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ビデオグラフィとシネマトグラフィの違いを理解しよう
動画制作者独自のスキルと映画制作者のスキルの違いを追求し、創造力が必要な動画制作における役割分担について理解を深めます。
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ビデオグラフィとシネマトグラフィとは
ビデオグラフィとシネマトグラフィは、両方とも映像を捉える作業でが、映像制作のプロセスにおける制作者の視点が異なります。
ビデオグラフィ は、瞬間を捉えたり、ライブイベントなどを撮影したりすることを意味します。ビデオグラファーはどちらかと言えば、小規模の動画作品、例えばウェディング写真やライブイベント、コンサートなどの撮影をします。ビデオグラファーは大抵、1人で作業するか小人数のスタッフと共に作業します。これらのスタッフの仕事も映像を捉えることです。
シネマトグラフィは高度な映像を捉える作業ですが、ビデオグラフィと異なるのは、戦略的なプランニング、芸術的な演出、芸術性に基づく判断が必要であり、大人数のスタッフ、つまり撮影スタッフを使って制作する必要がある点です。ミュージックビデオや高レベル映像のハリウッド映画は、シネマトグラファーの手による作品です。
「シネマトグラフィでは、必ずと言っていいほど芸術的なアプローチが用いられます。より綿密に作られています。それが抽象的であれ、具象的であれ、何かを表現するには最適な方法です」と語るのは映画制作者のホイット・イングラムさんです。
ビデオグラファーとシネマトグラファーの選択
ビデオグラファーもシネマトグラファーもどちらも動画を制作する点では同じです。仕事の内容を見ると、同じ領域を担当する部分もありますが、それぞれ異なるスキルが必要です。どのような作品を作りたいのか、または最終的にどのような作品に仕上げたいか分かっているのであれば、どちらの専門スキルが必要か自ずと分かってきます。
以下のような作品の側面を考慮して、必要な人材を検討しましょう。
- 作品の規模と内容
- スタッフの人数
- 撮影前の必要な時間と計画の規模
- 芸術的な演出や判断が必要かどうか
「シネマトグラフィとビデオグラフィの最も異なる点は、どれだけの計画が必要かということです。ビデオグラフィの場合は、計画できる項目が限られています。例えば機材などです。事前に情報はもらっていても、実際には何が起きるか分かりません」とシネマトグラファーのショーン・フォークスさんは言います。
ビデオグラフィで瞬間を捉える
ビデオグラファーはライブでの瞬間を捉えます。動画撮影の場合、事前の計画はあまりありません。作品によっては、どのような撮影状態になるのか予想がつかないこともあります。ビデオグラファーの主な仕事は、カメラの操作、照明を最適な状態にすること、音を捉えることです。
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ビデオグラファーに必要な主要スキル
その場で起きているシーンを捉えるには、臨機応変に動くことが必要です。ビデオグラファーは、カメラ操作以外にも機材についても豊富な知識を持ち、ライブイベントのようにコントロールが困難な状況にあっても機敏に動かなければなりません。
その他、以下のようなスキルをビデオグラファーが持っていれば、良質な作品作りに役立ちます。
時間厳守と機敏性: ビデオカメラ、レンズ、予備のバッテリー、予備のメモリーカード、照明、マイクなど、撮影に必要な機材一式を常に用意しておいて現場に即対応できる。
カメラアングルを見極める能力: ライブイベントで最適なショットを捉え、機材も最適な場所に設置し、大切な瞬間を見逃さないようにする。
リーダーシップ: 単独で撮影するときも、スタッフと共に撮影するときも、的確な撮影指示を出す。
ポストプロダクションの編集知識: Adobe Premiere Proのような動画編集ソフトウェアを熟知している。
