アドビ、「 COVID-19(新型コロナウィルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ」の結果を発表
【2020年7月16日】
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:ジェームズ マクリディ、以下 アドビ)は、東京都の消費者1,000人を対象に、新型コロナウィルス流行による外出自粛をきっかけとした消費行動の変化を明らかにし、今後のニーズを理解することを目的とした調査結果「COVID-19(新型コロナウィルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ」を発表しました。
本調査では、外出自粛をきっかけに今後はオンラインのさらなる活用、および、オンラインとオフラインを併用した購買行動が加速化することが判明しました。オンラインと店舗の利用を継続すると回答した割合が最も多かったのが、食料品や生活必需品(約7割)だったことに対し、オンラインのみでの利用を継続すると回答した割合が多かったのは、金融サービス(約6割)となりました。また、オンラインサービスの拡充が最も望まれている分野が医療サービスであることも明らかとなりました。
<主な調査結果>
① 生活の基盤となる商品を中心にこれまで店舗購入のみだったものが今後オンラインと店舗を併用した購入へシフト
外出自粛をきっかけにオンラインで購入した商品で最も多かったのは、「生鮮食品以外の食品・飲料」(30.9%)となり、次いで、「本・雑誌・コミック」(28.8%)、「衣類・靴」(26.4%)が挙がりました。一方で、コロナ収束後はオンラインと店舗を併用すると回答したものが、「飲食店が提供する食事」(68.2%)、「生活必需品・トイレタリー」(67.3%)、「生鮮食品」(67.3%)の順に挙げられ、生活の基盤となるものや緊急性の高い商品などは、今後、店舗だけでなくオンラインでも購入する意向が高い傾向にあることがわかりました。
「判子は生産性を下げていると思う」72.6%
判子(捺印)文化が仕事の生産性にどのような影響を与えていると思うか聞いたところ、「生産性をとても下げていると思う」と「生産性を下げていると思う」を合わせて72.6%に上りました。
多くの人が判子(捺印)文化は生産性を下げていると考えている反面、いまだに判子を伴った契約業務が大半を占めることが明らかになりました。
② オンライン購入は効率性、店舗購入は実物確認のほか、店舗に行くこと自体の楽しさや偶然の発見への期待など、気分の高揚を求める傾向
オンラインで商品を購入するメリットには、最も多くの項目で1位が「配送してくれる」、2位が「商品の検索や比較をしやすい」となり、外出を控える目的や効率性を重視する傾向が見られました。一方で、店舗で購入するメリットには、最も多くの項目で1位が「実物を確かめたい」となり、2位、3位には「店舗に行くこと自体が楽しみ」、「店舗だと知らなかった商品を発見できる」など、店舗ならではの体験を求める傾向が見られ、オンラインと店舗での購入では、消費者が求めるものが異なることがわかりました。
- 「飲食店が提供する食事」(60.0%)「本・雑誌・コミック」(48.2%)「化粧品」(42.2%)では「店舗に行くこと自体が楽しみ」との回答が多く寄せられました。
- 「酒類」(40.7%)「生活必需品・トイレタリー」(31.7%)「生鮮食品以外の食品・飲料」(29.1%)では、「店舗だと知らなかった商品を発見できるから」との回答が目立ちました。
今後店舗には、そこでしか体験できない価値やブランドの世界観を五感を通じて感じることができる体験の提供がより一層求められます。一方、店舗とオンラインの両方でサービスを提供する企業はこれまで以上に購入までの体験、購入時の体験、購入後の体験をより丁寧に設計することで、ブランド体験価値を上げ、顧客との良好な関係を維持することが重要になります。
③ 外出自粛をきっかけに、オンラインの金融サービスのメリットが浸透
銀行、保険、資産運用サービスを含む「金融サービスの利用」については、利用者全体の約6割(58.2%)が今後もオンラインでの利用を継続すると回答しました。他のオンラインサービスでは対面/店舗と併用する利用意向が最も多かったことと比べると注目すべき結果といえます。特に、金融サービスをオンラインで利用する理由として、「オンラインでも満足できるサービスが受けられると知ったから」(37.9%)や、「店舗や開催場所に行く時間がないから」(37.1%)が最も多く挙げられており、外出自粛をきっかけにオンラインサービスによる正確性や効率性といった、店舗に行く以上のメリットが認識されたと考えられます。
④ オンラインサービスが発展すれば利用拡大の可能性が高いのは、押印や署名および本人確認が必要な手続き、そして医療機関の受診
- 「オンラインサービスが発展していない」ために外出自粛期間中にやむを得ず外出した理由として多く挙げられたのが、「押印や署名が必要な手続き」(51.9%)「本人確認が必要な手続き」(42.7%)でした。これは、先日アドビが発表した「中小企業経営者に聞いた判子の利用実態調査」にもあるように、生産性向上のために判子の習慣をなくしたほうがいいと考える経営者が多い一方で、電子サインなどを利用した電子契約の利用率が限定的である点とも一致しています。
- また、「オンラインサービスが発展していない」ために外出を延期したものとして最も多くの回答が寄せられたのが、「通院・受診」(48.5%)となり、また、今後のオンラインサービスで求めることの第1位に「医療分野での普及」(34.1%)が挙げられたことから、医療分野におけるオンライン化は、外出自粛期間を通じてさらにニーズが高まっています。
本調査を通じて、アドビ株式会社 代表取締役社長のジェームズ マクリディは次のように述べています。「外出自粛期間をきっかけに、オンラインを活用した消費が加速し、今後も店舗とオンラインのメリットをそれぞれ活かしながら併用したいという消費者のニーズが明らかとなりました。企業にはニューノーマル時代の消費の変化に寄り添ったオンラインと店舗を通じて一貫した付加価値のある体験が求められます。アドビは、高度なテクノロジーを搭載した製品群とコンサルティングサービス、人材育成支援によって企業の優れた顧客体験管理(CXM)の実現を支援してまいります。」
「COVID-19(新型コロナウィルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ」調査概要
アドビがEdelman Japan調査部門に委託し、東京都在住の外出自粛期間中オンラインサービスを利用した20~60代の1,000人を対象とした、デジタル消費やデジタルエクスペリエンスに関するオンライン調査(2020年5月27日~28日実施)
本調査の詳細は下記のSlideShareからご覧いただけます。
【COVID-19(新型コロナウィルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ】(全文)
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