アドビ、「Adobe Digital Price Index」を発表:オンラインインフレ率が過去最高を記録
- オンライン価格は昨年同月比で3.5%上昇
- 2021年11月時点で、オンライン価格は18か月連続で上昇
- 米国では現在、4ドルのうち1ドルがオンラインで消費される傾向に
※当資料は、2021年12月9日に米国本社から発表されたプレスリリースの抄訳です。
【2021年12月14日】
Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、米国における最新(2021年11月時点)のオンラインインフレデータ「Adobe Digital Price Index(DPI)」を発表しました。これによると、オンライン価格は、前年同月比で3.5%の上昇で過去最高を記録しましたが、ホリデーシーズン中に実施された割引により前月比では2%の下落となりました。この結果は、アドビが2014年にデジタルエコノミーの追跡調査を開始して以来、最高の前年比上昇率であり、18か月連続で前年比オンライン価格が上昇したことになります。中でもアパレルは、前年同月比で17.3%の上昇、前月比ではわずか0.4%の下落となり、過去最高のインフレ率を記録しました。なお、米国では現在、4ドルのうち1ドルがオンラインで消費されており(注1)、デジタルエコノミーは経済全体の重要な構成要素となっています。
DPIは、米国の消費者がオンラインで商品を購入する際の価格を包括的に示した指標です。米国内の1億点以上の製品を対象とし、米国労働統計局が発行する消費者物価指数をモデルとしています。この指標は毎月更新され、エレクトロニクス、アパレル、家電製品、書籍、玩具、コンピュータ、食料品、家具・寝具、工具・ホームセンター用品、家庭用品・園芸用品、ペット用品、宝飾品、医療機器・用品、スポーツ用品、パーソナルケア用品、花・関連ギフト、非処方箋薬、事務用品の18カテゴリーを対象としています。
元国際通貨基金シニアエコノミストである経済学者、マーシャル ラインズドルフ(Marshall Reinsdorf)氏は、次のように述べています。「国勢調査局のデータによると、食料品やホームセンター用品などの支出がオンラインに移行したことで、非燃料小売支出に占める電子商取引の割合が過去10年間で3倍になっています。インフレを理解する上で、デジタルエコノミーにおける価格測定が重要な役割を担うようになってきたのです。Adobe Digital Price Indexは、消費者物価指数などの指標を補完して、人々の生計費に関する重要な情報をタイムリーに示すものといえるでしょう。」
アドビのグロースマーケティング&インサイト担当バイス プレジデントのパトリック ブラウン(Patrick Brown)は、次のように述べています。「サプライチェーンの混乱が続く中でも消費需要は堅実で、Eコマースにおける記録的な高インフレを支える要因となっています。商品カテゴリー別に見てみると、アパレルではオンラインの『在庫切れ』メッセージが突出して多く発生しています。一方で、消費者物価指数によればオフラインの価格も急上昇しており、玩具、コンピュータ、スポーツ用品などのカテゴリーでは、オンラインで買い物をする方が安いと言えます。」
Adobe Digital Price Index(2021年11月)で注目の商品カテゴリー
2021年11月、Adobe Digital Price Indexが追跡する18の商品カテゴリーのうち、11のカテゴリーで前年同月比の価格上昇が見られました。アパレルは他のカテゴリーと比較して価格が急上昇した一方、エレクトロニクス、パーソナルケア用品、オフィス用品、ジュエリー、書籍、玩具、コンピュータの7カテゴリーでは値下がりが見られました。前月比では、食料品、ペット用品、工具・ホームセンター用品、医療機器・用品の4つを除く全てのカテゴリーで、ホリデーシーズン中の割引により価格が下落しました。
- アパレル:価格は前年同期比17.3%増、前月比0.4%減でした。2014年以降、アパレルのオンライン価格に前年同期比9%を超える上昇が見られたのは3回だけでした(2016年8月、2020年1月、2020年2月)。現在、このカテゴリーでは、8か月連続で前年同月比9%以上の価格上昇が記録されています。
- 食料品:価格は前年同期比3.9%増、前月比0.6%増でした。オンライン価格は前年比ベースで22か月にわたって上昇を続け、消費者物価指数(実店舗での購入の際に消費者が支払う価格)と歩調を合わせるように推移しています。
