PDF は“編集ができないフォーマット”という誤った認識をしていませんか?ファイルにセキュリティ設定をしていなければ簡単に編集ができてしまいます。このチュートリアルでは、人気 YouTuber の Yousefulオサさんが PDFの前提知識を踏まえて、Adobe Acrobat を使って PDF ファイルにセキュリティの設定を行う方法を紹介します。ぜひ動画とともにご覧ください。
Adobe Acrobat
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Adobe Acrobat のプランと比較
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この動画の流れ
ビジネスシーンでPDFを扱うには、正しいセキュリティの知識が必要です。
PDFのセキュリティを理解するために、PDFの前提知識から説明します。
まず、PDFの構造を説明します。
PDFファイルは様々な情報によるレイヤー構造で作られています。
それらの情報は、テキストや画像などの情報コンテナ機能と、セキュリティやアクセスコントロールなどのセキュリティ機能に分類されます。
更に前提知識としてPDFに関する誤った認識を2つ紹介します。
誤った認識1 PDFにすれば編集ができなくなる
一つ目は、PDFは編集ができない最終フォーマットという認識です。
無料の閲覧ソフトである Acrobat Reader ではPDFの編集はできませんが、Acrobat ではセキュリティ設定をしない限り、編集が可能です。
誤った認識2 PDFはどんなソフトで作成しても同じ
二つ目は、どんなソフトでPDF化してもファイルは同じという認識です。
PDF 規定に関する国際標準規格に基づいて、環境依存することなく元文書を意図した通りに閲覧・共有できる PDF の作成を保証しているのが Acrobat であり、その文書の閲覧を100%保証するのがAcrobat Readerです。
そのため、その他のソフトでPDF化したファイルは文字化けや画像が崩れる場合があります。
Adobe Acrobat には OCR機能(テキストデータ化)があるため、PDF ファイル内のテキストを簡単に編集することができます。
テキストの編集作業を行うには有償版ライセンスが必要となります。
手順
ツールパネルウィンドウの「PDFを編集」を選択します。
目的のテキストをクリックして編集します。
テキストを変更できました。
セキュリティ設定がされていないPDFは、このように簡単に編集を行えるため、データの改ざん等が行われてしまうリスクがあります。
PDFファイルに意図しない編集が行われないようにセキュリティ設定をします。
まず、PDFファイルのセキュリティ設定の状況を確認します。
手順
Ctrl + Dキー を押して、「文書のプロパティ」ダイアログボックスを開きます。
「セキュリティ」タブの「文書に関する制限の概要」を確認します。
項目がすべて「許可」になっており、PDFへの編集がおこなえることが確認できます。
こちらの印刷及び編集に関する項目のみを「許可しない」に設定します。
手順
ツールパネルウィンドウの「セキュリティ設定」を選択し、「パスワードを使用して保護」を選択します。
「詳細オプション」-「パスワードによる暗号化」を選択します。
表示されたメッセージで「はい」をクリックします。
「パスワードによるセキュリティ設定」ダイアログボックスが開きました。
ダイアログボックスの項目を次のように設定します。
文書の印刷および編集を制限。これらの権限設定を変更するにはパスワードが必要:オン
印刷を許可:許可しない
変更を許可:許可しない
権限パスワードの変更:任意のパスワードを設定
セキュリティ設定はファイルを保存して閉じるまで適用されないため、ファイルを別名で保存します。
手順
「ファイル」-「名前を付けて保存」を選択します。
ファイル名を変更し、任意の場所に保存します。
保存したPDFを開き、「文書のプロパティ」-「セキュリティ」-「文書に関する制限の概要」を確認します。
印刷と編集に関する項目が「許可しない」に変更されていることが確認できます。
実際に編集を行って確認します。
ツールパネルウィンドウの「PDFを編集」を選択します。
すると、パスワードの入力を求めるダイアログボックスが表示されました。
誤ったパスワードを入力すると、このようなメッセージが表示され、編集操作をすることができません。
PDF作成時に毎回セキュリティの設定をするのは手間がかかります。
セキュリティ設定のアクションウィザードを追加して設定を自動化します。
まず、アクションウィザードを追加し、セキュリティ設定のアクションを設定します。
手順
「ツール」-「アクションウィザード」を選択します。
「新規アクション」-「保護」-「暗号化」-「設定を指定」を選択します。
「セキュリティ方法」を「パスワードによるセキュリティ」に設定します。
「パスワードによるセキュリティ設定」ダイアログボックスが開きました。
ダイアログ内の項目を先程と同様に設定します。
次に、別名で保存するアクションを設定します。
手順
「保存と書き出し」-「保存」-「設定を指定」を選択します。
「出力オプション」ダイアログボックス内を次のように設定します。
元のファイル名に追加:オン
後ろに挿入:「_保護」
「保存」をクリックして、アクション名とアクションの説明を入力します。
ここでは次のように入力します。
アクション名:先方にメールを送る前に必ずやってね
アクションの説明:保護権限許可しない→保存
作成したアクションウィザードが、アクションリストに追加されていることが確認できます。
新規で作成したPDFファイルを開きます。
「文書プロパティ」でセキュリティ設定を確認すると、すべて「許可」になっています。
このPDFファイルで、作成したアクションウィザードを実行します。
手順
アクションリストから作成したアクションウィザードを選択します。
「開始」ボタンをクリックしてアクションウィザードを実行します。
「開始」ボタンが「完了」に変わったことを確認します。
デスクトップで確認すると、元のファイル名 +「_保護」の形式でPDFが作成されています。
また、「文書のプロパティ」でセキュリティ設定が適用されていることが確認できます。
以上、Yousefulオサさんによる「Acrobat使い方動画|PDFのセキュリティ設定方法」はいかがでしたか?
今回は作成したPDFの前提知識を踏まえて、PDFファイルにセキュリティ設定を行う方法を紹介していきました。
ビジネスシーンや重要ファイルを扱う際にぜひ、ご活用ください。
Adobe Acrobatをご利用いただくために、大きく2つのプランを提供しています。
・Adobe Creative Cloudコンプリートプラン
・Adobe Acrobat単体プラン
Adobe Acrobat単体プランでは、以下の2通りのプランを用意しています。
・Acrobat Pro
・Acrobat Standard
Adobe Acrobat Proは、ファイルの比較や、印刷工程の細かい設定ができるため、DTP作業に関わる方にオススメのプランです。
詳細は、 Adobe Acrobatのプランと価格 のページからご覧ください。
モバイル版アプリの操作性も益々進化し、格段に使いやすくなっています。是非お試しください。
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