なぜリスキリングは「動画制作」から始めるとよいのか?従業員満足度を高める4つの理由

リスキリングで優先して取り組むべきテーマとは?始め方のポイントと合わせて、株式会社ウェブライダー松尾氏の見解を語っていただきました。

「リスキリングを導入するにあたり、どんなスキルから習得すべきなのかわからない・・・」

 

今、このような悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。

 

急速に熱が高まりつつあるリスキリング。

その中で企業に求められるのは、熱狂に振り回されることなく、冷静かつ着実に、自社の成果につながるリスキリングを実現することです。

 

また、リスキリングに取り組むのは従業員である以上、従業員の立場も考慮する必要があります。

従業員のモチベーションが下がるようなリスキリングを導入してしまうと、離職のリスクにもつながりかねません。

 

企業がリスキリングを導入する際、どのようなスキルの習得から始めればよいのか。

その答えの一つとして、アドビ製品のユーザーであり、企業へのリスキリング導入支援をしている株式会社ウェブライダーの松尾茂起氏は、動画制作スキルの習得を優先すべきだと説きます。

 

この記事では、従業員満足度を高めつつリスキリングを成功させるポイントについて、松尾氏の見解を語っていただきました。

 

 

松尾 茂起(Shigeoki Matsuo)

株式会社ウェブライダー 代表取締役

 

2010年に株式会社ウェブライダーを設立し、Webプロデューサーとして、様々な企業のWebマーケティングやコンテンツ制作を支援。

著者としては4冊の本を執筆し、代表作はシリーズ累計22万部突破の『沈黙のWebマーケティング』『沈黙のWebライティング』。

宣伝会議「編集・ライター養成講座」をはじめとした様々なセミナーにて、文章作成の技術を教えているほか、企業を対象にリスキリング導入のアドバイスもおこなっている。

 

 

企業がリスキリングの導入に失敗する理由

最近、リスキリングの導入について相談されることが増えている。

「リスキリング(re-skilling)」とは「事業や業務上での必要性に応じて、新たなスキルを獲得する/させること」だ。

 

近年、あらゆる業界でDX化が進み、ビジネスモデルや業務プロセスに変化が起きている。

技術の革新スピードはとても速く、変化の波は激しさを増している。

 

この流れにうまく乗るには、特定のスキルの研鑽(けんさん)だけでなく、時代に合わせて様々なスキルを「掛け算式」に習得する柔軟性が必要だ。

そのために生まれたのが、複数のスキルを習得する「リスキリング」という考え方である。

 

例えば、ある企業では、営業担当者にプログラミングを習得させ、ルーチンワークの自動化を実現しようとしている。

また、別の企業では、全社を挙げて生成AIの活用方法を学び、業務効率化を図ろうとしている。

 

企業は、このようなリスキリングを進めることで、生産性を向上させたり、競争力を強化できる。

さらには、従業員自らが成長を実感できることで、日々の業務に対するモチベーション向上にもつながる。

 

行政による支援策が充実してきていることもあり、リスキリングへの関心はますます高まっている状況だ。

しかし、盛り上がりを見せるリスキリングにおいて「うまくいっている企業」と「うまくいっていない企業」の二極化が顕著になってきていると感じる。

 

なぜリスキリングの導入に失敗してしまうのか?

それは、「リスキリングによってどのような成果を実現するか」の目的設定があいまいだからである。

 

「このスキルが役立ちそうだから学んでもらおう」

「他社が取り組んでいるから自社でもやってみよう」

 

そのようなふわっとした考えではリスキリングの導入は失敗する。

 

ポジティブな面がクローズアップされがちなリスキリングだが、当然ながらリスキリングの導入にはコストがかかる。

従業員の時間的コストや、企業の金銭的コストなどだ。

つまり、リスキリングとはコストを払う「先行投資」なのである。

 

また、合わせて配慮すべき点は、従業員のモチベーションだ。

従業員には、前向きな気持ちで取り組んでもらう必要がある。

 

「ただでさえ忙しいのに、また新しいことを学ばないといけないのか・・・」

「自分や会社にとって、本当にプラスになるのだろうか・・・」

「他にもっと身に付けたほうがよいスキルがあるのではないか・・・」

 

こういったネガティブな感情が膨らんでしまうと、従業員のモチベーションが下がってしまい、離職されてしまうリスクさえ出てくる。

 

リスキリングには、上記のようなコストやリスクがあるため、導入には慎重を期すべきなのだ。

 

では、リスキリングを成功させるためには、どのような目的を設定すべきだろうか?

