LINE 公式アカウント リッチメニュー の画像の作り方から設定方法、ポイントまでを解説
リッチメニューの特徴、設定方法、クリエイティブのポイントを解説します。また、無料のデザインツール「Adobe Express」の便利なデザインテンプレートもご紹介します。
国内でも最大規模のSNSサービス「LINE」。月間利用者数は約9,600万人(2023年9月末時点:LINEヤフー for Business公式サイトより)を超え、幅広い年代のユーザーが利用しています。
LINEが提供する「LINE公式アカウント」は、企業や店舗がお客様に直接情報を届けられるサービスです。企業はもちろん、個人店・個人事業主の方も無理なく導入・運用でき、少額から手軽に始められます。多くのユーザーが使うツールゆえ、集客・宣伝効果も高く、多くの企業の売上アップに寄与してきました。
そんなLINE公式アカウントで活用したい機能の1つに、「リッチメニュー」があります。リッチメニューとは、トーク画面の下部(キーボードエリア)に大きく表示される固定メニューのことです。
リッチメニューを活用すれば、主要なページにユーザがすぐアクセスできる状態を作れます。一方で、リッチメニューをただ設置しただけでは思うような効果が得られないこともあるでしょう。
この記事では、リッチメニューの特徴、設定方法、運用のポイントについて詳しく解説します。さらに、リッチメニューのクリエイティブ作成に役立つ「Adobe Express」についてもご紹介します。リッチメニューに活用できるオススメのデザインテンプレートも取り上げますので、イメージに合ったものを活用してみてください。
リッチメニューとは
リッチメニューとは、トーク画面の下部(キーボードエリア)に大きく表示される固定メニューのことで、LINE公式アカウントで使える機能です。リッチメニューには、サイトへのリンクやクーポンを設置できます。リッチメニューの特長を以下に4つまとめてみました。
【特長1】無料で手軽に利用できる
リッチメニューはLINE公式アカウントのすべてのプランで無料利用できます。商品購入ページへのリンクを設置できたり、お得なクーポンを配信したりと、販促に役立つ便利な機能が多数備わっています。
【特長2】ページやクーポンのリンクを設置してユーザーを誘導できる
リッチメニューはユーザーがトークルームを開くたびに固定で表示されます。通常の配信メッセージとは異なり、トーク画面をスクロールしても常に画面に表示されることが特長です。
そのため、目に留まりやすく、高いクリック率も期待できます。リッチメニューの設定によっては、送客力が2倍も変わったデータもあるようです。
また、とあるジェルネイルブランドでは、メッセージ配信・ステップ配信と併せてリッチメニューを活用し、ユーザーとのエンゲージメントを高める活用がされています。LINE公式アカウントの機能をフル活用し、ユーザーの心をくすぐるコンテンツを積極的に展開しているそうです。そして効果的な運用の結果、LINE公式アカウントから公式ECサイトへの誘導数が、全体の月平均35〜40%を占めるまでに成長。なかでも、リッチメニューからの購入がLINE公式アカウント経由の売り上げの中でも大きな割合を占めているそうです。
このように、ユーザーとのタッチポイントの醸成からエンゲージメントの強化、そして商品購入へとつなげるのに、リッチメニューは効果的な機能です。LINE公式アカウントで提供されている他の機能と併用しつつ、サービスの予約ページ・キャンペーンの特設ページなど、ユーザーを誘導したいページを設定しておきましょう。
【特長3】ユーザーが求める情報にすぐアクセスできるようになる
設置したコンテンツへのアクセス性の高さもリッチメニューの特長です。リッチメニューはトーク画面に常設されているため、トークを遡ることなく、目的の情報にワンタップでアクセスできます。スクロールの手間が発生しないため、ユーザーの離脱を引き起こしにくいことも利点の1つです。
なお、リッチメニューでは選択するテンプレートに応じて枠数が設定されています。テンプレートは全12種類あり、1~最大6枠の分割が可能です。
枠ごとにページリンク・クーポンなどを設置でき、メニューの変更も無制限に行えます。そのため、お客様の要望に応じて問い合わせページを設置したり、季節ごとにクーポンを設置したりすることも可能です。状況に応じて、メニュー内容をすぐに変更できる点もリッチメニューならではの魅力です。
【特長4】メッセージ通数の制限なく情報発信ができる
LINE公式アカウントでは、月間あたりに送れるメッセージ数の上限があります。しかし、リッチメニューはメッセージを送る機能ではなく、あくまでメニューを表示する機能なので、送信数の制限を受けることはありません。送信数の上限に達してしまいそうな場合であっても、リッチメニューを使って情報発信ができるため重宝するでしょう。
リッチメニューの設定方法
続いて、リッチメニューの設定方法を解説します。LINE公式アカウントをおもちでない方は、先に開設作業を済ませておきましょう。
Web管理画面からの設定手順
はじめに、LINE公式アカウントの管理画面にログインします。管理画面の左カラムにある「トークルーム管理」から「リッチメニュー」を選択し、「リッチメニューを作成」ボタンをクリックしましょう。リッチメニューの設定画面に切り替わります。
このページでは各項目の設定を行います。
設定内容は大きく下記の2つです。
