業務効率化のアイデア&便利なITツールの選びかた
この記事では、業務効率化に取り組みたいと考えている経営層・マネージャーの方に向けて、具体的な業務効率化の進め方や便利なITツールを紹介します。
働き方改革や人手不足の深刻化といった背景から、業務効率化は多くの企業にとって重要な課題となっています。
業務効率化は、日々の仕事で発生するムダな業務を洗い出して、効率よく仕事を展開することが目的です。
そのためには、どのようなアイデアがあり、どのようなITツールを活用すればよいのでしょうか。
業務効率化に取り組む前に、まずは自社の課題を洗い出しましょう。いきなり新たなルールを設けたり、ツールを導入したりしても、それらが自社の課題に合ったものでなければ効果を発揮することができません。
最初に現状を知り、どんな対策を講じればいいか検討することで、より効果的に業務効率化を実践することができます。
課題の洗い出しは「業務の棚卸」→「業務効率化の目的、基準を決める」→「業務効率化のアイデアを出す」→「ツールの導入を検討する」の順に取り組むのがおすすめです。
業務効率化のアイデアを出す前にやってみること
・業務の棚卸
「業務の棚卸」というキーワードはよく耳にしますが、実際にやったことがないという方も多いかもしれません。
下記の手順で業務の棚卸をしてみましょう。
① 日頃、行なっている業務を思いつくまま書き出す。
業務ごとに大まかなカテゴリを作ってまとめていく、日次・月次など期間別に挙げてみるなど、各自で自由に書くことがポイントです。
② 書き出しが終わったら、ひとつひとつの業務を分類して表にまとめる。
Excelのような表計算ソフトを使うのが一般的ですが、小さな付箋に記入して並べてみてもよいでしょう。
分類の方法は最初に挙げた業務ごとのカテゴリでも、日次・月次などの分けかたでも構いません。
③ 内容を分析する。
表にまとめた業務の内容を分析しましょう。そこにはさまざまな気づきや課題があるはずです。
・重要でない業務に時間を割いてしまっている
・なくしたほうがいい業務がある
・内容が重複しており、集約したほうがいい業務がある
・人によって業務量にバラつきがある
業務の棚卸は個人でもできますが、部署やチームなど複数人で行なうことにより、抜け・漏れを防ぐことができます。また、15分や30分など時間を区切るとよりスムーズに行なうことができます。
・業務効率化の目的、基準を定める
業務の棚卸で課題が見つかったら、業務効率化の最終的な目的や基準を決めていきます。
たとえば、「残業時間を月〇時間削減する」「経費を年間〇%削減する」というように、具体的に数値化できる目標を設定します。そうすることで、達成率を振り返ることができ、
その結果をもとに目標を見直したり、改善策を考えることができます。
さらに、具体的な目標を掲げることでメンバーのモチベーションを維持し、ムダを削減しようという意識を高めることができます。
ここでは企業として業務効率化に取り組む際に実践したい具体的なアイデアを紹介します。
書式の統一
報告書やプレゼン資料など、頻繁に作成する文書がある場合は、書式を統一するとよいでしょう。
書式が決まっていれば、必要項目を埋めるだけで書類を完成させることができるため、自分でイチから作るよりも作成時間が短縮できます。
ワークフローやマニュアルの作成
定期的に行なう作業があれば、ワークフローやマニュアルを作っておくのがおすすめです。ワークフローを毎回調べながら作業をすると、どうしても余計に時間がかかってしまいます。
そこで、手順をわかりやすくまとめたマニュアルを作っておくことで作業時間を短縮できます。また、ほかの人に作業を引き継ぐときもスムーズに教えることが可能です。
業務量の調整
業務の棚卸の段階で、人によって業務量に差があることに気がつく例は多いようです。
作業が早い人、慣れている人にばかり業務が集中すると、過剰に忙しい人と時間を持て余してしまう人との差が広がってしまいます。
そこで、各メンバーのスキルに合わせて業務を振り分け、特定の人に負荷がかかるのを避けることで、ムダな作業を減らすことができます。
業務効率化を実践するには、企業としての取り組みだけでなく個人単位でのスキルを上げることも重要です。「対課題スキル」「対人スキル」「対自己スキル」の3つにわけてご紹介します。ぜひ自分でもできそうだと思ったものから取り入れてみてください。
対課題スキル
・タイピングやショートカットキーなどの PC スキル
個人の業務効率化でもっとも手軽に実践でき、なおかつ効果も高いのがPCスキルの向上です。
