をする消費者が増え、マスメディアは大幅に下がる結果となりました(図2:「購入までに見聞きした媒体」としてWeb/SNSは5年前と比較して洋服10%増、家具6%増、家電6%増)。
図2:商品の初期認知、情報収集、購入決定にいたるまでWeb/SNSの影響力が2017年対比で拡大
また、5年前と比較して店舗で商品を見ながら「その場で商品のメーカーサイトを見た」人が3.7%増、「その場で商品に関する口コミサイトやSNSを見た」人が1.8%増、「その場で商品に関する他のWebサイトを見た」人が1.6%増と増加傾向にあります(図3)。
図3:店舗で商品を見ながらオンラインでも情報収集している消費者が増加
購入までに見聞きした媒体は特に若年層において「YouTubeなどの動画サイト」「フリマアプリ」「Instagram、TwitterなどのSNS」が上位を占めており、マスメディア、DM/カタログといった企業からの一方通行のコミュニケーション以外のチャネルを通じた情報収集が主流になっていることがわかりました。その反面、「メーカーのホームページ」は5年前と比較して2.43%増えており(図4)、SNSをきっかけに企業のWebサイトが情報収集の場として利用されていることが伺えます。
図4:消費者が広告など企業側からの情報源よりSNSなどインタラクティブな情報源で主体的に複数のチャネルから情報収集を行う
オンラインと店舗両方のチャネルを活用して購買するオムニチャネル化が加速
5年前の調査と比較して、「Web認知からWeb購入」(7.9 %増)の増加率が高くなった一方、家具を筆頭に「Web認知から店舗購入」(3.1%増)も増えています。また、「店舗認知からWeb購入」(0.8%増)も増加しており(図5)、初期認知から購入においてオンラインと店舗両方のチャネルを活用して購買するオムニチャネル化が加速していることが明らかとなりました。
図5:Web認知からWeb購入が2017年対比で最も増加。加えてWebと店舗の併用も増加している
オンラインと店舗を横断したサービス、3Dなどでパーソナライズされたサービスに期待
商品購入をより快適にしてくれるサービスを聞いたところ、店舗では「3Dで商品が確認できる」(23%)が最も高く、次いで「店舗での購入をベースにオンラインで商品をおすすめしてくれる」(21%)といったオンラインと店舗を横断したサービスが挙げられました(図6)。
コロナ禍の米国で利用が拡大したBOPIS(Buy Online Pick-up In-Store:オンラインで購入して店舗で受け取り)やオンライン注文した商品を店舗の駐車場で受け取るカーブサイドピックアップといった、オンラインと店舗のそれぞれのチャネルの特長をうまくとらえたサービスが今後の優れた顧客体験を提供する鍵になると考えられます。
ECサイトでは「興味を持った製品に関する情報や画像・イメージを集めてきてくれるサービス」(22%)や「自分の嗜好に合ったコンテンツや商品を提案してくれるサービス」(15%)などが求められる結果になりました。
図6:店舗では3Dで自分好みにサイズやデザインをカスタマイズできるサービスを求める消費者が23%と最多
銀行利用者の60%がネット/アプリの使いやすさで乗り換え検討
オンライン決済などに対するセキュリティ不安が軽減したことで、銀行のインターネットサイトやアプリの利用が加速した一方、銀行を乗り換えた理由として「オンラインサービスが使いやすい、または便利だと思った」と回答した利用者が60%にも上りました(図7)。
図7:銀行の乗り換え理由としてオンラインサービスの使いやすさと回答した消費者が60%
資産運用者の20%が今後も「銀行店舗の窓口の利用」を希望しており(図8)、店舗窓口の付加価値体験の提供が求められる傾向があることもわかりました。
図8:20%の資産運用者が今後も銀行店舗の窓口の利用を希望しており、20代の資産運用者の41%が窓口を利用している
今回の調査からコロナ禍で消費者の購買におけるデジタルシフトが進む一方で引き続き店舗が重要なチャネルであることがわかりました。ソーシャルメディアの普及で消費者が企業と接触するチャネルが多様化する中、企業にはオンラインや店舗、スマートフォンなどのデバイスを跨いだ、顧客との⼀貫したコミュニケーションが求められます。
アドビは、顧客プロファイルなど顧客体験管理に必要なデータの統合管理から顧客とのコミュニケーションにつなげるアクティベーションまでを一貫して提供する、データガバナンス機能を搭載した業界初となる CXM プラットフォーム「Adobe Experience Platform」を提供しています。消費者がチャネルの使い分けを意識する必要がない一貫した顧客体験を提供できるよう引き続き企業を支援してまいります。
「Adobe Digital Survey消費者動向調査2022」概要
調査概要:商品購入と銀行サービス利用における消費者動向調査
有効回答数:リテール調査 2, 472 サンプル、銀行調査 1,236 サンプル
調査期間:2022年8月16日~18日
調査実施:アドビ株式会社が株式会社マクロミルに委託して実施
本調査の詳細はこちらからご覧いただけます。
※本調査結果を活用される際は、デジタルデータの用途等の告知義務や取扱いについて法令に従って運用いただくよう、お願いいたします。
■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative Cloudは、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloudでは、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloudは、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Senseiを活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。
アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html)をご覧ください。
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