アドビ、ビジネスパーソンによるPDFファイルの利用状況に関する日本での調査結果を発表
~6割以上がPDFは書き換えられないと誤解、セキュリティ対策への認識不足も明らかに~
【2022年11月30日】
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:神谷知信、以下 アドビ)は本日、日本でのPDFファイルの利用状況や認識に関する実態調査の結果を発表しました。2008年にアドビがPDF(Portable Document Format)の仕様をISO(国際標準化機構)に委譲してから、PDFはオープンスタンダードとなり、ISOによって管理されています。以降、その技術が広く活用されることで、現在では世界中で最も信頼できるファイルフォーマットの一つとして普及しています。今回の調査は、PDFの開発元であるアドビが、来年でPDFの正式発表から30周年を迎える中で、普段仕事でPDFファイルを利用しているビジネスパーソン600名を対象に実施したものです。
今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通りです。
- 「コロナ禍前後でPDFファイルの扱いが以前よりも増えた」と47.3%が回答
- ビジネスパーソンの4割以上がPDFファイルのイメージを「レイアウトが崩れない(45.3%)」・「編集ができない(44.2%)」と回答
- 「普段利用しているPDF機能」の最多回答は「変換機能(他ファイルからPDF化)」57.8%、「知らなかったPDF機能」の最多回答は「比較機能(2つのPDFファイルの差分を確認)」35.0%
- 「運営元が不確かな無料のオンラインサービスを使って、ビジネス資料をPDF化・編集したことがある」と37.2%が回答、若年層ほど高い傾向
- 「機密性の高い文書をPDF化する際、パスワード設定や権限設定を行っている」と55.3%が回答、世代が上がるほど利用率が低い傾向
- 「PDF化した後でも設定次第で、第三者が後から加工・修正できる」ことを64.3%が「知らなかった」と回答
「コロナ禍前後でPDFファイルの扱いが以前よりも増えた」と47.3%が回答
コロナ禍前後でのPDFファイルの利用頻度について調べたところ、「以前よりも大幅に増えた」が15.0%、「どちらかというと以前よりも増えた」が32.3%で、合わせて47.3%がPDFファイルの扱いが増えたと回答しました。
4割以上がPDFファイルのイメージを「レイアウトが崩れない(45.3%)」・「編集ができない(44.2%)」と回答
PDFファイルに対してビジネスパーソンが持っているイメージを調べたところ、最も多かった回答は「レイアウトが崩れない」が45.3%、次いで「編集ができない」が44.2%と続きました。一方で、「電子署名/電子契約に使える」というイメージは8.7%に留まりました。
「普段利用しているPDF機能」の最多回答は「変換機能(他ファイルからPDF化)」57.8%、
「知らなかったPDF機能」の最多回答は「比較機能(2つのPDFファイルの差分を確認)」35.0%
PDFファイルに関して、普段利用している機能について聞いたところ、最も多かったのは「変換機能(エクセルやワード、パワーポイントなどをPDFに変換する)」で57.8%でした。次いで、「コメント、ノート注釈、ハイライト、スタンプの追加」、および「ファイルの結合、分割、削除、回転、並べ替え」がそれぞれ32.7%と31.5%と、3割以上が利用している形となりました。一方で、知らなかった機能として最も多かったのは「比較機能(2つのPDFファイルを比較し、相違点や差分を確認する)」で35.0%、次いで「クラウド共有機能」で29.2%となりました。
「運営元が不確かな無料のオンラインサービスを使って、ビジネス資料をPDF化・編集したことがある」と37.2%が回答
運営元が不確かな無料のオンラインサービスを使って、ビジネス資料をPDF化・編集をしたことがあるかどうか聞いたところ、20代の男女においては半数以上が、全体では37.2%が「ある」と回答しました。また、PDFファイルの作成に使用するツールによって、体裁やフォントの再現性、長期の閲覧性に影響が出ることを「知っていた」とする回答者は33.8%に留まりました。
「機密性の高い文書をPDF化する際、パスワード設定や権限設定を行っている」と55.3%が回答、世代が上がるほど利用率が低い傾向
「PDF化した後でも設定次第で、第三者が後から加工・修正できる」ことを64.3%が「知らなかった」と回答
機密性の高い文書をPDF化する際に、パスワード設定や権限設定を行っているかを聞いたところ、全体では「頻繁に利用している」が20.3%、「時々利用している」が35.0%で、合わせて利用率は55.3%となりました。年代別で見ると、20~30代では利用率がそれぞれ72.6%と59.3%と、平均より高い結果となりました。一方で、全体の25.7%にあたる、4人に1人以上がパスワード設定や権限設定を「全く利用していない」ことがわかりました。また、PDF化した後でも設定次第では第三者が後から加工・修正できること、および個人情報の漏洩に繋がる危険性について認識があるか調べたところ、全体の64.3%が「知らなかった」と回答し、適切な設定をしないことによるセキュリティリスクが浮き彫りになりました。
今回の調査結果を受け、アドビ株式会社マーケティング本部デジタルメディア ビジネスマーケティング執行役員の竹嶋拓也は次のように述べています。
「今回の調査でPDFファイルの利用増加がみられる通り、デジタルツールの普及は急速に進んでいます。Adobe Acrobatでは前年比で半数以上のPDFがモバイルやwebで開かれ、過去1年間で数億ものファイルが共有されています。また、年間で数兆ものPDFが作成されるなど、PDFをベースとした共同作業が加速しています。しかし、PDFがオープンスタンダードとなり普及した一方で、国際規格に準拠していなかったり、権限設定に不備があるPDFが数多く作られ、セキュリティリスクの増加といったトラブルが発生しているのも事実です。こうした中で、企業が最適なツールを導入して基盤を整え、ビジネスパーソンが正しいITリテラシーを身に付けて文書管理を行うことが、喫緊の課題です。アドビは約30年前にデジタルドキュメントというカテゴリを創出し、それ以来機密文書の保護やツールを活用したコラボレーションの促進など、利用者のニーズに基づいてPDFをベースとした革新を提供してきましたが、これを継続することがアドビのDNAに刻まれた使命であると考えます。」
アドビは、PDFを基盤としたデジタルドキュメントの閲覧、編集、共有や、電子契約などの機能を提供して文書業務を効率化する統合ソリューション「Adobe Document Cloud」を提供しています。 製品群の一つである「Adobe Acrobat」 は、グローバル規格で高品質かつ安全性を担保したセキュアなPDFの作成や管理を、場所やデバイスを問わず行えます。さらに、共有レビュー機能を活用することにより、クラウド上で安全に書類を共有でき、電子サインソリューション「Adobe Acrobat Sign」ですべてのデジタル署名のワークフローを推進するなど、業務効率も高められます。さらに、ビジネス版やエンタープライズ版では、Admin Console(管理コンソール)やカスタマイゼーションウィザードを用いてライセンス管理やセキュリティ設定の統制が可能であるため、企業でも安心して利用いただけます。 「Adobe Document Cloud」に関する詳細はこちらからご覧ください。
「PDFファイルの利用状況調査」 概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:600人(仕事でデスクワークを主とし、月に1回以上PDFファイルを扱っていると回答した20~59歳の全国のビジネスパーソン<性別/年代で75名ずつ均等割付>)
調査期間:2022年10月21日~2022年10月26日
■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative Cloudは、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloudでは、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloudは、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Senseiを活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。
アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html)をご覧ください。
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