イラストのカラーバリエーションを試したいときに、何色ものカラーが使われていたりすると、1つ1つ色味を調整し直すのは大変手間がかかります。そこで今回は、Illustratorの強力なカラー編集機能 を使って、イラストの配色を一瞬で変えてしまう方法をご紹介します。まずは、下の1分動画で制作工程を確認しましょう。
本チュートリアル内で使用する主な機能
アートボードツール、オブジェクトを再配色
Illustratorを起動し、「ファイル」→「開く」から練習用サンプルファイル「astronaut_recolor_BlueLayered.ai」を選択して「開く」をクリックします。
ファイルが開いたら、画面左側の「ツール」パネルから「アートボードツール」を選択します。現在表示されているアートボードをクリックし、「Option 」キー(Mac)または「Alt」キー(Windows)を押しながらドラッグします。配置されたオブジェクトごとアートボードが複製されます。
「選択ツール」を使って複製したアートボードのオブジェクトをすべて選択し、コントロールバーの「オブジェクトを再配色」ボタンをクリックします。(または「編集」→「カラーを編集」→「オブジェクトを再配色」を選択)
「オブジェクトを再配色」ダイアログボックスが開くので、左下の「オブジェクトを再配色」にチェックを入れ、「編集」ボタンをクリックします。画面が切り替わり、カラーホイール(色相環)が表示されます。このカラーホイールを使って、オブジェクトのカラー(色相、彩度、明度)を調整していきます。
現在選択しているオブジェクトには、3つのカラー((オレンジ、草色、黒)が含まれます。これらをカラーグループと呼びます。カラーホイール上には3つのカラーマーカー(二重の輪)が配置されており、カラーグループのそれぞれのカラーの位置を示します。このカラーマーカーをドラッグして動かすことで、配色のバランスを保ったまま、オブジェクト全体のカラーを一括して変更することができます。
まず「ハーモニーカラーをリンク」ボタンをクリックし、リンクを有効にします。この状態でベースカラー(オレンジ)のカラーマーカーをドラッグして動かすと、他のカラーマーカーも連動して移動し、オブジェクト全体の色味が変化します。ここでは、ベースカラーをオレンジから青に変更します。
ヒント: 色相を変更するには、カラーホイールを回すようにカラーマーカーを移動します。彩度または明度を変更するには、カラーホイールの中心または外側に向けてカラーマーカーを移動します。
オブジェクトのカラー(カラーグループ)をまとめてではなく、それぞれ個別に調整したい場合は、「ハーモニーカラーをリンク」ボタンを再度クリックし、リンクを解除します。この状態でピンク色のカラーマーカーをドラッグして動かすと、他のカラーマーカーは固定されたまま、ピンク色のみが変化します。ここでは、ピンク色から水色に変更します。
カラーホイールの下にある調整スライダーを使ってカラーを調整することもできます。デフォルトでは、H(色相)、S(彩度)、B(明度)の調整スライダーが表示されます。深緑のカラーマーカーを選択し、Bのスライダーを左方向にドラッグします。深緑がさらに濃くなり、はっきりとした色合いになります。
編集によって新しく作成されたカラーグループは、保存していつでも再利用することができます。「新規カラーグループ」ボタンをクリックすると、現在の設定が下の「カラーグループ」リストに追加されるので、名前を入力して「OK」をクリックします。この項目をクリックすれば、同じカラー設定をオブジェクトにすばやく適用することができます。
Illustratorではアートボードを何枚でも(最大1,000枚)作成することができるので、同じファイル内で様々なカラーバリエーションを試してみましょう。