ここからは、私が考える「リスキリングで実現すべき成果」について述べていく。

 

リスキリングの成功とは「4つの成果」を実現すること

リスキリングの成功とは、新たなスキルの習得によって、4つの成果を実現することである。

 

  1. 従業員の既存スキルに「掛け算的」に作用する「ポータブルスキル」が強化され、既存業務の効率化を実現できた

  2. 自社の事業に新たな視点や価値が加わった

  3. 従業員に「持続可能性のあるスキル」が手に入り、キャリアを築きやすくなった

  4. 能動的な学びを促し、リスキリングを歓迎する空気が社内に醸成された

 

以下、それぞれについて詳しく解説していく。

1.従業員の既存スキルに「掛け算的」に作用する「ポータブルスキル」が強化され、既存業務の効率化を実現できた

リスキリングにとって望ましいのは、新たに習得したスキルが、従業員の既存業務に活きることだ。

新たなスキルが従業員の既存業務と関係していなければ、学んだ知識や技術を活用する場がもてず、せっかく習得したスキルが無駄になってしまう恐れがある。

 

もちろん、リスキリングの成果を実践する場として、新たな部署が設けられたり、配置転換が行われる場合もあるだろう。

しかし、新たなスキルを学んだからといって、すぐに活躍できるとは限らない。

例えば、“10年選手”が既に存在している現場で、数か月ほど学んだ従業員が対等に活躍できるかというと、そうカンタンにはいかないだろう。

そのため、リスキリングを成功させるには、新たなスキルが従業員の既存業務に活かせるかを考えたほうがよい。

 

では、どのようなスキルであれば、従業員の既存業務に役立つのか。

そこでオススメしたいのが「ポータブルスキル」だ。

「ポータブルスキル」とは、特定の業界や職種に限らず、様々な現場で利用できる「持ち運び可能なスキル」のことである。

 

このポータブルスキルは、仕事を進めるうえでベースとなる「ソフトスキル」と、専門知識や技術などの「ハードスキル」に分かれる。

 

【ソフトスキル】

コミュニケーション能力、論理的思考力、プレゼン能力、発想力、問題解決能力、文章作成力、時間管理能力など

 

【ハードスキル】

マーケティングスキル、プログラミングスキル、クリエイティブツールスキル、データ分析力、デザイン思考力、語学力など

 

これらのポータブルスキルは、どんな業務であっても必要とされるものであり、仕事における普遍的なスキルだ。

よって、これらのポータブルスキルを磨くことで、従業員は自分が保有している既存スキルに「掛け算的」な価値を加えることができる。

 

例えば、プレゼン能力を養うことで、これまで以上に受注率を上げたり、クライアントと良好な関係を築けるようになる。

クリエイティブツールスキルがあれば、簡単な画像加工や動画編集などを自分でできるようになる。

 

このように、ポータブルスキルは既存業務に活かしやすいので、リスキリングの成果を得やすいのだ。

2.自社の事業に新たな視点や価値が加わった

新たなスキルを習得した従業員は、従来のやり方に疑問を投げかけ、新しい観点やアプローチを提案できるようになる。

 

例えば、デザイン思考力を習得した従業員は、商品やサービスの開発プロセスにおいて、より使いやすく、魅力的な設計ができるように成長する。

また、データ分析力を身に付けた従業員は、市場のトレンドや消費者行動を深く理解できるようになり、より合理的で成果の出やすい施策を提案できるようになるだろう。

 

自社の事業に新たな視点や価値が加わることで、新陳代謝が促され、企業は競争力を維持することができるのだ。

3.従業員に「持続可能性のあるスキル」が手に入り、キャリアを築きやすくなった

リスキリングを通して、従業員は今後のキャリアの選択肢を増やすことができる。

特に、前述した「ポータブルスキル」は、異なる業界や職種においても活かせるだけでなく、あらゆる場面で必要とされるため、従業員のキャリアの安定化にもつながるのだ。

その結果、従業員の自己効力感や自己肯定感へとつながり、より前向きに業務に取り組めるようになる。

4.能動的な学びを促し、リスキリングを歓迎する空気が社内に醸成された

リスキリングにおいては、従業員自身の「学びたい」という自発性が鍵を握っている。

“好きこそものの上手なれ”という言葉のとおり、従業員の興味や熱意の度合いによって学びの成果が変わってくる。

そのため、リスキリングの学習テーマは、従業員が能動的かつ主体性をもって学べるようなスキルを選ぶことが望ましい。

 

