1、デスクが明らかにキレイになる
そもそもデスクでもっとも場所を取っていた「紙」がなくなるので、必然的に机の上はキレイになります。見違えるほどに整然としたデスクになる上、うっかり書類を紛失するリスクも無くなります。紙の出番はせいぜい付箋を貼り付けることでしょうか。キレイなデスクを維持すれば、自己肯定感まで高まりそう。
いままでビジネスの主役だった「紙」。しかし紙でできたことのほとんどが、電子化によって賄える時代になりました。社員たちがいつでもどこでも仕事をするために、紙からの脱却が助けになります。
そこで満を持して、ペーパーレス化を果たしたらどうなるのか? こんなあるあるが待っていました。
そもそもデスクでもっとも場所を取っていた「紙」がなくなるので、必然的に机の上はキレイになります。見違えるほどに整然としたデスクになる上、うっかり書類を紛失するリスクも無くなります。紙の出番はせいぜい付箋を貼り付けることでしょうか。キレイなデスクを維持すれば、自己肯定感まで高まりそう。
いままで、若手社員の日課はコピーを取って資料を用意することでした。ペーパーレス化するとそんな雑務は無くなり、若いうちからよりクリエイティブな作業に多く時間を割くことが可能になります。紙からの脱却は、若手を苦役から解放しました。
とにかくランニングコストが高いカラープリント。ピンキリですが、なかには1枚50円を超えるケースも。そんな金食い虫を黙らせるのが、ペーパーレス化です。最低限必要な書類以外は印刷しないことによって、大幅なコストカットが実現できます。浮いたお金で、謎の観葉植物でも育てましょう。
ご年配の重役は、どうしても紙で資料を読みたい方もいます。そこで、わざわざ彼らの資料だけはカラー印刷することもしばしば。内心面倒と思いながらも、強く言うのも立場上はばかられるし……そうして若手社員とのミゾは深まるのです。
ペーパーレス化は、リモートワークへのパスポート。モノやハンコに左右されない環境がないと、「申請や稟議のためにオフィスへ出向く」悲惨な目に遭うことも。リモートワークにはペーパーレス化がセット。これは会社のお偉いさんにもしつこく言っておきましょう。
外出自粛で一気に広まったのがオンライン会議。ペーパーレス化で資料をデータ化しておけば、共有もカンタンです。ただでさえ現状のWEB会議ツールは回線トラブルなどのアクシデントが起こりがちなので、そこでファイルを共有しておけばスムーズにことが運びます。
資料をデータで読むときは、ディスプレイがその表示画面で埋まってしまいます。画面を二分割するのもいいけど、サブディスプレイがあれば、資料を見ながら何かを書くのもラク。ペーパーレス化は、本格的なマルチディスプレイ時代の幕開けなのです。ただし小さな机だと置くスペースがないので、机の買い換えも必要になるのが悩みどころ。
情報の閲覧に便利なのがタブレット端末。PDFを読むくらいなら少し古い機種でも大丈夫ですが、ペーパーレス化への気合のあまり最新の上位機種を購入し、ムダに高性能をもてあます人も多いのでは。場合によっては安いエントリー機なども検討しましょう。
複数人が同時に共同編集できるドキュメントサービスはリアルタイムに更新が反映され、その都度バックアップも取れるので、リモートワークに適しています。同じように共同で同時に使える表計算ソフトも使いこなせば、令和型ビジネスマンのできあがり。
データを無くしたら、いままでやった苦労が水の泡……。バックアップすべきものが闇に葬られた……。悔やんでも悔やみきれません。しかし、データをクラウドに保管する環境であると、そのデータがあって大歓喜することも。ですが管理上の不備があると、せっかく見つかったものが古いデータで、二度泣くことも……。データは常に更新できる状態にすることが肝心です。
重いデータは、メールやFacebookメッセンジャーなどでは送れないことも。そんなときに頼りになるのが、ファイル転送サービス。ただしインターネット回線が遅いと、重いファイルの送受信に苦労するので、なるべく高速回線を用意しましょう。
ファイル転送サービスはとても便利ですが、期限を過ぎるとダウンロードができなくなってしまいます。うっかりダウンロードし忘れたときは頭を下げてもう一度送ってもらうしかなく、客先や同僚からの株を下げてしまいそう。読者の中にもドキッとした人がいるはず?
平成に葬りたい(?)、前時代的な遺物が「ハンコ」です。街のハンコ屋でカンタンに買えるので本人確認になるかも疑問だし、余計なひと手間が増える……。しかし、ペーパーレス化は極力このハンコは使わない方針で考えられています。最近では「電子印鑑」なるサービスも出てきており、「一度プリントアウトして、ハンコを押して、スキャンして、それを送信」などの面倒をかけずに済ませる環境が整いつつあります。
どれだけペーパーレス化を推し進めていても、客先の都合でどうしてもハンコが必要になることも。なるべく大きな出費は避けたい、そんなときに選択肢として浮上するのが100円ショップです。朱肉とともに手に入れて、どうにかハンコを押してやり過ごしますが、珍しい苗字の人はそこで見つからず、家まで取りに帰る悲惨なケースも。
しかしペーパーレス化においても、要所で紙を使うのは悪くありません。ちょっとしたアイデア出しには、手書きでメモを取り、見せ合うことも手段の一つ。そこで出た有力なアイデアをデジタルに起こし、保存する。アナログとデジタルの適材適所の使い分けも肝要です。
手書きで文字を書かなくなると、漢字をなかなか思い出せなくなります。記憶が怪しい漢字は、なんとなく該当部分をぐちゃぐちゃに書いてごまかす……。それか、人目を盗んでスマホで漢字をカンニングする……。ちょっと情けないですが、これが2020年を生きる私たちの現実です。
手書き文書は共有しづらいし、OCRも困難です。なのに「手書きの心は……」と、精神論で言われてしまうと、若手陣はそれを改善しようにも難しい。いかんともしがたいジェネレーションギャップ。ペーパーレス化に際しては、これこそが悪魔の言葉です。
請求書を送るとき、「PDFをメールでください」は救いの言葉。逆に「郵送してください」は憂いの言葉。「印刷する→ハンコを押す→ハンコが乾くまで待つ→折りたたむ→封筒に宛先を書く→切手を貼る→ポストに投函する」の面倒な手順を踏まなければいけません。また、最初はメールで良くても、結局後から請求書原本を送らなければいけない会社もあるのがツラいところ。
営業マンは約束の時間ギリギリになって、あわてて資料をコンビニのマルチコピー機で印刷することも日常茶飯事でした。しかしプレゼン資料をタブレットで見てもらうようにすれば、余裕を持てますし、さっそうとプレゼンをはじめられます。
紙に書いてある活字をテキスト化して検索可能にしてくれる、夢のような技術「OCR(光学的文字認識)」。しかし精度が悪いと、なかなか文字を認識してくれないことも。それはスキャンの精度とソフトの質にかかっているので、「ちょっとでもいいソフトを……」は、心の叫びです。
OCRにももちろん対応したAdobe Acrobatは、電子資料で使用するPDFデータの作成・編集に特化したサービス。セキュリティやAdobe Signによる電子サインなど、ビジネス向けの機能も備え、社内のペーパーレス化を支える存在をめざしています。
「あるある」を乗り越えて、ペーパーレス化に対応し、働きやすいチームを目指しましょう。
(執筆:辰井裕紀 編集:鬼頭佳代/ノオト)