- 基本設定
タイトル・表示期間を設定する。 - コンテンツ設定
テンプレートの種類・画像・アクション・メニューバーを設定する。
1. 基本設定
基本設定ではタイトル・表示期間を設定します。なお、ここで設定する「タイトル」は管理用の名称で、ユーザーに表示されるものではありませんので、管理しやすい名称を設定しておきましょう。表示期間には、リッチメニューを表示させておきたい期間を時間付きで入力します。
- タイトル
リッチメニューを管理するための名称です。ユーザーには表示されません。
- 表示期間
リッチメニューを表示させる期間です。特に期限を設けない場合は長めに設定しておきましょう。一方、期間限定のキャンペーンを行う場合は、対象となる期間を設定しておくと安心です。
2.コンテンツの設定
次にコンテンツを設定します。まずはテンプレートから選択しましょう。テンプレートの項目の横にある「選択」ボタンをクリックすると、以下のようなテンプレート選択画面が開きます
リッチメニューのテンプレートは12種類あり、大が7つ・小が5つのテンプレートが用意されています。大小それぞれで特徴が異なるため、目的に応じて選択しましょう。
- 大:リッチメニューのコンテンツを大きく表示したい場合にオススメです。商品・サービスの特集、キャンペーン情報など、アピールしたい要素を強調できます。
- 小:トークルームにバランスよく表示するのにオススメです。トーク画面をスッキリと保ちながら、新着商品・更新情報などをユーザーに伝えられます。
また、枠数は設定できるアクションの数に対応しています。届けたい情報が多い場合は枠数を増やし、絞りたい場合は減らしましょう。ユーザーの利便性を考慮しつつ、適切な枠数を選択することが重要です。
テンプレートを決めたら、次は画像を設定します。画像の項目の横にある「設定」をクリックしてみてください。クリックすると2つの選択肢が表示されます。
選択肢には、それぞれ以下のような違いがあります。
- 背景全体の画像をアップロード
メニューを1枚の画像としてアップロードします。
- エリアごとに画像を作成
枠ごとに画像を設定します。
リッチメニュー全体を1つの大きな画像として見せたい場合は前者を選ぶのがオススメです。
対して、枠ごとに特徴をもたせたい場合には後者を選びましょう。なお、リッチメニューに使用できる画像のサイズは以下のとおりです。
続いて、アクションを選択します。各エリアに設置できるアクションは以下の5種類です。
1. リンク
ユーザーがタップした際に、あらかじめ設定しておいたURLに遷移させられます。設定の際は、遷移先のURL・アクションラベルの設定が必要です。なお、アクションラベルとは、音声読み上げ時に使用されるテキストのことです。未対応のスマートフォンの場合はテキストで表示されます。
2. クーポン
ユーザーがタップした際、あらかじめ設定しておいたクーポンが表示されます。設定の際は、表示させたいクーポン・アクションラベルの設定が必要です。なお、クーポンは事前に作成しておかなければなりません。管理画面の左カラムにある、「クーポン」の項目から作成しましょう。
3. テキスト
ユーザーがタップした際、あらかじめ設定しておいたテキストが表示されます。最大50文字まで入力が可能です。応答メッセージの機能と組み合わせて使用されるケースが一般的です。応答メッセージと連動させると、テキスト・画像・動画・カードタイプなどのコンテンツを自動で送信できます。
4. ショップカード
ユーザーがタップした際、あらかじめ設定しておいたショップカードが表示されます。設定の際は、表示させたいショップカード・アクションラベルの設定が必要です。
なお、ショップカードは事前に作成しておかなければなりません。
5. 指定しない
ユーザーがタップしても反応しないよう設定できます。
最後に、メニューバーの設定をしましょう。「メニューバーのテキスト」はリッチメニュー画像の下に表示されるテキストのことを指します。「メニュー」という文言で問題ない場合は「メニュー」にチェックを入れましょう。ご自身でテキストを設定したい場合は、「その他のテキスト」にチェックを入れ、表示させたいテキストを入力してください。なお、文字数の上限は14文字までとなっています。
また、メニューバーの表示に関する設定も可能です。トーク画面を開いた際、最初からリッチメニューを表示させておきたい場合には「表示する」を選択します。閉じておきたい場合には「表示しない」を選択しましょう。
最後に設定した項目を再確認して、問題がなければ「保存」のボタンをクリックします。これでリッチメニューの設定は完了です。
管理アプリからの設定手順
管理アプリからの設定手順もご紹介します。手順の全体像は以下の画像をご確認ください。
それでは手順ごとに確認していきましょう。
1. リッチメニューの新規作成
管理アプリのメニューから「リッチメニュー」を選び、「作成」ボタンを選択しましょう。
2. コンテンツ設定
次に、コンテンツを設定していきます。まずは「テンプレートを選択」からテンプレートを選びましょう。テンプレートの種類、および使用できる画像の条件はWebから設定した場合と変わりません。
テンプレートを決めたら、次は画像を設定します。「背景画像をアップロード」または「デフォルト画像を選択」から、画像を設定しましょう。なお、管理アプリには「デフォルト画像を選択」の項目があり、シンプルなアイコンが用意されています。