- エレクトロニクス:価格は前年同期比0.4%減、前月比4.0%減でした。ゲーム機、モバイル機器、テレビ、ウェアラブル製品などを含むこのカテゴリーでは、これまで(2015年~2019年)、価格は平均して前年比9.06%減となっていました。2021年のサイバーマンデーでは、過去数年と比較してエレクトロニクスへの支出が増加しており、値引率も12%台と、過去に記録していた27%台と比較すると少ないものでした。
- 家電:価格は前年同期比4%増、前月比2.7%減でした。このカテゴリーでは、前年比ベースで19か月連続してオンラインでのインフレが続いています。2019年12月に最安値(前年同期比4.6%減)を記録した後、2020年5月には上昇に転じ(前年同期比0.2%増)、2020年12月にはピークを迎えました(前年同期比7.1%増)。
- 玩具:価格は前年同期比2.9%減、前月比3.6%減でした。過去のデータを見ても玩具は、書籍やコンピュータと同様に、強いデフレが継続している数少ないカテゴリーの1つです。2021年のサイバーマンデーでは、値引率は22%台と、19%台だった昨シーズンよりも値下がり幅が大きかった唯一のカテゴリーでした。
調査方法について
Adobe Digital Price Index(DPI)は、米国労働統計局が発表している消費者物価指数をモデルとしており、オンライン価格の追跡にはFisher Ideal Price Index(フィッシャー理想物価指数)を使用しています。これは、基準時(例:ある月)と比較時(例:その前月)に、それぞれ購入された同一商品の数量をもとに、カテゴリーごとに価格変動を算出するものですが、アドビの分析では、前後する2つの月に購入された製品の実際の数量によって重み付けをしています。
DPIでは、Adobe Analyticsを使って測定した小売サイトへの1兆回の訪問と、18の製品カテゴリーにおける1億以上のSKUを分析しています。商品分類は、CPI Manual(消費者物価指数マニュアル)で定義されたカテゴリーに準拠し、アドビのAI/機械学習フレームワーク「Adobe Sensei」と手作業を組み合わせて行っています。この分析手法は、シカゴ大学ブースビジネススクール経済学教授であるオースタン グールズビー(Austan Goolsbee)氏と、スタンフォード大学経済学部教授であるピート クレノー(Pete Klenow)氏という2名の経済学者の協力を得て開発されました。
(注1)アドビは、2021年のホリデーシーズン(11月1日〜12月31日)に、4ドル中1ドルがオンラインで消費されると予想しています。これは、全米小売業協会(NRF)の店頭販売を含む総小売予測を指標としたものです。
■Adobe Experience Cloudについて
アドビは、Adobe Experience Cloudで顧客体験管理(CXM)を再定義します。Adobe Experience Cloudは、エクスペリエンスのためのデジタルコンテンツの制作からマーケティング、広告、アナリティクス、コマースを含む業界唯一の包括的なソリューションです。Adobe Experience Cloudは、すべてのタッチポイントやあらゆるチャネルを通し、魅力的なB2C/B2B/B2Eエクスペリエンスを一貫性と継続性をもって提供することを支援し、ブランドが統一された安全でスケーラブルなデジタル基盤を構築できるようにします。Adobe Experience Cloudの一部であるAdobe Experience Platformは、CXMのための初のリアルタイムプラットフォームです。オープンで拡張性のあるAdobe Experience Platformは、企業全体のデータをつなぎ合わせ、リアルタイムの顧客プロファイルを可能にし、Adobe Experience Cloudソリューション全体で有効化することができます。
■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative Cloudは、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloudでは、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloudは、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Senseiを活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。
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