そこでオススメしたいのが「クリエイティブスキル」だ。

このクリエイティブスキルは、前述した「ポータブルスキル」でもある。

クリエイティブスキルとは、Webデザインや動画制作、ライティングなど、何かを表現するスキルを指す。

 

私たちの心の中には「何か新しいものを創りたい」という原初的な欲求が存在している。

これはまさにクリエイティブな欲求である。

私たちは自分のアイデアや感性を表現する機会を常に求めているのだ。

 

だからこそ、クリエイティブスキルであれば、従業員に高い興味や関心をもってもらえる。

自分が制作したものが仕事の成果となることは、従業員に満足感をもたらし、モチベーションを大きく向上させる。

 

さらには、クリエイティブスキルを磨き続けることで、従業員は自分の感性を高められる。

その結果、従業員の中に眠る新たな可能性や能力が引き出されることも多いだろう。

 

ただし、クリエイティブスキルと一口に言っても、Webデザインや動画制作、ライティングなど、様々な分野がある。

一体どのスキルを学ぶのがよいのだろうか?

実は、上述したスキルの中でもイチオシしたいスキルがある。

それは「動画制作スキル」だ。

  

動画制作なら、リスキリングの「4つの成果」を実現できる

リスキリングを導入するなら「動画制作スキル」の習得をぜひ検討してもらいたい。

なぜなら、動画制作スキルは、前述したリスキリングの「4つの成果」を実現しやすいからだ。

 

動画制作スキルとは、マーケティングや販促で使う動画、社内教育用の動画、顧客用のマニュアル動画などを制作するスキルだ。

この動画制作スキルが「4つの成果」を実現しやすい理由について解説していこう。

1.動画制作なら、既存スキルに「掛け算的」に作用する「ポータブルスキル」が強化され、既存業務の効率化を実現できる

動画を制作するには、動画編集ツールの使い方を学ぶだけでなく、動画の内容を考えるための企画力や、わかりやすく伝えるための表現力、さらにはより魅力的に見せるための演出力が求められる。

 

それらの能力は、発想力、論理的思考力、プレゼン能力、クリエイティブツールスキル、データ分析力、文章作成力などのスキルによって構成されている。

つまり、動画を制作することを通して、上記のような様々なスキルが一気に鍛えられるのだ。

 

動画を制作するためには、対象者のニーズをリサーチする必要があるので、マーケティングスキルも手に入る。

さらには、YouTubeに公開された動画の視聴状況を見れる「YouTube アナリティクス」のデータをもとに分析することで、データ分析力も磨ける。

 

動画制作は奥が深く、奥が深いからこそ得られるスキルも膨大だ。

動画制作を通してポータブルスキルが強化され、既存業務の効率化を実現できるのだ。

2.動画制作なら、自社の事業に新たな視点や価値が加わる

商品やサービスに関する紹介動画を作るときには、改めてその魅力を分析することになる。

その際、これまでは気付かなかった魅力や改善点を見出せることも多い。

その気付きを活かし、新たな訴求軸でのマーケティングを展開できるようになるなど、動画制作以外の価値も加わる。

3.動画制作なら、「持続可能性のあるスキル」が手に入り、キャリアを築きやすくなる

デジタル化が進む現代社会において、動画制作スキルには大きな市場価値がある。

インターネットを利用していて、動画を見たことがないという人はいないだろう。

YouTubeやInstagram、TikTokなど動画のプラットフォームの隆盛はまだまだ続く。

そのため、動画制作スキルを保有しているだけで、幅広い分野でキャリアを築けるのだ。

4.動画制作なら、能動的な学びを促し、リスキリングを歓迎する空気が社内に醸成される

動画制作には純粋な楽しさがあり、学習のモチベーションを保ちやすい。

また、自分のアイデアや感性を活かし、動画制作をすることで、従業員は自己肯定感を高めることができる。

 