画像設定完了後は、「アクションの設定」「表示設定」の順で設定を進めます。設定項目と内容はWeb管理画面で紹介した内容と同様です。
リッチメニューを運用する際の3つのポイント
続いて、リッチメニューの運用のポイントを解説します。大きく分けて3つあり、以下のポイントを理解しておくことで効果的に運用できます。
1.デフォルト画像を活用する
スマートフォンの管理アプリからリッチメニューを作成すると、デフォルトのアイコン画像が利用できます。リッチメニューがどのような機能なのか触れてみたい方、リッチメニューをいち早く活用したい方は、デフォルト画像を活用してみましょう。一方で、クリエイティブにこだわりたい場合、ブランディングを高めたい場合は、クリエイティブをしっかり作りこむことをオススメします。
2.表示期間設定を上手く活用する
季節ごとにリッチメニューを変更することもオススメです。設置しているメニューが同じであっても、クリエイティブが変わるだけで目に留まりやすくなります。これまでリッチメニューを見ていなかったユーザーも、印象が変わったことがきっかけで利用し始める可能性もあるでしょう。期間を区切って複数のリッチメニューを用意し、季節のイベントに応じて設定してみてください。
3. 統計情報を活用する
リッチメニューの効果は管理画面から確認できます。
確認できる項目は下記のとおりです。
- インプレッション
リッチメニューが表示された回数です。
- インプレッションユーザー
リッチメニューを表示させたユーザーの数です。
- クリック
リッチメニューがクリックされた回数です。
- クリックユーザー
リッチメニューをクリックしたユーザーの数です。
- クリック率
クリック数の割合です。「クリックしたユーザー数」を「表示させたユーザー数」で割って算出されます。
各項目の効果は、リッチメニューのエリアごとに確認できます。反応率を確認しながらクリエイティブの内容を変えたり、メニューを出し分けたりして、効果が高まるように改善してみましょう。
クリエイティブの作成で押さえておきたい3つのポイント
リッチメニューの利点は、設置したコンテンツにユーザーを誘導できる点にあります。そして、この利点を最大限に引き出すためには、目を引き付けるクリエイティブを作ることが重要です。続いて、リッチメニューのクリエイティブに関するポイントを3つ紹介します。
1.ターゲットを明確に設定する
クリエイティブの作成に入る前に、まずターゲットを明確にすることが大切です。優れたクリエイティブが作れたとしても、ターゲットにマッチしないものであれば効果も薄まってしまいます。そのため、まずは取り扱う商品・サービスのターゲットを明確にすることから始めましょう。ターゲット層のニーズ・関心を深く理解し、それに対応した魅力的な要素を組み込むことが重要です。
2.統一感を意識してクリエイティブを作成する
作成するクリエイティブには統一感をもたせましょう。クリエイティブ全体の色彩やテーマ性を整えるだけでも視認性は高まります。また、見やすさを高めるうえでは画像に用いるフォントを揃えることも大切です。反対に、アンバランスなクリエイティブがリッチメニューに並んでしまうと、見る人にストレスを与えてしまう可能性もあります。ユーザーの離脱を防ぐためにも、統一感のある見栄えを意識しましょう。
3.見やすいコントラストを意識する
リッチメニュー全体の統一感を意識しつつ、特定の部分を際立たせる工夫も大切です。たとえば、テキストの色合いと背景色が似通ってしまうと、ユーザーはメニューの内容を読み取りにくくなります。同様に、アイコンの色と背景色も類似してしまうと視認性が悪くなってしまうでしょう。ユーザーが一目で内容を理解できるクリエイティブを目指してみてください。
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また、Adobe Expressは、「LINE Creative Lab」と連携ができます。「LINE Creative Lab」では、LINE関連サービスのクリエイティブを作れるツールです。
LINE Creative LabとAdobe Expressの連携機能を使用すれば、LINE Creative Labの管理画面からAdobe Expressを起動し、リッチメニューを作成することができます。また、作成したクリエイティブはLINE Creative Labへ保存することが可能です。
既にLINE Creative Labをお使いの方は、この機能を活用することで、スムーズにクリエイティブの制作が進められるでしょう。
リッチメニューにオススメのデザインテンプレート15選
ここからは、リッチメニューのクリエイティブに使える、Adobe Expressのオススメのデザインテンプレートをご紹介します。Adobe Expressの魅力は、豊富なバリエーションのデザインテンプレートです。
気になるデザインテンプレートがあれば、ぜひ使ってみてください。
LINE公式アカウントで利用できるリッチメニューは、無料ながら利用できる便利な機能です。設置したコンテンツへの自然な誘導が見込めるほか、アクセス性も高められるので、ユーザーの利便性も向上します。そして、そんなリッチメニューの効果をより高めるためには、設定するクリエイティブが重要です。
ぜひ、Adobe Expressを使って、目を引くリッチメニューを作成してみてください。