タイピング速度を上げるだけでも作業スピードは飛躍的に上がります。また、よく使う単語を辞書登録したり、頻繁に行なう操作はショートカットキーを利用することで、さらに作業効率が上がります。
無料のタイピング練習ソフトもたくさんあるので、スキルアップのために利用してみるのもおすすめです。
・専門スキルなど
業務を進めるうえで欠かせない、専門的なスキルの向上は業務効率化にとって非常に重要です。
スキルの向上のことには、まずはうまくいっている人のマネをすることです。周囲の人の仕事ぶりを見て、うまく成果を出している人がいれば、やりかたを聞いてみましょう。
チーム内で勉強会を開くなど、周囲の人と連携しながらスキルを上げるのも効果的です。
対人スキル
・コミュニケーション
業務効率化とは一見関係がないように思えますが、コミュニケーション力を磨くこともムダな時間を省くという意味では大切な要素のひとつです。
特に意識したいのは「伝えかた」です。上司に業務の進捗を報告するときに、うまく伝わらず聞き返されてしまった、必要のないことまで報告して時間をかけてしまった、という経験はありませんか。
・最初に結論から述べる
・順を追って論理的に説明する
・要点を絞って話す
これらを意識するだけでも内容がきちんと伝わるようになり、報告にかかっていたムダな時間を削減することができます。
業務効率化のためには、ムダのないシンプルなコミュニケーションを心がけたいところです。
対自己スキル
・モチベーションを保つ、セルフマネジメント法
ストレスや疲れがたまったまま仕事に追われていると、どうしても集中力や体力が落ちてしまいます。
効率よく仕事を進めるためには、自分なりのリフレッシュ方法やモチベーションを上げる方法を持つとよいでしょう。
「この作業が終わったら好きなチョコレートを食べる」「疲れてきたらコーヒーを飲んで休憩する」など、仕事が楽しくなるような自分だけのルールを作ってみましょう。
ここからは、業務効率化を進めるうえで欠かせない、便利なツールの例を紹介します。ツールを導入することで、ムダな作業を削減し、生産性を上げることができます。さまざまなツールがありますので、自社の課題に合ったものを選びましょう。
RPA 導入(自動化)
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーションの略)は、人間が手作業で行なっていた仕事を自動化するツールです。
手作業はミスの原因になるほか、長時間の単純作業はモチベーションの低下にもつながります。
データの入力のような単純作業にRPAを導入することで、作業時間を大幅に短縮することができます。
情報共有ツール(クラウド管理)
「伝えたつもりのことが伝わっていなかった」「必要な情報がすぐに入手できない」といった悩みを解決できるのが、情報共有ツールです。
クラウドを使えばWeb上に記録を残しておけるので、情報の伝え漏れや紛失といったリスクを回避することができます。情報を後から追加・修正することも可能です。
業務のマニュアルを情報共有ツールに残しておけば、後輩や新入社員に仕事をイチから伝える労力を軽減できます。
導入のうえで注意したいことは、社内で使う情報共有ツールはひとつにする、ということです。部署やチームによって異なるツールを使っていては、欲しい情報がどこにあるのかわからなくなり、探すのに手間取ってしまいます。
高機能なドキュメントツール(Acrobat)
ビジネスの現場ではドキュメントの作成、管理、共有を効率化することが、業務効率の改善にもつながります。
作成した資料の共有、回覧、レビューに時間がかかり、必要な決済に時間がかかったという経験は誰しもあるでしょう。
Adobe Acrobatは、ビジネスのさまざまな場面で活用できるPDFソリューションを提供するツールです。
PDFの作成や編集のほか、ファイルの共有や署名もあらゆるデバイスから行なうことができます。
注釈ツールを使えば、ひとつのファイルに対して複数の担当者がコメントを入れることも可能で、すべてのフィードバックを1か所で管理・確認できるため、書類の受け渡しやメールのやり取りに時間を取られることもなくなります。
モバイル向けアプリAdobe Scanを使えば、紙の書類をスキャンしてPDFに変換することもできます。紙の表組みをPDFに変換して編集することもできるため、イチから表を作るのに比べて大幅に時間を短縮できます。
このように、Acrobatのさまざまな機能を利用することで、業務効率化をよりスピーディーに進めることが可能です。
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