もちろん、自分好みの動画を作ればよいわけではなく、業務や案件に合わせた動画を制作する必要がある。

ただ、構成や表現、演出方法には創意工夫の余地があり、従業員のアイデアや感性を十分に活かせる。

 

また、私の主観で恐縮だが、動画制作のリスキリングはハードルが低いように思う。

なぜなら、動画は私たちの日常に溶け込んでおり、親近感のあるクリエイティブだからだ。

「いつも見ているYouTubeのような動画を作ってみたい」と考える従業員も多いだろう。

YouTubeには初心者向けの解説動画がたくさんあり、そのほとんどは無料で視聴できる。

初心者向けの教材がこれほど充実しているのだから、「できない」理由を考えるほうが難しい。

 

さらに、動画制作は、目に見えるカタチで「制作物」が完成する。

どのような成果につながっているかわかりづらいスキルよりも、目に見える形で「制作物」が完成する動画制作は、従業員のモチベーションを保ちやすい。

 

リスキリングを通して、様々な動画を作れる従業員が生まれれば、「私もチャレンジしてみたい」という従業員も増えていき、リスキリングを歓迎する空気が醸成されていくのだ。

 

動画制作のスキルがあれば、現場で必要とされる動画をフットワークよく作れるようになる

ここまで動画制作の魅力について語ってきたが、一口に動画と言ってもその種類は様々だ。

例えば、以下のような種類や用途がある。

 

  1. 商品やサービスの販促動画

  2. 会社や事業の紹介動画

  3. 顧客へのインタビュー動画

  4. オンラインセミナー用の動画

  5. 社内教育用の動画

  6. 人材採用向けの動画

 

上記のうち「5.社内教育用の動画」の制作は特にオススメだ。

 

例えば、上司が部下に日常的にレクチャーしている内容を動画にする。

そうすれば、上司は部下に何度も教える手間を削減できるだけでなく、部下も上司に何度も質問する必要がなくなり、職場の心理的安全性が担保される。

また、上司は自身のノウハウを客観視でき、それがノウハウのブラッシュアップにつながる。

 

動画の制作スタイルは様々だ。

視覚効果を多く用いた躍動感のある動画を作ることもあれば、収録した映像にテロップを入れるだけの簡易的な動画もあるだろう。

後者の動画が作れるだけでも、現場で必要とされる動画をフットワークよく作れるようになる。

 

なお、動画編集ツールを使えるようになることで、デジタルツールに対するリテラシーも向上する。

デジタルツールを操作することに抵抗があった人が、動画編集ツールを使えるようになったことで、ほかのツールの利用にも抵抗を感じなくなるケースは多い。

 

続いては、動画制作の賢い始め方について紹介する。

 

動画制作のリスキリングは、1本のカンタンな動画を作るところから始める

リスキリングを成功させるコツは、小さな目標をたくさん設けることだ。

 

リスキリングは、従業員のモチベーション維持との勝負と言える。

達成までに時間がかかる目標だと、終わりがなかなか見えず疲弊しやすい。

しかし、時間をかけずに達成できる小さな目標が多ければ、学びのモチベーションを維持しやすい。

 

例えば、まずは1か月ほどで3分ほどの短い動画を作ってみる。

その後は3週間に1本、慣れてきたら2週間に1本というように、スキルの上達状況に応じて動画を作る頻度やハードルを調整していく。

そうすることで、従業員は自分の成長を体感しながらモチベーションを維持できる。

 

また、動画制作のリスキリングにおいては、定番の動画編集ツールを使うことが重要だ。

なぜなら、定番ツールのほうが、YouTubeなどにアップされている解説動画の量が多く、自分に合った教材を見つけやすいからだ。

 

そこでオススメしたいのが、動画編集ツールの定番である「Premiere Pro(プレミアプロ)」だ。

Premiere Proは動画に関する様々な編集ができるツールで、多くのクリエイターやビジネスパーソンに使われており、YouTubeにアップされている解説動画も多い。

初心者にも優しい設計になっているため、基本的な操作であれば数週間〜1か月程度で身に付けられるだろう。

 

