このチュートリアルでは、アートボードの設定から検索ヒット率を上げるキーワードの選択まで、Adobe Stockに投稿するベクターアートを作成するための基本的な内容を学習します。
ベクター画像は、Adobe Stockコントリビューターポータルに簡単にアップロードできますが、まずは、自分のアイデアをまとめるにあたり、審査に通るための条件を考慮いただく必要があります。主なポイントは、心を揺さぶるトピック、整理されたファイル、およびベクターアートならではの作風であることです。
ベクター画像を作り始める前に、自分のアイデアが利用者のニーズに対応しているかどうか、つまり、「自分が利用者であったらこのベクター画像を購入するだろうか」と考えます。
食と健康のブーム(例えば、グルテンフリー食品など)、環境トピック(太陽エネルギーなど)、法関連の話題(医療保険の補償内容など)といった今のトレンドについて調べてみるとよいでしょう。ニュースなどから今後のトレンドをいち早く察知して、そのトピックが話題になるタイミングに合わせてコンテンツをアップロードします。例えば、下のサンプル画像(1A)は、夏のシンボルとも言えるアイスクリームの移動販売車のイラストです。
トレンドを見つけるヒント:
どのような画像がよく売れているかを把握するために、 Stock.Adobe.com にアクセスして画像を検索します。検索結果を「ベクター」に絞り込み(1B)、「ダウンロードの多い順」に表示(1C)します。
季節や祝日について調べて、人気のあるトピックを見つけます。下のドラゴンの画像(1D)は、多くのアジア諸国で祝われる旧正月に関連する面白い画像です。
購入してもらえそうなトピックを見つけたら、今度は、画像のイメージについて考えます。今年のビジュアルトレンド(英語)を参考にして、今のトレンドに合った新鮮な作品を作成しましょう。トレンドの中には繰り返されるものもありますが、2000年に流行した3Dキャラクターや光沢のあるボタンなど、今では時代遅れとなったものもあるので注意しましょう。
Adobe Stockに投稿するには、アートボードのサイズ(2)が15メガピクセル(MP)以上である必要があります。アートボードのサイズを確認するのは、
簡単です。アートボードのサイズを指定してから、幅のピクセル数と高さのピクセル数を掛け合わせます。
例えば、5,000px x 3,000px = 15,000,000(15MP)となります。
購入者が使用しやすいように、ファイルをきれいに整理しておきます。それには、次の点に注意します。
すべてのレイヤーに名前を付け、ロックを解除し、「表示」にしておきます(3A)。
塗りが適用されたすべてのシェイプのパスを閉じます(3B)。
すべての塗りのパターンを分割・拡張します。これは、Adobe Illustratorの過去のバーションによっては、パターンが分割・拡張されていないと編集できない場合があるためです(3C)。
購入者の環境でフォントの互換性の問題が発生しないように、テキストの使用は必要最小限に抑えます。環境にフォントがなくても表示されるよう、テキストのアウトラインを作成することをお勧めします。その場合、テキストを変更することはできません。
ピクセルベースの画像(JPEG)はベクターではないため、ベクターファイルには埋め込みません。
ファイルを保存します。
すべての購入者がファイルを開けるように、Adobe Illustratorの過去のバージョンで保存します。Illustrator CSのバージョンまで互換性を持たせても、問題が発生することはありません。ファイルはAIまたはEPS形式で保存します。
ファイルサイズは、最大45MBまでです。
自動トレースは、水彩画や単色の手描きのイラストなどにのみ使用することをお勧めします。これは、購入者が画像の色や要素を変更したい場合、自動トレースでは非常に多くのパスやアンカーポイントが作成されるため、こういった変更が困難になるためです。写真などの複雑な画像では自動トレースは使用しないようにします。例えば、下のトレース画像(4)の男性のTシャツの色を変えたい場合を考えてみてください。
投稿するコンテンツの数が多ければ多いほど、購入してもらえる可能性も高まりますが、同じベクターアートの色、背景、テクスチャなどを少しだけ変えて何度も投稿するのは避けましょう。ベクターイラストのメリットは購入者が要素をカスタマイズできることです。このため、オリジナルのコンテンツを作成することに専念しましょう。下の医療器具の画像(5A)とそのバリエーション(5B)をご覧ください。色とトリミングのみでなく、ケースの角度も異なっているのがわかります。購入者は、これら2つの画像から自分のイメージに合ったものを選ぶことができます。
Adobe Stockに投稿するコンテンツはすべて、コントリビューター自身が作成および管理する必要があります。
投稿するベクターアートに、企業のロゴや商標、著作権が付与された画像などが含まれていないことを確認します。
似顔絵(6)など、実際の人物の顔や体の部分をもとにしたベクターアートを投稿するには、モデルリリースが必要です。
同様に、有名な場所や建物、その他著作権を有するもの(絵画など)をもとにしたベクターアートの場合も、プロパティリリースフォームに記入して所有者に署名してもらう必要があります。
詳しくは、 弊社ガイドライン を参照してください。
ベクターアートを作成したら、今度は、利用者に見つけてもらえるように適切なキーワードを付けましょう。コンテンツをアップロードするときに、自動タグ付け機能によっていくつかのキーワードが作成されます。キーワードのリストを確認して、必要に応じて削除、変更します。このとき、最も重要なキーワード7つをリストの上位に配置します。キーワードは、並べ替えツールを使うか、ドラッグ&ドロップで移動できます。詳しくは、 適切なキーワードで作品を簡単に見つける を参照してください。
これで終了です。以上のガイドライン、参考になりましたでしょうか。ご自分のベクターアートをAdobe Stockにぜひ投稿してみてください。
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ベクターアート
を検索する