ステッカーなどに用いられるキラキラとしたホログラム風のデザインを、グラデーション、エンべローブ、ワープ、パスの変形といったIllustratorのさまざまな機能を使って作成してみましょう。まずは下の動画で一連の制作工程を確認してください。
本チュートリアル内で使用する主な機能
グラデーション、エンベローブ、シンボル、ワープ、パスの変形、クリッピングマスク、描画モード
⼿順
1. ⻑⽅形にグラデーションとエンベロープを適⽤する
2. ワープとパスの変形機能で⻑⽅形を円に変形させる
3. 円を正⽅形でマスクしてシンボル化し、複製する
4. 新しい正⽅形を描いてグラデーションを適⽤し、前⾯にかぶせる
⻑⽅形にグラデーションとエンベロープを適⽤する
Illustratorを起動し、「ファイル」→「開く」から練習⽤サンプルファイル「hologram.ai」を選択して開きます。ファイルが開いたら、⻑⽅形ツールを選択し、任意の⼤きさで⻑⽅形を描きます(ここでは幅15mm、⾼さ5mm)。メニューから「ウィンドウ」>「スウォッチ」を選択してスウォッチパネルを表⽰させます。⻑⽅形の塗りに、パネルに登録してある「グラデーション 1」をクリックして適⽤します。次に、⻑⽅形を選択した状態で、メニューから「オブジェクト」>「エンベロープ」>「メッシュで作成」を選択します。「エンベロープメッシュ」ウィンドウが開いたら「メッシュ ⾏数:1、列数:1」に設定します。
⻑⽅形を選択した状態で、メニューから「オブジェクト」>「 エンベロープ」>「エンベロープオプション」を選択して「エンベロープオプション」ウィンドウを開きます。「線形グラデーションの塗りを変形」にチェックを⼊れて「OK」をクリックします。この設定をしておくと、次の⼿順で⻑⽅形を円弧に変形させた際に、グラデーションも扇状にすることができます。
ワープとパスの変形機能で⻑⽅形を円に変形させる
⻑⽅形を選択し、メニューから「効果」>「ワープ」>「円弧」を選択して「ワープオプショ ン」ウィンドウを開きます。「スタイル:円弧」、「カーブ:100%」、「変形>垂直⽅向:100%」に設定して「OK」をクリックすると、⻑⽅形が半円に変形します。
次に、メニューから「効果」>「パスの変形」>「変形」を選択して「変形効果」ウィンドウを開きます。「回転>⾓度:180°」、基準点を下端中央に、「コピー:1」に設定して「OK」をクリックすると、半円が垂直に反転コピーされて正円にできます。
円を正⽅形でマスクしてシンボル化し、複製する
メニューから「表⽰」>「スマートガイド」を選択し、操作に合わせてガイドが表⽰されるようにしておきます。⻑⽅形ツールで幅10mm、⾼さ10mmの正⽅形を描きます。⻑⽅形の中⼼のポイントをつかんで円の中⼼あたりまでドラッグし、「交差」と表⽰が出たら離します。
円と正⽅形を両⽅とも選択した状態で、メニューから「オブジェクト」>「クリッピングマスク」>「作成」を選択すると、円が正⽅形でマスクされた状態になります。
メニューから「ウィンドウ」>「シンボル」を選択し、「シンボル」パネルを開きます。マスクされた正⽅形をパネルにドラッグ&ドロップすると、「シンボルオプション」ウィンドウが表⽰されるので、「シンボルの種類:スタティックシンボル」に設定して「OK」をクリックします。
次の⼯程でこのシンボルオブジェクトを複製しますが、シンボル化しておくことで、円のグラデーションを編集したいときに、どれか1つを編集するだけで⼀括変更することができます。
シンボル化した⻑⽅形を選択し、「Win:Alt / Mac:Option + Shift」キーを押しながら、右に10mmドラッグして複製します。さらに「Win:Control / Mac:Command + D」キーを押して複製を繰り返し、正⽅形を横に10個複製します。
横に並んだ10個の正⽅形を選択し、「Win:Alt / Mac:Option + Shift」キーを押しながら、下に10mmドラッグして複製します。上記と同様に「Win:Control / Mac:Command + D」キーを押して複製を繰り返し、縦に10列ずつ並んだ状態にします。
新しい正⽅形を描いてグラデーションを適⽤し、前⾯にかぶせる
縦横10列に並んだ合計100個の正⽅形の上に、同じ⼤きさの正⽅形を描き、スウォッチパネルに登録してある「グラデーション2」を塗りに適⽤します。
メニューから「ウィンドウ」>「グラデーション」を選択して「グラデーション」パネルを開き、⾓度に「150°」と⼊⼒します。
次に「ウィンドウ」>「透明」を選択して「透明」パネルを開き、描画モードを「カラー」に設定します。ホログラムのような反射光の完成です。
作成したホログラム⾵のテクスチャは、グラデーションの⾊味をいつでも編集することが可能。
ステッカーのデザインのほか、チラシやバナーなどの背景、タイトル⽂字など、さまざまな⽤途に活⽤することができます。