1、地獄のような通勤ラッシュに巻き込まれない
リモートワークの最大のメリットが、あのとんでもない「通勤ラッシュ」を回避できること。仕事前に身心共に消耗してフラフラになることもありません。通勤費用を節約することもできるので、会社としても大きなメリットになります。
遠隔ビジネスパーソンたちは、通勤に膨大な時間を溶かすことがなくなりました。うまく時間を使いさえすれば、いままでより作業や打ち合わせを早く終わらせることも可能です。もちろん帰社の時間もいらないので、浮いた時間で何かをはじめることもできそう。
仕事は家、プライベートも家。そもそも家で集中することもひと苦労なので、仕事の効率が上がらないうちに延々と作業時間が延びて、プライベートの時間を侵食してしまうことも……。「時間を決めて集中する」などのルール付けが肝心ですが、リモートワーク歴が10年を超えるベテランでさえ、オン・オフの切り替え方はいまだ課題だとか。
いざ、1日の大半を自宅で過ごしはじめると、適当にそろえたデスクと椅子の質が気になることも。「もっと広い机を」「腰が痛くならない椅子を」「机とイスの高さを調節したい」などなど、ついショッピングサイトで物色してしまいます。ちなみに実家住まいの人は、子どものころの学習机が仕事場なんてことも。
リモートワークにあたって、環境を整えるのは大事。インターネット回線、WEBカメラ、マイク、キーボード、ディスプレイなど。その環境づくりに夢中になって、けっこうな金額をつぎこむ方々もいます。おサイフと相談して、どれほどの設備投資が必要か見極めることも肝要です。
「雑談」はプライベートや仕事の情報交換、気分転換にも大切です。しかし、リモートワークは雑談がしづらい環境。ちょっとでいいから、誰かと話したい……。そんなもんもんとした気持ちを抱えながら生活が続くので、オンライン飲み会でもして、パーッと発散させたくなります。
ふだんのやりとりはビジネスチャットツールで行うことが多くなります。しかし、テキストだけではどうしても意図のすれ違いが起こるもの。最近では突然の電話を敬遠されるケースもあるので、「この時間に、このツールで話しませんか?」と確認するのが王道に。
取引先との打ち合わせを遠隔で行うと、必然的に名刺交換タイムがなくなります。おかげで名刺が切れたり、忘れたりして頭を下げることもなくなった上に、名刺の在庫が山のようです。最近では「オンライン名刺交換」なるサービスもありますし、リモートワークのままだと、封書を送るときに添付するときぐらいしか使わなくなるかも。
誰からも監視されないため、身だしなみをどんどん気にしなくなるリモートワーク。ヒゲをそらない、化粧をしない、パジャマのまま……。しかし、ビデオを使ったオンライン会議となれば話は別。あわてて身だしなみを整えます。中には上半身だけビジネス仕様で、下はパジャマといったツワモノもいるとか。
リモートワークで増えたオンライン会議。しかし、それぞれの自宅から参加するため、子どもやペットが突然乱入なんてハプニングも。会議はいったん中断となりますが、笑いが起きて一服の清涼剤になることもあります。
リモートワーク環境は、全てが部屋の中で完結する仕様。なので、移動量が極端に少なくなり、気がついたらトイレへ行くときしか歩いていない日まであります。ふとスマホの歩数計を見たら、歩数が二桁なんてこともザラ。運動不足対策に散歩でもして、ついでに焼きそばパンでも買いましょう。
家に閉じこもる生活だからこそ、部屋に潤いが欲しいもの。そこで、お花や観葉植物、豆苗などを育てれば、ささやかな息吹をもたらせます。水と日光を与えて大事に育てた野菜は、パスタやカップラーメンに入れるとまた一興だとか。
リモートワークは、出社せずにあらゆる業務をこなせることが最大の魅力。しかし、どうしても会社へ行かなくてはいけないときがあります。それは「ハンコ」を押してもらうとき。日本ではいまだにハンコが重視されているため、このような悲劇が起こります。近々ネット上で全て完結できる日が来るのを願いながら。
作業の大敵が、PCの不具合です。キーボードやディスプレイ、あるいはマザーボードなどハードウェアが壊れる場合、OSが思うように動かないなどのソフトウェアの調子が悪い場合、どちらにせよ作業はストップします。社内のようにヘルプデスクはいないので、一人で問題解消の手段を探して数時間格闘することも。
リモートワーク環境で落とし穴なのが、物事の優先順位があべこべになること。明日までに完成させるべき資料があっても、休憩がてら部屋掃除をはじめてしまい、思いのほか時間が経ってしまうことも……。キレイになった部屋であわてて仕事に取りかかります。
リモートワークは1人での作業になりますから、煩わしい人間関係などさまざまな制約から解き放たれます。しかし、ふとオフィスのメリットを思い出すことも。集中して仕事をしやすく、相談もかんたんにできる……。それらの恩恵を求め、時たまオフィスへ行って作業したくなる人も出てきます。
子どもは大人の事情などどこ吹く風。仕事と子育ての場が同じとなれば、作業に集中するのはなかなか難しいものです。学校がお休みの期間も長かったので、子どもの勉強のサポートまで行うこともありました。お父さん、お母さん、倒れないようにお願いします。
自宅での作業ですから、ベッドがすぐそばにあるのは当たり前。少し疲れたら横になって仮眠を取れるのは魅力ですが、そのまま寝てしまうなんて悲劇も。柔らかい枕とおふとんは仕事の大敵にもなり得ますから、おやすみタイムまでは背を向けて、作業に集中したいものです。
ずっと家にいる代わり映えしない生活の中で、リフレッシュする貴重な手段こそ「食事」です。テイクアウトやデリバリーで、とっておきのごちそうを注文して仕事の疲れを癒やしたり、なかには「高いお肉を焼き、ベランダで夕日を見ながら食べる」なんて優雅な過ごし方をしたり。おいしい食事でストレス発散しましょう。
明確なオンオフの切り替えが難しいリモートワークですが、その合図になり得るのがお酒です。とことん働いた後、キリのいいところで「お疲れさまでした、自分!」と、ビールの缶でも開ける開放感といったら、たまりません。そんな生活のルーティンを持つことが、メリハリのある毎日につながるかも。
オフィスで働くのとは一味違うリモートワーク。家で働くときに大前提となるのは、仕事で使う書類や資料の電子化でしょう。Adobe AcrobatはPDFデータの作成・編集に特化したサービス。セキュリティやAdobe Signによる電子サインなど、ビジネス向けの機能も備え、リモートワークを助けます。
「あるある」なトラブルを乗り越えて、リモートワークを楽しみましょう。この記事もキリのいいところになったので、そろそろチューハイの缶を開けることにします。
(執筆:辰井裕紀 編集:ノオト)