InDesignで長いドキュメントを構成するためのスマートなワークフロー
InDesignには、テンプレート、ブックファイル、マスターページ、自動目次生成など、長いドキュメントの作成に適した強力な機能があります。ここでは、この種のプロジェクトを手際よく仕上げるための重要なベストプラクティスを説明します。
スムーズに作業を始めるには、実際のプロジェクトに最適な設定を選ぶことが大切です。
InDesignで、新規ドキュメントの作成時に目的に合ったAdobe Stockテンプレートを探すか、あらかじめ用意されている多彩なサイズから1つを選んでゼロから新しいデザインの作成を始めます。
新規ドキュメント ダイアログボックスで、コンテンツの配置場所を囲むように段組とマージンを設定します。まだ配置場所を決めていない場合、この設定は後回しにしても構いません。
「見開きページ 」オプションを選択します。これは、紙の雑誌や書籍に似た2ページ見開きのレイアウトを作成するオプションです。
レイアウトを用意する
デザインコンテンツを配置する前に、InDesignの付加機能を利用して、優れた作品を仕上げるのに適したドキュメントを用意します。
長いドキュメントコンテンツの場合、個々の章やセクションを別のファイルに保存することができます。これには、作業を迅速化し、共同での編集作業をやりやすくする効果があります。また、InDesignブックファイルではドキュメントの管理も簡単です。ブックファイルを作成するには、ファイル /新規 /ブック を選択します。
ページ番号やセクション見出しなど、各ページに一貫して表示されるコンテンツについては、ページ パネルを使ってマスターページに配置します。マスターページとは、一種のドキュメントテンプレートのようなものです。マスターページに配置したオブジェクトは、そのマスターページを基にしている各ページに自動的に表示されます。
テキストを流し込む
テキストは、画像やカラーなどのデザイン要素と並んでストーリー伝達の重要な役割を担う要素です。
複数ページをまたいで大量のテキストを流し込む必要がある場合は、複数のテキストボックスを連結することができます。
Microsoft Wordのような別のプログラムで作成したテキストを使用する場合は、ファイル /配置 でInDesignに取り込む際に、元の書式を保持するか、取り除くかを選択できます。
テキストの書式を段落スタイルや文字スタイルとして保存すると、一貫性が保たれ、適用しやすく、後からの編集も楽に実行できます。
長いドキュメントをスマートに扱って作業する
デザインコンテンツを配置した後は、いくつかの機能を利用して作成プロセスを迅速化できます。
ページサイズ、ページマージン、裁ち落としを途中で変更することが必要になった場合は、「レイアウトを調整 」でページの要素を自動調整し、変更後のサイズに合わせることができます。
書籍、雑誌、その他の出版物の場合、目次を作成するには、レイアウト /目次 を使用します。
参照を追加するには、「脚注を挿入 」「後注を挿入 」「索引 」の各機能を使用します。
出力
プロジェクトが完成に近づいたら、自信を持って共有できるように作品をチェックしましょう。
事後的な修正対応は多大なコストになるため、ミスを残さないことが大切です。辞書を適切に設定し、内蔵スペルチェック機能を使ってスペルミスを見つけます。また、プリフライト パネルを活用して成果物の問題点を見つけます。
ファイル /パッケージ コマンドを使うと、作業ドキュメント、必要なフォント、リンクされたグラフィック、パッケージレポートを1つのフォルダーにまとめてコピーし、スムーズに受け渡すことができます。
ここで説明した重要な機能を使いこなせば、雑誌、書籍、カタログなど、長くて込み入った内容のドキュメントをしっかり作り上げることができます。