SNS用の高品質の写真とビデオを作成するためのガイド。魅力的なビジュアルのソーシャルメディアコンテンツを作成する適切な方法
一部の人々の考えに反して、写真家やデザイナー、ビデオグラファーでなくても、効果的で魅力的なビジュアルコンテンツを作成することは可能です。ただし、一貫してブランドイメージに沿った、プロ品質の、効果的にオーディエンスの注意を引くコンテンツを作成するために、すべきこととしてはいけないことを知る必要があります。
ビジュアルコンテンツ(写真、GIF、インフォグラフィック、ビデオ、イラスト、ミームなど)は、テキストベースのソーシャルメディア投稿よりも常に魅力的であり、より多くのエンゲージメントを獲得することができます。統計によれば、インターネットユーザーの62%は他の種類のビジュアルコンテンツよりもやはりビデオコンテンツを好んでいます。それは、TikTokの成長やリールとYouTubeショートの導入など、近年のソーシャルメディアの進化にも確実に反映されています。実際、2023年には、マーケターの70%が視覚的に魅力的なコンテンツのほうが良い業績につながると信じています。そして、マーケターはおそらく正しいのです。
Instagramは最近、最も急成長しているコンテンツ形式はリールであると明らかにしました。また、最近のYouTubeショートの統計を見ると、この新たな短編形式の人気が急上昇していることがわかります。マーケターたちがオーディエンスの注目を求めてソーシャルメディアの世界で競い合っている中で、刺激的なビジュアルを持つ高品質のコンテンツを作成できる者は生き残り、冒険心の足りないライバルは衰退していくでしょう。
ソーシャルメディアにおいて、品質は本当にそれほど重要なのでしょうか?そうです。本当に重要です。ソーシャルメディアユーザーの注意が持続する時間は信じられないほど短く、構成が悪かったり、わかりにくかったり、単純につまらなかったりするコンテンツにはほとんど耐えることができません。ソーシャルメディアのタイミングや状況によっては不完全さやありのままが歓迎される場合もありますが(フォトダンプなど)、プロフェッショナルで高品質なコンテンツを通じて影響力を持ちたいと考えているなら、最大限努力する必要があります。
ソーシャルメディアのプラットフォームはどこも飽和市場なので、ターゲットオーディエンスがあなたのコンテンツをスワイプして、他のコンテンツに移ってしまう原因を作らないようにする必要があります。画像やビデオのコンセプトがどれほど立派で面白くても、ぼやけていたり、情報が多すぎたり、うまく編集されていなかったり、暗かったりすれば、閲覧数を増やすのは難しくなります。
ソーシャルメディア上のインフルエンサーやブランドは、非常に高い水準を維持しながら、厳選されたコンテンツを編集して次々と公開しています。オンラインのオーディエンスを増やすチャンスをつかむには、その水準と競い合わなければなりません。自分で写真やビデオを撮影する予定の場合は、ソーシャルメディア用のツール一式に投資することをためらわず、満足できる画質のカメラを揃え、一般的な水準を実現できる編集ソフトウェアを用意しましょう。
画像やビデオの作成に関して、伝えたいトーンや雰囲気をブランドのガイドラインで示す必要があります。また、このガイドラインには、ブランドにとって適切なビジュアルコンテンツを確実に作成できるようにするためのガイダンスを含める必要があります。ガイダンスに記載する内容としては、色の使い方、自然光は必須か、ビデオや画像内の人物はありのままがいいか、影の柔らかさ、被写界深度の範囲、焦点にどれだけズームインできるか、ぼかした背景やシャープな背景の画像を使用できるか、などが考えられます。
このようなガイドラインを作成する理由は、写真家やビデオグラファー、またはストック映像や画像を使用してビデオや画像を作成しようとしている人の作業を楽にするためです。すべきこととしてはいけないことのセクションをガイドラインに含めると、ブランドが何を求めているかをはっきり説明する上で特に役立ちます。「明るい自然光を使用すること、人工照明や暗い画像は使用しないこと、白黒は使用しないこと、ブランドカラーを含む画像を使用すること」といった指示を記載することができます。
