プロデザイナーの新しい時短術。PhotoshopとAdobe Expressの活用に迫る

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数々のWebサイト制作に関わり、クライアントの要望やブランドのイメージに合わせて、見やすさと美しさを兼ね備えたデザインを提供されているカトウヒカルさん。カトウさんのデザインには、「パッと伝わる」ユーザーの心を動かす工夫が随所に見られます。

プロのWebデザイナーとして様々なアドビ製品を使用されてきた中で、カトウさんはどのようにアドビのアプリを使い分け、制作に活かされているのでしょうか。講師として多くのデザイナー志望者に対してデザインの手法を解説されてきたご経験から、どのような人に「Adobe Express」がおすすめかについてもお話を伺いました。

10年以上にわたりデザイナーとしてご活躍されているカトウさんですが、デザイナーを志したきっかけは意外なものでした。カトウさんはどのような経緯でデザインの道を選び、そのキャリアを築いてきたのでしょうか。

「当時、一緒に音楽活動をやっていた友人がWebデザイナーとして働いていたんです。もともとデザインの経験はなかったのですが、昔からものを作るのが好きで、友人ができるなら自分でもできるんじゃないかって。友人が働いている会社に入社して、『これがWebデザインに必須のツールだよ』と教えてもらったのがアドビの製品でした」

ご友人の指導のもと、デザインのスキルを着実に身に付けていったカトウさんは、制作会社で実務経験を積んだ後、フリーランスデザイナーとして独立。現在は、福岡の企業様のコーポレートサイトやキャンペーンサイトの制作のほかに、各地の制作会の受託制作などを手掛けられています。

これまでの作業時間が10分の1に

普段はAdobe Photoshopを使用してデザインの制作をされているカトウさんですが、最近はデザイン制作のあり方を一変するアプリとしてAdobe Expressにも注目しています。写真家やプロのグラフィックデザイナーが愛用するPhotoshopと、簡単な操作で手軽にコンテンツを作成できるAdobe Express。プロのデザイナーであるカトウさんは、PhotoshopとAdobe Expressをどのように併用されているのでしょうか。

「Adobe Expressは、お客様にお見せする初校を作る時に重宝しています。例えば、ドラッグ&ドロップで写真を置き換えるだけで、簡単に複数のデザイン案を作成することができます。直感的な操作でデザインの編集ができるので、作業時間を大幅に短縮できますね」

実際に、農園を営むクライアントに向けて制作したチラシの初校デザインを見せていただきました。クライアントから提供された写真素材を使って、元のレイアウトを大きく変更することなくデザイン案を作成されています。

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▲初回提案時のチラシデザイン

「アプリ内で画像素材を検索できるのも嬉しいですね。お客様から提供いただく素材が少ない場合、Adobe Stock素材からイラストを探して追加することもあります。正直、こんなに早く作れるというのは自分でも驚きでした。普段制作しているものの10分の1くらいのスピード感で、イメージを形にすることができます」

クライアントの方向性やイメージに沿ったクリエイティブを制作するためには、ラフデザインを通して認識のすり合わせを行うことが必要不可欠です。素早くデザイン案を作成できるAdobe Expressは、そういった場面において大いに活躍するツールと言えます。

「お客様からお仕事をご依頼いただく時には、もちろんプロ品質のものが求められます。デザインの制作では文字を扱うことがほとんどなので、デザインを作り込む際には、文字組みやカーニングの細かい調整ができるPhotoshopを使っています」

カトウさんがAdobe Expressを導入する理由はずばり「作業の効率化」。Adobe Expressを使って素早くラフを作成し、Photoshopを駆使して「細部まで作り込む」という、プロのデザイナーならではのアプローチを取られています。

苦手意識がある人は、まずはAdobe Expressではじめよう

Web制作のみならず、オンラインでデザインが学べる講座「kanvas study plaza」を主宰するなど、デザインの教育にも注力されているカトウさん。最近はデザイナー以外の職種でも、デザインを学びに講座を受けられる方が増えてきていると言います。

デザイナーではないが、常にクリエイティブに向き合い運用を行うマーケターこそ、Adobe Expressをおすすめしたいとカトウさんは続けます。

「デザイナーの方はもちろんですが、Webマーケティング企業や事業会社のマーケターの方も多く受講されています。職種に関わらず、日々の業務でバナーを作成される機会が多い方は、どんどん吸収してスキルを伸ばされていますね」

マーケティング業務において、クリエイティブを経験の豊富なプロのデザイナーに外注することが多くあります。しかし、開始日が近いキャンペーンですぐにクリエイティブを手配しなければならない時や、広告の勝ちパターンを見つけるためにABテストを実施する時には、自社でスピーディに制作したいというニーズが生まれます。

カトウさんの講座には、そういった「クリエイティブを自社で制作・運用したい」というマーケターの方も多く参加され、集客や売上アップのパフォーマンスの改善に活かされているそうです。

「商品画像をメインで訴求するのか、割引率を訴求するのか、動画にするか、静止画にするか。マーケターは、短い期間で高い成果を出すために様々なクリエイティブを用意する必要があります。マーケティングのプロであっても、デザインについては苦手意識を持っている方も多くいらっしゃるので、そういった方にはAdobe Expressがチャレンジしやすくておすすめです。『Photoshopは敷居が高い』と感じられている方にもすぐに使っていただけると思います」

新しいツールの普及で広がるデザインの可能性

現在カトウさんが主宰している講座ではPhotoshopをメインで使用されていますが、今後はデザインツールに触れたことない方に向けて、Adobe Expressも積極的に紹介していきたいと言います。

「Adobe Expressのアニメーション機能に注目しています。特に最新バージョンでは、文字や画像などの要素ごとに、好きなタイミングでアニメーションを設定できるようになりました。Photoshopでアニメーションを作るには少し知識が必要ですが、Adobe Expressだと簡単に実装でき、動きのあるクリエイティブを作れます。自分でもどんどん取り入れて、皆さんにおすすめしていきたいですね」

▲好きなタイミングで様々なアニメーションを追加できる

「Adobe Expressのような新しいツールが登場したり、Photoshopに画期的な機能が追加されたり、デザイン制作の選択肢としてできることが増えてきました。現在は、デザイナーを志望する方へレクチャーする機会が多いのですが、今後は実務でバナーを制作している企業のデザイナーさんに向けにも講義を行いたいと思っています」

カトウヒカル | @design_hikaru

福岡を拠点にするWebデザイン事務所kanvasのWebデザイナー。これまでに100以上のWebサイト制作に関わり、デザインからHTML/CSSコーディング、CMSの組み込みまでワンストップで対応。『思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん』の著者。2022年からデザイン感覚をロジカルに学ぶオンライン講座「kanvas study plaza」を主宰するなど、デザイン教育にも力を入れている。

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