「撮影指示というのはビデオグラファーが学ぶべき重要なことです」とシネマトグラファーでありビデオグラファーでもあるジョシュ・ミラーさんは言います撮影指示は、ビデオグラフィ、シネマトグラフィの両方で重要な役割を果たします。少人数のスタッフと一緒に働くことの多いビデオグラファーにとっては必要不可欠なスキルです。ビデオグラフィの撮影指示としては、照明を適切で効果的な位置にセットする、正しいレンズや機材を選ぶ、限られた環境でどのように撮影するのかを判断する、などが挙げられます。
ビデオグラフィ用のカメラと機材
ビデオグラファーは、自分でコントロールできない環境で働くことが多いのですが、撮影に使う機材のタイプをコントロールすることはできます。バッテリーが充電されたビデオカメラ、デジタル一眼レフカメラ、予備のメモリーカードなどは、ビデオグラファーが使う基本的な機材です。その他にも以下の機材が必要になる場合があります。
- 三脚またはスタビライザー
- 照明器具
- マイクとオーディオ機器
- 様々なショットの種類を撮影するための交換用レンズ
ビデオグラファーが撮影する作品のタイプ
ライブのスポーツイベントやウェディングビデオなど、ビデオグラファーの仕事はライブイベントの撮影が中心になります。また、会議、生のインタビュー、報道、短編映画、ドキュメンタリーなども撮影することがあります。ビデオグラファーは、ウェディングビデオ、製品宣伝用動画、企業用の動画の撮影をすることで、または撮影後のビデオエディターやメディアのスペシャリストとしてキャリアを積み上げていきます。
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プリプロダクション:作品制作の方向性に関するアイデアを出す、絵コンテを作る、撮影スタッフを雇う、ロケーションを確保する、映画監督との調整や共同作業をおこなう。
撮影中: クリエイティブな演出が指示されていることを確認する、芸術性を追求したカメラの動きで適切なシーンが撮影されるようカメラマンと共に作業をする、演出にマッチするように露出、構図、フレーミングを調整する。
ポストプロダクション: 色のグラデーションやカラーパレットをチェックし、映像をエディターに引き渡す。
映画制作には、芸術的なアプローチが必要なので、シネマトグラファー、つまり撮影監督には幅広いスキルが要求されます。例えば、カメラテクニックの豊富な知識、映画制作の豊富な経験、そして最も重要なのがコミュニケーションスキルと撮影スタッフをリードしていく力量です。
シネマトグラファーはまた、スタッフの役割を分担し、それらスタッフの責任者ともなります。様々な役割の中でも、特に重要なスタッフは、カメラオペレーター、ステディカムオペレーター、ファーストとセカンドのアシスタントカメラ、照明、キーグリップなどです。
シネマトグラファーが必要とする可能性のある機材
作品の規模、芸術的な表現、監督の方針によって必要となる機材が異なってきます。デジタル一眼レフ、ビデオカメラ、三脚、照明、メモリーカードなどは、ビデオグラファーとシネマトグラファーともに基本的な機材ですが、作品の制作規模によっては特別な機材が必要になる場合があります。
シネマトグラファーが撮影する作品のタイプ
映画の要素がある作品としては、ストーリーのあるミュージックビデオ、ハリウッドスタイルの劇場用映画、専門性の高いドキュメンタリーシリーズなどがあります。シネマトグラファーになるのは、まだ先という人は映画のカラーグラデーションを中心にしたアートディレクターの仕事やアシスタントディレクター、ファーストまたはセカンドのアシスタントカメラマン)、モーションピクチャーのカメラマンなどの仕事から始めてもよいでしょう。
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ポストプロダクションを簡単にするPremiere Pro
ノスタルジックなウェディング動画からドキュメンタリースタイルの長編動画まで、Premiere Proは編集処理を簡単にします。このツールには、プリセットで効率を上げる、スムーズなトランジションで音声をまとめる、などビデオグラファーにとって役立つ機能が盛りだくさんです。シネマトグラファーにとっても、ポストプロダクションの編集を通して、Bロールや映像をまとめ、カラー調整をおこなうことができます。
ライブイベントの撮影でも、大ヒットを狙う大作でも、Premiere Proの編集ツールを使えば、どのような作品にも挑戦できます。