また、ブランドのガイドラインには、ブランドで使用することに決めた画像に対しておこなってよい処理も記載すべきです。例えば、フィルターを適用してもよいか、ロゴを追加する必要があるか、コピーを追加してもよいか、写真を既存のテンプレートに追加してもよいか、それらが該当するコンテキストなどです。
ビデオ作成に関するブランドガイドラインの場合は、画像について説明したのと同じような要素を記載することができますが、音楽やサウンド、言語、色、トランジション、タイポグラフィに関する具体的なガイダンスを含めることもできます。
ソーシャルメディア用の画像は高解像度で、想定するソーシャルチャンネルの理想的な寸法にサイズを合わせる必要があります。画像のサイズが適切でないと、公開時に引き伸ばされたり、ぼやけたり、トリミングされたりするおそれがあります。幸いなことに、Adobe Expressの画像サイズ変更ツールを使えば、様々なソーシャルチャンネルに合わせて非常に簡単に画像サイズを変更できます。
写真に関しては、被写界深度を利用すると「被写体の分離」を実現するのに役立ちます。これにより、写真の焦点を遠くの背景に対して目立たせることができます。また、画像が平坦に見えすぎたり、立体感がなくなったりするのを防ぐこともできます。この簡単な方法を使えば、ソーシャルメディア用の画像をすぐによりプロフェッショナルに見せることができます。被写界深度の使用についてはブランドのガイドラインを参照して、ブランドイメージから外れないようにしましょう。
通常、ソーシャルメディア投稿で最初に目に留まるものは画像であり、その後で実際の投稿内容(またはキャプション)が読まれます。そのため、ソーシャルメディア用の画像にちょっとしたコピー(タイトル、行動の呼びかけなど)を入れておくと、オーディエンスのスクロールを止めて投稿全体を読んでもらう上で非常に効果的です。ただし、ソーシャルメディア用の画像について犯しやすい最大の間違いのひとつは、画像にコピーを入れすぎてしまうことです。画像のコピーが多すぎると、グラフィックを圧倒してしまい、注目を集めて興味をそそるという望ましい効果が得られなくなります。この文脈においては、少ないほうが効果的です。
ソーシャルメディア用の画像に一貫性を持たせる目的は、ブランドのガイドラインを遵守するためだけではありません。ビジュアルコンテンツ全体に一貫した雰囲気とトーンを持たせることが重要です。ソーシャルメディアで使用する画像はブランドアイデンティティの一部となり、ソーシャルメディア上での印象に影響を与えます。一貫性を保ち、ブランドイメージを維持することで、認識されやすい確固たるブランドアイデンティティを形成できます。
ソーシャルメディア用の画像を使用する目的は、フィードをスクロールしているオーディエンスの注意を引くことです。画像のブランドイメージがはっきりしていて、高解像度で、プロの写真技術を使っていても、見た目が面白くなければ、結局は失敗です。客観的な細かい基準に囚われすぎて、自分の判断力や直感を無視してしまうことがないようにしましょう。
InstagramやFacebookのリール、TikTok、またはYouTubeショート用のビデオを撮影する場合は、モバイルでフルスクリーンの視聴エクスペリエンスを実現できるように、映像を縦長で撮影する必要があります。最善の視聴エクスペリエンスを実現し、フルスクリーンで視聴できないことや、スマートフォンを横向きにしなければならないことがないように、これらの形式で投稿するコンテンツは縦長である必要があります。
驚くことに、多くのソーシャルメディアユーザーは音声なしでビデオコンテンツを見ることを選択しています。そのため、キャプションを入れると聴覚障害のある視聴者がビデオにアクセスしやすくなるだけでなく、音声なしで視聴することを好むユーザーにとってもコンテンツが理解しやすくなります。
高品質なサムネイル画像の重要性を過小評価しないようにしましょう。YouTubeなどのプラットフォームを使用している人や、他のソーシャルメディアチャンネルで自動再生機能をオフにしている人にとって、ビデオのサムネイルは、現在の作業を止めてそのビデオを見るよう引き付けるという点で大きな役割を果たします。そのビデオのタイトルが入っていて、面白い表情やボディランゲージを含む刺激的な画像やビデオのスクリーンショットで好奇心を呼び起こすようなサムネイルが理想的です。