Premier Proを使うには、アドビの「Creative Cloud」というサービスの導入が必要だ。

Creative Cloudには、1種類のクリエイティブツールだけを使える「単体プラン」と、複数のクリエイティブツールを使える「コンプリートプラン」があるが、後者のコンプリートプランをオススメする。

コンプリートプランは、単体プランに比べて、使えるツールの数が1種類から20種類以上に増えるのだ。

Premiere Proだけでなく、Photoshop(フォトショップ)」や「Illustrator(イラストレーター)」といった画像加工やデザインのためのツールも使えるようになり、動画で使う素材の編集もしやすくなる。

「Premiere Pro」を使った動画制作のリスキリングに興味がある人は、ぜひCreative Cloudのコンプリートプランを検討してみてほしい。

 

そして、Creative Cloudには個人版と法人版があるが、社内のリスキリングを進めるうえでは、チームでの作業環境や管理機能が充実している「Creative Cloud 法人版」がオススメだ。


>>「Creative Cloud 法人版」の詳細を確認する

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/business/teams.html

  

  

「Adobe Creative Cloud」 で使えるクリエイティブツールの一部

Adobe Express

Adobe Express [アドビエクスプレス]

簡単に画像を加工をしたり、テンプレートや素材を使ったデザインを作成したりできる。
活用例 SNSマーケティング用の画像加工/チラシやバナーの作成

Adobe Photoshop

Adobe Photoshop [フォトショップ]

写真やイラストを編集できる。 色や明るさの調整、 文字の入力、 背景の削除など。
活用例 商品画像の加工/Webデザインの制作

Adobe Photoshop

Adobe Photoshop Lightroom [ライトルーム]

大量の写真を管理したり、写真の編集が可能。 Photoshopよりも手軽に画像の加工ができる。
活用例 商品画像の加工/大量の画像の管理

Adobe Illustrator

Adobe Illustrator [イラストレーター]

テキストと画像を使ってデザインを作成したり、緑や図形を組み合わせてイラストを描いたりできる。
活用例 ロゴやイラストの作成/ポスターやパンフレットの作成

Adobe Premiere

Adobe Premiere Pro [プレミアプロ]

動画のあらゆる編集ができる。 カット編集、 画面の分割、 音量調整、手ぶれ補正など。
活用例 セミナー動画の制作/ YouTube動画の制作

Adobe After Effects

Adobe After Effects [アフターエフェクツ]

テキストやグラフィックに動きをつけたり、動画にエフェクト (特殊効果) を追加したりできる。
活用例 モーショングラフィックの制作/3D映像やアニメーションの制作

  

「Adobe Creative Cloud」 で使えるクリエイティブツールの一部

Adobe Express

Adobe Express [アドビエクスプレス]

簡単に画像を加工をしたり、テンプレートや素材を使ったデザインを作成したりできる。
活用例 SNSマーケティング用の画像加工/チラシやバナーの作成

Adobe Photoshop

Adobe Photoshop [フォトショップ]

写真やイラストを編集できる。 色や明るさの調整、 文字の入力、 背景の削除など。
活用例 商品画像の加工/Webデザインの制作

なお、アドビでは、公式のYouTubeチャンネルAdobe Creative Station」や、短期完結型のオンライン講座「アドビことはじめ クリエイティブカレッジ」を通して、プロのクリエイターによる解説講座を提供している。

また、2022年に官民一体となり発足した日本リスキリングコンソーシアムアドビも参画しており、同団体内のサイトでも無料の学習プログラムを提供している。

 

つまり、アドビのPremiere Proなら、動画制作のリスキリングを今すぐにでも始められる環境が用意されている。

 

Creative Cloudには14日間の無料体験版がある。

そのお試し期間中に、試しにひとつ動画制作にチャレンジしてみるのもよいだろう。

 

Creative Cloudの導入後、「どんな動画から作ればよいかわからない」という場合は、まずは社内にあるPowerPointなどで作られたスライドをPremiere Proで読み込み、そこにナレーションとテロップを加えてみよう。

 

少し余裕があれば、カンタンな画面切り替え効果(トランジション)も加えてみる。

そうすれば立派な「社内教育用の動画」の完成だ。

 

ナレーションとテロップを入れるとき、自身のプレゼンスキルやライティングスキルが自然と磨かれることに気付くだろう。

1本の動画制作はまるで総合競技のようなもの。

まさにあらゆるポータブルスキルが鍛えられるトライアスロンだ。

 

