このチュートリアルでは、Illustratorの「パターン作成」機能を使って、シンプルなアートワークをもとにオリジナルパターン(柄)を作成する方法を紹介します。まずは、下の1分動画で制作工程を確認してください。
本チュートリアル内で使用する主な機能
パターンオプション、スウォッチパネル
手順
Illustrator でファイルを開く
選択ツールでアートワークを選択
「パターンオプション」パネルを開く
パターンにするアートワークを調整
タイルの形や間隔を調整
パターンに名前をつけてスウォッチに保存
オリジナルパターンで塗りつぶす
Illustrator を起動し、「ファイル」-「開く」から練習用サンプルファイル「pattern-effect_start.ai」を選択し、「開く」をクリックします。
アートボード上に1枚のアートワークがあります。6つの円によるシンプルな模様のアートワークです。
選択ツールでアートワークを選択します。ツールパネルで「選択ツール」を選び、ドラッグでアートワークを選択します。アートボード上の白い余白部分からアートワークの全体がかかるようにドラッグします。このとき、完全にアートワーク全体を囲む必要はありません。それぞれの図形の一部が含まれていれば大丈夫です。
アートワークが選択された状態で、「パターンオプション」パネルを開きます。
このパネルで、パターンの具合を好みに調節します。
「オブジェクト」-「パターン」-「作成」とすすめます。
アートボード上のオブジェクトを調整します。好みの向きや大きさになるように、選択 ツール で調整します。それぞれの円をクリックするとハンドルが表示されますので、ドラッグで回転やサイズの変更をおこないます。好みに調整をしてください。
「パターンオプション」パネルでパターンの形状や間隔などを調整します。設定を変更すると、結果をリアルタイムで確認できます。ビデオでは以下のように設定していますが、アートボード上のパターンの様子を見ながら好みの種類や間隔に設定してください。
タイルの種類 : 6 角形(縦)
オブジェクトにタイルサイズを合わせる : オン
横の間隔 : -20px
縦の間隔 : -20px
重なり : 下を前面へ
「パターンオプションの設定について」
ビデオでは、上記のような設定を行なっています。簡単にそれぞれどのような効果があるのかを説明します。
タイルの種類 : 6角形 (縦)
一枚のタイルの形状が六角形になります。そして、タイル同士は六角形のそれぞれの辺同士が面し、はめ合わされるようにタイルが配置されます。この際、タイルの中心線が縦方向に揃うように並べられます。
オブジェクトにタイルサイズを合わせる : オン
タイルのサイズが、パターンの作成に使用されるアートワークのサイズに合わせてキュッと縮まります。
縦と横の間隔
オブジェクトのタイルサイズを合わせる をオンにすると指定できるようになります。タイル同士の間隔を調節できます。
重なり : 下を前面へ
今回の作例では縦と横の間隔をマイナスに指定することによって、タイル同士が深く重なることになりました。このオプションは、タイル同士が重なるときに、どちらを前に持ってくるかを指定します。この例では、「左を前面へ」と「下を前面へ」の組み合わせが指定されています。そのため、重なったときに左下にあるタイルが常に前面に表示されることになります。
作成したパターンに好きな名前をつけます。そして、「完了」をクリックします。
作成したパターンは、スウォッチパネルに登録されます。
スウォッチ パネルが表示されていない場合は、「ウィンドウ」-「スウォッチ」と進めます。
スウォッチパネルにオリジナルパターンが登録されましたので、あらゆるオブジェクトをオリジナルパターンで塗りつぶせるようになりました。ここでは試しに長方形ツールを使います。
スウォッチパネルでオリジナルパターンを選択し、ツールパネルから、「長方形ツール」を選択します。アートボード全面に広がるように長方形を描きます。
オリジナルパターンで塗りつぶすことができました。
今回は、長方形をオリジナルパターンで塗りつぶしましたが、その他アートボード上に描けるあらゆるオブジェクトにこのパターンを利用することができます。
また、スウォッチパネルで登録したオリジナルパターンをダブルクリックすれば、「パターンオプション」パネルを開くことができますので、一度オブジェクトを塗ってから、パターンを再調整することもできます。
インテリアや洋服のデザインをおこなうときなどに活用できる、とても便利なテクニックです。