多くの場合、短い形式のソーシャルメディアコンテンツは非常にテンポが速くて軽快で、ジャンプカットや早口のナレーションを多用します。そのようなテンポは意図的なものです。オーディエンスの注意を持続させ、動画のテンションを維持し、60秒間に多くの情報を詰め込むことができます。さらに、ソーシャルメディアアルゴリズムは単独のユーザーが複数回視聴したコンテンツを優先します。そのため、このようなコンテンツはフィードで効果的に上位に浮上できる可能性があります。複数回視聴しないと、あまりにも早く流れていく情報に追いつくことができない場合があるからです。
ビデオが音楽の付いたスライドショーにならないように、ビデオコンテンツで静止画像を使用するのは避け、常にある程度の動きを維持するようにしましょう。撮影するときは、カメラを動かしてゆっくりとしたパンショットにすることで、映像に動きを加えます。被写体自体が動いている場合は、どれだけわずかな動きであっても、カメラを動かさずに周囲の動きを撮影します。さらなるヒント:クリップを撮影するときは、必要と思われるよりも長い時間撮影することを忘れないでください。クリップを短くすることはいつでもできますが、長くすることはできません。
短編コンテンツの最初の数秒は、オーディエンスを引き付け、動画を見続けてもらうために特に重要です。特にInstagramやTikTokでは、フレッシュなコンテンツを求めて非常に簡単にスクロールし続けることができるので、長く見てもらうためには冒頭から面白いビデオを作成することが重要になります。
もちろん、ソーシャルメディア用の画像と同様に、ビデオも品質が重要になります(高解像度で、ソーシャルメディアプラットフォームに合ったサイズにする必要があります)。本格的なカメラがなくても、高品質のコンテンツを撮影することは可能です。多くの場合、現代の携帯電話のカメラで十分です。ただし、カメラ機能が優れた携帯電話を友人から借りたり、ビデオに収める音声がクリアに聞き取れるように注意したりと、できるだけ最高の映像を撮影するために最善を尽くす必要があります。キャプションを使用するかどうかにかかわらず、ビデオの音質を上げるために小型マイクを購入するとよいかもしれません。
多くのソーシャルメディアユーザーは音声なしでビデオを視聴していますが、利用できる音声の選択肢を最大限に活用し、できるだけ最高のコンテンツを作成することもやはり重要です。ナレーションを追加したり、トレンドの曲を使用したり、効果音を追加したりできます。いずれにせよ、ビデオで音声を活用すればコンテンツの印象はずっと大きくなり、コンテンツの雰囲気にも大きな影響を与えることができるでしょう。
エンドスレートとは、ビデオコンテンツの最後に表示されて、クリエイターが誰であるかを知らせる画面のことです(エンドカードや終了画面とも呼ばれます)。エンドスレートには様々な行動喚起が含まれます。例えば、webサイトをチェック、クリエイターをフォロー、チャンネル登録、クリエイターの他のコンテンツをチェックなどです。エンドスレートが最もよく使用されるのはYouTubeビデオですが、ブランドでソーシャルメディア用の短編コンテンツを作成している場合は、プロフェッショナルな印象とブランド認知度を高めるために、エンドスレートの使用も検討することをお勧めします。短編ビデオでエンドスレートを使用する手法は、長編ビデオのクリップを使って内容を宣伝するティーザー形式のビデオを作成する場合に特に効果的です。最後のエンドスレートで、どこで本編を見ることができるのかを示すことができます。多くのポッドキャストでは、この戦術を使ってInstagramやTikTokから自分のYouTubeチャンネルにユーザーを誘導しています。
ソーシャルメディア用の高品質の画像やビデオを作成するために費やした労力は、エンゲージメントやフォロワーの増加という形で必ず報われるはずです。これらのアドバイスを活用してご自身の画像やビデオをレベルアップさせ、その成果を体感しましょう。