メッセージを効果的に伝えるために、5つの原則を守ってデジタルデザインプロジェクトを正しく始めましょう
デザインするものが電子書籍でも、インタラクティブパンフレットでも、ここで説明するデジタルデザインの原則に従って作業すれば、質の高いユーザーエクスペリエンスを提供できます。
デジタルデザインプロジェクトを開始する際には、成果物がどのような場所で利用され、どのようなデバイスの制約を受けるのかを把握することが必要不可欠です。
想定される画面サイズ(フォームファクター)に合わせてデザインしましょう。InDesignの新規ドキュメント ダイアログボックスには「web 」および「モバイル 」のプリセットが用意されているほか、デザインの土台にするAdobe Stockテンプレートを検索する機能もあります。
インタラクティブ機能をどのような形で対象デバイス向けに最適化するか、方針を立てておきましょう。
印刷物の常識の枠にとらわれないようにしましょう。デジタルデザインで使われる寸法の単位はピクセルであって、パイカやインチではありません。また、カラーモードはRGB(R=レッド、G=グリーン、B=ブルー)であって、CMYK(C=シアン、M=マゼンタ、Y=イエロー、K=ブラック)ではありません。
コンテンツの階層構造
合理的で効果の高いデザインにするために一番大切な要素は何なのかを決めましょう。
焦点を明確にしましょう。例えば、イベント告知のチラシなら、見る人の意識を日付、時刻、場所などの重要情報に向けさせることが大切です。
鍵になるデザイン要素を「ビジュアルランゲージ」(情報伝達のための視覚表現)として繰り返し使いましょう。Creative Cloudライブラリに素材を保存して共有すると、いろいろな場所で簡単に再利用できます。
Adobe Fonts、フォントサイズ、カラーなどのInDesign機能を活用して、デザインに含まれる様々な要素の重要度の違いを視覚的に伝えましょう。
見出しや本文などの文字要素に対する書式設定は、段落スタイルとして保存しましょう。一貫性を保つために役立ち、視覚的な統一感を出しやすくなります。
読みやすさを確保する
テキストをひと目で簡単に読み取れるようにすることは、ユーザーの関心を引くうえで非常に大切です。
デザインに含めるフォントは、取り合わせの相性のよさで選び、数を限定しましょう。
文字カーニング、トラッキング、整列機能を使って読みやすいテキストにしましょう。
テキストと背景のコントラストをしっかりつけましょう。
対象となるメディア上でテキストが過剰に大きくなるデザイン、過剰に小さくなるデザインは避けましょう。
忘れずにスペルチェックを実行し、さらに、間違いやスペルチェックのミスを見つけるために校正作業をおこないましょう。
インタラクティブ機能を追加する
リンクやビデオのようなインタラクティブ機能は、ユーザーの興味を引き、心に強く訴えるデザインを作るために役立ちます。
インタラクティブ要素は、節度をもって使いましょう。強い印象を与えようとして盛り込みすぎるのは良くありません。
対象メディアの特性を考慮しましょう。提供形式やデバイスの種類によっては一部のインタラクティブ機能が動作しないことがあります。
インタラクティブ機能の盛り込み方に一貫性をもたせましょう。例えば、ページ間やドキュメント間を移動するナビゲーション操作には統一性が求められます。
必ずテストを行うようにしてください。
インタラクティブ機能を盛り込みすぎるとコンテンツの階層構造が見えにくくなります。
使いやすさを確保する
読みやすさと同じく、使いやすさも大切です。ユーザーがすんなりデザインを理解でき、ナビゲーション操作ができるようにしましょう。
デザイン上の選択がユーザーエクスペリエンスの品質低下につながる可能性について考えましょう。
取り違え、不満、拒絶などの原因になりかねない事柄を見極め、使いやすさを優先的に検討しましょう。例えば、ボタンの大きさが小さすぎないか、簡単にタップできるかどうか考えましょう。
同じインタラクティブ要素を「ビジュアルランゲージ」(情報伝達のための視覚表現)として繰り返し使い、親しみやすさを出しましょう。Creative Cloudライブラリに素材を保存して共有すると、いろいろな場所で簡単に再利用できます。
ファイルサイズが大きくなりすぎないように注意してください。信頼性の低いインターネット通信環境を利用するユーザーや、使用できるファイルサイズに制限があるユーザーは、これが原因でアクセスできなくなるおそれがあります。
以上が、デジタルデザインプロジェクトの基本的な考え方です。これらを意識することは良い結果を出すための大切な基礎になります。適切な取り組み方を守って、ユーザーの目を引き、強い印象を残し、アクセスがしやすい作品を作りましょう。さらに、こうした考え方を基礎に据えながらデザインの経験を積みましょう。