動画制作のリスキリングを導入し、業務効率化を実現した企業の事例

ここからは、アドビの公式サイトに掲載されている、動画制作のリスキリング事例をいくつか紹介する。

以下の事例はほんの一部なので、もっと多くの事例を知りたい方は、以下のページへアクセスしてほしい。

 

●「Creative Cloud」の活用事例一覧

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/teams/showcase.html

【成功事例1】株式会社ベルーナの場合

通信販売事業を展開する株式会社ベルーナでは、従業員が動画制作のスキルを習得し、商品紹介に動画を活用することによって、最大20%の商品購入率アップに成功している。

ベルーナは、スマホを利用したECサイトからの受注が伸びており、これまで紙媒体が中心だった顧客とのコミュニケーションに懸念を抱いていた。

同時に、動画を活用したマーケティングに取り組む企業が急増していることもあり、動画活用の必要性を感じていたという背景があった。

 

社内に動画制作のノウハウや経験はなかったが、アドビが主催する「動画内製化セミナー」で基礎的な知識を学んだ後、動画制作のコンサルティング会社からサポートを受けるなどして、未経験の従業員の育成を進めた。

その結果、短期間で動画制作スキルを習得することに成功し、商品紹介動画を内製できるようになった。

この取り組みによって、商品購入率の向上や、ページの滞在時間の増加につながっている。

 

同社では2022年7月、EC販売の取り組み強化を目的として、撮影スタジオを完備した新オフィスも開設している。

スモールスタートしたベルーナの動画施策は、これから大きく拡大していくことだろう。

 

▼株式会社ベルーナの事例「スモールスタートから短期間で 動画内製を本格化」

https://business.adobe.com/jp/customer-success-stories/belluna-case-study.html

【成功事例2】株式会社クレディセゾンの場合

YouTubeチャンネルを運営する株式会社クレディセゾンは、もともと外注していた動画編集を、自社内で結成したクリエイターチームによって内製化。

様々なコストの削減や、ノウハウの蓄積に成功した。

クレディセゾンでは、動画編集を内製化したことで、1本の動画編集で5万円ほどかかっていた外注費が削減された。

また、外注に比べてコミュニケーションコストが大幅に減少し、細かな修正であっても柔軟に素早く対応できるといった点も、内製化によって得られた大きなメリットだった。

ほかにも、内製化によるメリットについて、同社の島野氏は次のように話している。

 

「色々な知見が溜まってくると次に活かすことができます。新しい企画を生み出す下地が自分たちの中でできてくるので、発想の自由度が広がっていったり、新しいことに挑戦するうえでのハードルが低くなっていく実感がありました」

 

このように、リスキリングによる従業員の能力開発は、新たな発想や可能性を引き出し、従業員のモチベーションを引き出す効果があるのだ。

 

なお、同社のリスキリングでは、アドビの「Creative Cloudチュートリアル」が活用された。

動画編集ツールの「Premiere Pro」だけでなく、デザインツールの「Photoshop」や「Illustrator」など、主要なクリエイティブツールに関する学習コンテンツがそろっている。

「Creative Cloudチュートリアル」では、わかりやすい動画コンテンツや、テキストと画像などによる解説を用いて、独学でも基本操作をカンタンに学べる工夫が施されている。

 

▼株式会社クレディセゾンの事例「金融業界初の社員YouTuberを支えるクリエイティブ内製チーム、「挑戦」を形にするAdobe Premiere ProとCreative Cloud」

https://blog.adobe.com/jp/publish/2022/06/15/cc-video-creditsaison

 

【成功事例3】株式会社ライドオンエクスプレスの場合

株式会社ライドオンエクスプレスは、宅配寿司「銀のさら」をはじめとした宅配専門のチェーン店を展開している企業だ。

同社では、人材教育のための研修やマニュアルを動画に移行し、人材教育の面で高い成果をあげた。

ライドオンエクスプレスでは、フランチャイズ店舗の店長研修に、以前までは紙の冊子を用いていた。

しかし、1か月以上にわたる集合研修を実施している間、店長は店に出勤できず、宿泊に伴うコストも発生してしまう。

そういったオフライン研修の弊害に課題を感じ、同社は2018年頃から徐々に動画でのオンライン研修へ移行していった。

研修が動画化されたことで、受講者が都合のよい時間や場所で学習できるようになり、それが好評で受講者数は約3倍にまで増加。

 

