アドビ、2021年ホリデーシーズンのオンライン売上高がグローバルで過去最高となる9,100億ドルに達すると予測
米国のオンライン売上予測は2,070億ドルで過去最高 日本は2019年比27%増の12.4兆円とオンラインショッピングが拡大
※当資料は、2021年10月20日に米国本社から発表されたブログの抄訳です。
【2021年10月21日】
Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、2021年のホリデーシーズン(11月1日~12月31日)の米国を中心としたグローバルのオンラインショッピング予測を公表しました。これによると、11月1日から12月31日までの米国のホリデーシーズンのオンライン売上予測は 2,070億ドル(約22.77兆円)とこれまでの記録を更新する見込みです。これは、2020年と比較して10%の増加で、パンデミックの影響でEコマースが生活に不可欠なサービスとなってから1年を経てもなお、高い成長率を示しています。今年初めて本調査の対象となった国内のオンライン売上は12.4兆円と昨年比2%増の予測で、2019年比では27%増とコロナ禍でEコマースが大きく拡大しています。全世界で見ると、今シーズンのオンライン支出は前年比11%増の9,100億ドル(約100.1兆円)に達することが見込まれ、2021年の世界のEコマース売上高は大台超えの4.1兆ドル(約451兆円)という新たな節目を迎えると予測されます。
米国では、Eコマースの普及に伴い、主要な「ショッピングデー」の存在感が薄れつつあります。サイバーウィーク(11月25日の感謝祭から11月29日のサイバーマンデーまでの5日間)には、ホリデーシーズン全体の17%にあたる360億ドル(約3.96兆円)のオンライン消費が見込まれています。しかしその伸びは鈍化しており、5日間を通して前年同期比5%増と、ホリデーシーズン全体の10%増を下回ると見られます。113億ドル(約1,243兆円)の売上を見込むサイバーマンデーは、依然としてシーズン中および年間で最大のショッピングデーですが、その伸びは前年比4%増に留まる予測です。同様に、ブラックフライデー(11月26日)は95億ドル(約1,045兆円)で前年比5%増、感謝祭(11月25日)は54億ドル(約5,940億円)で6%増と、3大ショッピングデー単独の売上はいずれも、シーズン全体の成長率を下回ることとなる予測です。
ショッピングシーズンに影響を与えるサプライチェーンの課題
オンラインショッピングに対する消費者の需要が急増する一方で、小売業者は、港の混雑や貨物の遅延、海外生産の中断など、サプライチェーンに関する深刻な問題に直面しています。これは消費者にも影響を与えており、ホリデーシーズンを間近に控え、在庫切れメッセージの表示数はパンデミック前(2020年1月)と比較して172%と大幅に上昇しています。アドビは、この状況がシーズンを通して継続し、特定の商品分野ではさらに増加すると予測しています。アドビが調査している18カテゴリーの中では、アパレルが最も在庫切れ率が高く、次いでスポーツ用品、ベビー用品、エレクトロニクス製品となっています。
サプライチェーンの弱体化は、オンライン価格の上昇にも拍車をかけています。アドビは、今年のサイバーウィーク中に米国の消費者が支払う金額が、昨年のホリデーシーズンに比べて平均で9%増加すると予測しています。これは、1年を通して続いているEコマースのインフレに加えて、割引率が低いことが原因です。カテゴリー全体で過去の平均的な割引率が10〜30%であったのに対し、今シーズンでは5〜25%程度になるとみられます。Eコマースにおけるインフレは、2020年6月以降16か月連続で観測されており、2021年9月時点のオンライン価格はホリデーシーズンに向けて3.3%上昇しています。ショッピングシーズン直前のオンライン価格は、以前は前年比で平均5%減でした。オンライン価格は店頭価格ほど急速に上昇していないものの、2021年9月時点で前年比5.4%の上昇が見られています。
アドビのグロースマーケティング&インサイト担当バイスプレジデントのパトリック ブラウン(Patrick Brown)は「パンデミックの影響下で私たちは2回目のホリデーシーズンを迎えようとしています。商品の在庫が限られ、価格が高騰し、配送の遅れが懸念されるため、消費者がいつ、どのように買い物をするかをより柔軟に選択できるEコマースへの需要がさらに高まるでしょう」と述べています。
割引率や最もお得な日に関するインサイト
- カテゴリー別の割引について:アドビでは、Digital Economy Indexの調査対象となっているすべての主要なギフトカテゴリーにおいて、割引率が低下すると予測しています。例えば、エレクトロニクス製品の割引率は、2020年の27%から今シーズンは22%に低下すると見込んでいます。その他のカテゴリーでは、コンピューターが25%(2020年は30%)、テレビが15%(同18%)、家電製品が16%(同20%)、おもちゃが16%(同19%)、スポーツ用品が14%(同20%)、アパレルが15%(同20%)、家具が7%(同9%)、工具が8%(同11%)となっています。
- 買い物のタイミング:アドビが米国の消費者1,000人以上を対象に実施した調査では、67%が今年のギフトがより高価なものになることを懸念しています。10月から季節的な割引が5%から15%の範囲で始まると予測されていますが、小売業者はサプライチェーンの課題に対処しようとしているため、最大の割引(5%から25%の範囲)はやはり感謝祭とサイバーマンデーを中心に実施されると見られます。例えば、エレクトロニクス製品などの特定のカテゴリーでは、サイバーマンデーよりも前に最大の割引幅に達すると想定されます。最もお買い得な日は、カテゴリー別で次の通りと予測されています。感謝祭(11月25日)はおもちゃ、ブラックフライデー(11月26日)は家具・寝具と工具・ホームセンター用品、土曜日(11月27日)はエレクトロニクスと家電製品、日曜日(11月28日)はアパレルとスポーツ用品、サイバーマンデー(11月29日)はテレビ、コンピューターはサイバーウェンズデイ(12月1日)です。
後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)、人気のギフト、店舗前受け取りについてのインサイト
- 後払い決済(BNPL):消費者は、ホリデーシーズン前後に使える現金を確保するため、BNPLなど新しい決済手段に注目しています。Adobe Analyticsのデータによると、今年のBNPLによるオンライン収益は、2020年に比べて10%、2019年に比べて45%増加しています。また、消費者はBNPLをより安価な注文にも利用するようになっており、最小注文額は前年比12%減の225ドル(約2万4,750円)となっています。アドビの調査によると、回答者の25%が過去3か月間にBNPLを利用したことがあると答えており、カテゴリーとしては、アパレル(回答者の43%)、エレクトロニクス製品(同33%)、食料品(同30%)が上位を占めています。
