人や動物の単純な動きは、速度を変えるだけでも非常にユニークなものに変化します。このチュートリアルでは、Premiere Proの「タイムリマップ」と「逆再生」を使って、単純な動作の映像をユニークなものにする方法を解説します。まずは、下の1分動画で制作工程を確認してください。
本チュートリアル内で使用する主な機能
タイムリマップ、逆再生
以下が大まかな流れです。
Premiere Pro を起動し、新規プロジェクトを作成する
素材を読み込む
タイムラインにビデオ素材を追加する
速度を変える
速度を徐々に変える
逆再生や動きの複製を作成する
作業に入る前に、練習用のデータ素材をダウンロードしておきましょう。
このサンプルファイルには、このチュートリアルの練習⽬的でのみ使⽤可能な、Adobe Stockの素材が含まれています。このファイルの利⽤条件については、フォルダー内のReadMeファイルを参照してください。 Adobe Stock には、商⽤利⽤可能なロイヤリティフリーの画像とビデオが数億点以上あります。 1か⽉の無料体験期間中 は画像を10点までご利⽤いただけます。
Adobe Stock 提供元 : ATW Media
ダウンロードしたら、デフォルトの複雑なファイル名を分かりやすいように変更します。ここでは「Dog leaping」に変更します。
Premiere Pro を起動し、スタート画面の「新規プロジェクト」をクリックします。
「新規プロジェクト」画面が表示されたら、プロジェクト名と保存先を指定します。
「読み込みモードをスキップ」にチェックを入れ、[作成] をクリックします。
Premiere Proの編集画面が立ち上がったら、ワークスペースを「エフェクト」に変更します。
ダウンロードした練習用サンプルファイル「sozai」を「プロジェクト」パネルにドラッグ&ドロップし追加します。
「プロジェクト」パネルで「Dog leaping.mov」を選択し、右クリックから「クリップに最適な新規シーケンス」を選択。タイムラインに素材を追加します。その際シーケンス名を「速度調整」に変更します。
タイムラインの「Dog leaping.mov」クリップの左上にある「fx」を右クリックしメニューを表示させて、「タイムリマップ」内の「速度」を選択します。
タイムライン上で速度の変更を行いますので、速度のゲージが見やすいように「v1」の幅を広げておきましょう。タイムライン上の「トラック出力の切り替え(目のマーク)」の横の空白になっている箇所を左ダブルクリックで幅が広くなります。
タイムリマップ用のマーカーを打っていきます。
タイムライン上のクリップにある白い細いラインの上に「command」キーを押しながらカーソルを合わせると、図のような白色のカーソルと「+」点が現れます。「+」が現れたタイミングでクリックするとタイムリマップ用のマーカーを付けることができます。
速度を可変したい箇所を想定しながら、それぞれの箇所を区切る役割としてマーカーを足していきます。今回は「00:00:01:14」「00:00:06:23」「00:00:08:16」にマーカーを付けましょう。全てのマーカーを付け終わると、図のようなタイムラインになります。
マーカーを打ち終わりましたら速度の可変を行なっていきます。
タイムライン上の素材の白い線の上にカーソルを合わせ、線をドラッグしながら上に移動していきます。
「00:00:00:00」から「00:00:01:14」の間の白い線をクリックし、「200%」まで引き上げていきます。
同じ要領で「00:00:01:14」から「00:00:06:23」の間を「3800%」、「00:00:08:16」からの線を「1400%」に設定します。
速度を徐々に可変する設定をします。
マーカーの上にカーソルを合わせると、カーソルが白色になり、左右の矢印が現れます。
このタイミングでマーカーをドラッグしながら横に移動すると線の形が変わります。この線の角度によって、可変の速度が変化します。
可変をスムーズにしていきます。
移動したマーカーを選択します。斜め線の中心青いハンドルが現れます。ハンドルを左右にドラッグすると、直線だった線がS字曲線に変わります。このカーブの度合いで可変のスムーズさが変わります。
3.タイムリマップの調整が終わりましたらレイヤーを選択します。右クリックし、「補間」から「オプティカルフロー」を選択します。オプティカルフローを適用することで、速度がスローになった時の動きを滑らかにすることができます。
クリップを選択し、ツールバーの「レーザーツール」で巻き戻したい部分を決めてカットします。後半の素材は一旦後ろにずらし、できたスペースに巻き戻したい素材を2回複製して、同じシーンが3回流れるようになります。
複製した真ん中の素材を右クリックし、「速度・デュレーション」を選択します。逆再生のチェックボックスをクリックしチェックマークを入れます。これによって、再生される映像の中に逆再生のシーンが加わることになります。
先ほど後ろに下げた、素材と複製した素材の間を右クリックし「リップルを削除」を選択すればタイムラインのスペースを埋めることができます。完了すると下記のようなタイムラインになります。
映像を再生してみて、問題がないかを確認します。
今回は、Premiere Proの「タイムリマップ」を使用して動物の動きに緩急を付ける方法をご紹介しました。動きのあるユニークな映像を作りたい時は、この方法を応用して様々な場面に利用してみてください。