また、同社ではもともと動画制作を外注していたものの、スピード感に課題があった。

同社の佐藤氏は、次のように話している。

 

「第一に『スピード感』について課題がありました。事前の打ち合わせにしろ、撮影や編集のやり取りにしろ、とにかく時間がかかっていていました。例えば撮影中、プロのディレクターとフォトグラファーだと、影や色や向きなどの演出にこだわります。これはプロとして当たり前なのですが、我々はそこまで気にしない、マニュアルとして分かればよいわけです。反対に、こちら側がこだわりたいところ、例えば『手元や包丁を入れる角度の見せ方』など、そういったところが上手く伝わらず、理解してもらうまでにすごく時間がかかります」

 

そうした課題を解決するため、コンサルタントの指導を受けながら動画内製化の取り組みを開始。

未経験ではじめは何もわからなかった従業員も、他の業務も担当しながら1か月程度で一通りの操作はできるようになった。

ライドオンエクスプレスのように、研修の現場に動画を取り入れることで、大幅な業務効率化を図れる。

 

ちなみに、動画のカット編集やテロップ入れといった基本操作であれば、未経験者であってもすぐに扱えるようになる。

社内向けの研修用動画などであれば、細部へのクオリティや高度な編集スキルは不要なので、動画内製化のハードルはとても低く、費用対効果もかなり高いだろう。

 

▼株式会社ライドオンエクスプレスの事例「人材教育用の動画コンテンツを、撮影からPremiere Proでの編集まで完全内製化」

https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/06/15/cc-video-ride-on-express

  

動画制作のリスキリングなら、導入ハードルが低く、従業員の満足度も高くなりやすい

ここまで動画制作スキルの魅力について解説してきた。

改めて動画制作スキルをリスキリングするメリットについて整理しておこう。



■動画制作のリスキリング 10のメリット

 

  1. 既存スキルに「掛け算的」に作用する「ポータブルスキル」が強化され、既存業務の効率化を実現できる(発想力、論理的思考力、プレゼン能力、クリエイティブツールスキル、データ分析力、文章作成力など)

  2. 自社事業に新たな視点や価値が加わる
  3. 「持続可能性のあるスキル」が手に入り、キャリアを築きやすくなる
  4. 能動的な学びを促し、社内にリスキリングを歓迎する空気が醸成される
  5. 動画コンテンツはこれからますます必要とされる(マーケットニーズがある)
  6. 動画制作の外注コストの削減できるだけでなく、自社で何度も作り直せる
  7. 動画制作のスキル習得は比較的ハードルが低く、学びのためのYouTube動画や講座が多く用意されている
  8. 「成果物」を作っているという実感とともに、従業員が自身の成長を感じられる
  9. 様々な種類の動画を作れるようになれば、業務効率化だけでなく、マーケティングにおける成果も上がりやすい
  10. 動画制作のリスキリング支援を行っている会社も多く、自社のみでのリスキリングに困ったときは、支援会社を利用できる

 

これだけ多くのメリットが手に入る動画制作のリスキリング。

 

繰り返しになるが、動画制作のリスキリングは、あらゆるポータブルスキルを複合的に高められるので、レバレッジが効きやすい取り組みと言える。

そのため、小さな労力で大きな対価が得られるのだ。

 

そして何より、動画制作はリスキリングのハードルが低く、モチベーションを保ちやすいという特徴がある。

従業員にリスキリングの楽しさや可能性を感じてもらうためにも、ぜひ動画制作の学習に取り組んでみよう。

 

最初の一歩はカンタンに踏み出せる。

動画作成ツールの「Premiere Pro」をインストールして、動画制作にチャレンジしてみるだけだ。

 

Creative Cloudには14日間の無料体験版がある。

そのお試し期間中に、カンタンな動画をひとつ作ってみてほしい。

 

従業員と相談して意思決定するもよし、従業員に先行して経営層がチャレンジするもよし。

動画制作に興味が出た方は、ぜひ以下のページからCreative Cloudを導入してみよう。


>>「Creative Cloud 法人版(グループ版)」の詳細を確認する

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/business/teams.html