- 店舗前受け取りの人気が再燃:2020年12月、消費者がより安全な方法を選択した結果、オンライン注文全体の25%で店舗前受け取りが利用されました。今シーズンは、配達遅延への懸念がこのオプションの利用をさらに促進すると予測されます。実際にアドビの調査では、消費者の65%が配送の遅れを懸念しています。このオプションの利用は、2021年11月を通じて25%で推移するものの、クリスマスイブ直前の12月22日〜12月23日にピークであるオンライン注文全体の40%に達するとアドビは予測しています。
- 欲しいギフト上位ランキング:アドビのデータに加え、市場動向やソーシャルメディアでの話題性を分析した結果、今シーズンのランキング上位に入ったおもちゃは「Tamagotchi Pix」、「Pop Fidget」、「Got2Glow Fairy Finder」、「Baby Yoda」、「Gabby's Dollhouse」、ゲーム機器としては「Nintendo Switch OLED」、「PlayStation 5」、「Xbox Series S/X」、「Stream Deck」などが挙げられます。ゲームタイトルでは、「Metroid Dread」、「Battlefield 2042」、「Pokemon Brilliant Diamond & Shining Pearl」、「Halo Infinite」、「FIFA 22」でした。その他の上位にランクしたギフトは、「Airpods Max」、「スマートマグカップ」、「Instant Pot」、「エアフライヤー」、「スマートウォーターボトル」、「ドローン」、「レコードプレーヤー」などです。
- 消費者と大画面:消費者が家で過ごす時間が長くなり、仕事でノートパソコンを利用することが多くなったため、スマートフォン経由のショッピングは成長が頭打ちになっています。アドビは、今シーズンのEコマース売上高全体の42%である860億ドル(約9.46兆円)がスマートフォン経由となると見ており、2020年からの増加率は5%と控えめです。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、映画館での体験を自宅で再現しようと、テレビの大画面化が進んでいます。テレビの売上のうち70〜79インチが占める比率は、2018年の9%、2019年の16%を経て、2020年には22%に達し、80インチ以上が占める比率は、2018年と2019年の1%から、2020年には売上の3%へと上昇しています。
- 買い物に熱中する消費者:今年のホリデーシーズン中、米国の消費者は平均して丸々12時間をオンラインショッピングに費やすことになります。Eコマースの「ゴールデンアワー」と言われるサイバーマンデー当日の朝7〜9時(現地時間)では、わずか4時間で29億ドル(約3,190億円)がオンラインで消費されると見られており、これは2021年8月の平均的な1日に使われた19億ドル(約2,090億円)よりも50%多い額です。このピークタイムには、毎分1,200万ドル(約13億円)以上が消費されることになります。
- 体験を贈る:アドビの調査によると、今年のホリデーシーズンは、半数以上(51%)の回答者が物販商品をギフトとして購入する予定ですが、1/5近く(17%)は体験をギフトとして贈る予定です。スパトリートメント(25%)、コンサートチケット(25%)、スポーツイベント(22%)、飛行機のチケット(21%)、料理教室(16%)などが上位に挙げられています。
分析および調査方法について
Adobe Digital Economy Index(DEI)は、1兆回を超えるサイトアクセス数と18の製品カテゴリーにおける1億以上のSKUをカバーするAdobe Analyticsの分析データを利用しており、テクノロジー企業や調査会社が手がける同種の指標のなかで最も包括的なインサイトを提供します。グローバル分析は、アメリカ、アジア、ヨーロッパの100か国以上における取引に基づいています。DEIの測定に合わせて行われた補完調査は、米国の18歳以上の消費者1,012人を対象に、2021年9月23日~2021年10月1日に実施しました。
■Adobe Experience Cloudについて
アドビは、Adobe Experience Cloudで顧客体験管理(CXM)を再定義します。Adobe Experience Cloudは、エクスペリエンスのためのデジタルコンテンツの制作からマーケティング、広告、アナリティクス、コマースを含む業界唯一の包括的なソリューションです。Adobe Experience Cloudは、すべてのタッチポイントやあらゆるチャネルを通し、魅力的なB2C/B2B/B2Eエクスペリエンスを一貫性と継続性をもって提供することを支援し、ブランドが統一された安全でスケーラブルなデジタル基盤を構築できるようにします。Adobe Experience Cloudの一部であるAdobe Experience Platformは、CXMのための初のリアルタイムプラットフォームです。オープンで拡張性のあるAdobe Experience Platformは、企業全体のデータをつなぎ合わせ、リアルタイムの顧客プロファイルを可能にし、Adobe Experience Cloudソリューション全体で有効化することができます。
■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。Creative Cloudは、写真、デザイン、ビデオ、web、UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。Document Cloudでは、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。Experience Cloudは、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Senseiを活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。
アドビに関する詳細な情報は、webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html )をご覧ください。
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