タブレット用お絵描きソフトでイラスト塗り絵に挑戦
お絵かきといえば、これまでは色鉛筆やクレヨン、絵の具を用意する必要がありました。
しかし、スマホやタブレットの高機能化によって、デジタルでも違和感なく、絵を描き、塗り絵ができるようになり、いまや小さな子どもからプロのイラストレーターまで、多くの人がお絵かきを楽しみ、イラストを描き上げています。
ここでは、タブレット向けのデジタルお絵かきソフト・ペイントアプリと、Adobe Frescoで描く塗り絵を紹介します。
目次
タブレット用お絵描きソフト・ペイントアプリ
タブレットには多くの種類がありますが、デジタルでお絵かき、イラストを楽しみたい人に広く支持されているのが、Apple iPadとペン型入力デバイス・Apple Pencilの組み合わせです。
タブレットでお絵描きをするとき、指でも十分描くことができますが、Apple Pencilのようなスマートペンを使うと、より手描きの感覚のまま描くことができます。
タブレット用お絵描きソフト・ペイントアプリも、多機能な「Procreate」やイラストレーターに人気の「CLIP STUDIO PAINT for iPad」のようにプロも使っているものから、気軽にイラストを楽しめるものまで非常に多種多様です。
アドビの「Adobe Fresco」は、無料ながらも多くの機能を備えるお絵描き・イラストアプリです。Adobe Creative Cloudユーザーなら、Adobe Photoshopとの連携も容易で、ポートフォリオサービス・Behanceへの投稿もかんたんに行なえるようになっています。
Adobe Frescoの特徴とメリット
Adobe Frescoはどのような特徴を持ったお絵描き・イラストアプリなのでしょうか。
1つ目の特徴は「豊富な画材」です。鉛筆やペン、マーカーはもちろん、水彩や油彩も実際に描いているのと同じような感覚で描くことができます。混ざり合う水彩絵の具、重なり合う油彩絵の具もそのまま表現することができます。
油彩の上に水彩で描く、といった実際には困難な画材の組み合わせができるのも、デジタルツールならではのメリットと言えるでしょう。
漫画・コミックイラスト向けのブラシも多数使うことができるので、Adobe Frescoひとつでいろいろな画材を試しながら絵を描くことができます。
2つ目の特徴はデジタルツールならではの「やり直しができること」です。
実際の紙に絵を描いている場合、鉛筆のような画材を除いて、描いたものを消したり、描き直すことは難しいでしょう。しかし、デジタルツールなら、いつでもかんたんに元に戻すことができます。
3つ目の特徴は「直感的な操作感」です。
Adobe FrescoにはPhotoshopではおなじみのツールやレイヤー等、多くの機能が搭載されていますが、いずれもかんたんにアクセスできるようになっています。
ブラシや色、不透明度、サイズの変更も直感的に操作できるので、複雑な手順を覚える必要がありません。
デジタルツールが苦手な人や小さな子どもでも、気軽に楽しめるのがAdobe Frescoの特徴です。
難しく考えず、まずはいろいろなブラシで、思うままに描いてみましょう。忘れていたお絵描きの楽しさも蘇ってくるかもしれません。
Adobe Frescoで塗り絵に挑戦
Adobe Frescoでのデジタルお絵描きに慣れてきたら、塗り絵に挑戦してみましょう。
線だけで描かれたイラストにきれいに色をつけていくのは、なにもない白紙のキャンパスに好きなように絵を描くこととは違った魅力があります。
今回、サタケシュンスケさんが描いた塗り絵イラストを2点を用意しました。
サタケシュンスケさんは、目にすれば思わず微笑んでしまいそうな、かわいく、やさしいイラストで人気のイラストレーターです。
塗り絵データは「線画」「塗り絵」のレイヤーに分かれているので、「塗り絵」用のレイヤーに色をつけていきましょう。「線画」は保護されているので、どんなに塗りを重ねても、線が消えてしまうことはありません。
このデータをAdobe Frescoに取り込み、かわいいイラスト塗り絵に挑戦してみましょう。
(iPadの場合、Adobe Frescoを起動してからデータをダウンロードします。塗り絵データを表示した状態でアクションボタンから「Adobe Frescoにコピー」を選ぶと、Adobe Frescoで塗り絵データを開くことができます)
塗り絵[1]どうぶつに色をつけてみよう
サタケシュンスケさんのイラスト塗り絵、1つめは「どうぶつ」です。
仲よく寄り添うネコとイヌ、そして小鳥が歌い、蝶々が舞うイラストに色をつけてみましょう。
決めた色で塗りつぶしてきれいに仕上げてもいいですし、ネコやイヌのからだや蝶々の羽には柄をつけてみると、もっとかわいく仕上げることができるでしょう。
イラスト:サタケシュンスケ
こちらは「どうぶつ」塗り絵をAdobe Frescoで着色したものです。
ネコはシャム猫のように手足と耳、しっぽの先をグレーで塗り、イヌにも柄を描いてみました。
きれいに塗りすぎるのではなく、粗めのブラシを使うことで自然なかすれ感をだしています。
Adobe Frescoに搭載された多様なブラシを試しながら塗るのも、デジタルお絵描きの楽しみのひとつなので、とにかくいろいろな画材で、いろいろな色に塗ってみましょう。
塗り絵の例
塗り絵[2]花火の風景を塗ってみよう
サタケシュンスケさんのイラスト塗り絵、2つめは「花火」です。
夜空をあざやかに彩る満開の花火に、色をつけてみましょう。
「どうぶつ」の塗り絵よりも塗る部分が細かくなっていますが、Adobe Frescoなら大きくしたいところを2本指で広げる動作(ピンチアウト)を行なうだけで、かんたんに拡大することができます。
拡大後は2本指でドラッグすれば描いている場所から移動することができ、あらためて全体を見る場合には2本指でつまむ動作(ピンチイン)をすれば表示を縮小することができます。
花火を塗り終わったら、着物やうちわに柄を描いてみると、一層かわいく仕上げることができるでしょう。
サタケさんが描いた「花火」のイラストがどのように描かれているのか。その秘密は以下で公開されています。この記事では、サタケさんがイラストレーターになった経緯から、サタケさんならではのAdobe Frescoの使いかたまで紹介しています。
Adobe Fresco Creative Relay 05「サタケシュンスケ」
iPadのようなタブレットとAdobe Frescoさえあれば、たくさんの画材を用意しなくても、かんたんに、汚れを気にせずに自由にお絵描きができます。描き間違えてもすぐにやり直すことができるので、うまく描けるかどうかを気にする必要もありません。
描きたいものを筆にまかせて、思ったように描く。それがデジタルお絵描きアプリのいちばんいいところなのです。
タブレットでのお絵描きに慣れてきたら、サタケシュンスケさんのイラスト塗り絵を水彩や油彩、さまざまなブラシで仕上げてみましょう。筆を進めれば進めるほど、デジタルお絵描きの魅力を感じることができるはずです。