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フレームレートとは?

短い自主映画を作る場合でも、次のピーター・ジャクソン監督になりたい場合でも、1秒間のフレーム数、つまりFPSを理解することで、作品が適切に受け入れられます。

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ソファに座って毎秒32フレームのフレームレートで映画を観ている人々

フレームレートとは?

人間の目には、映画やビデオは録画された映像が長く続いて映っているように見えます。しかし実際には、カメラはフレームと呼ばれる複数の画像を録画しているのです。こうしたフレームは、早い速度で再生されるので、流れるような映像となって目に映ります。フレームレートとは、1秒間に多くのフレームがどれだけ速く現れるかを表す数値です。そのため、FPS(1秒間あたりのフレーム数)とも呼ばれるのです。

映画、テレビ番組、ビデオのストリーミングのコンテンツ、スマートフォンなどの標準的なフレームレートは24fpsです。物が速く動くと焦点が合わなくなり、映像がブレてしまう現象をモーションブラーと言いますが、フレームレートのスピードがその原因です。

「野球の試合を観戦しに行ったとします。誰かがボールを打ったら、見ている人は、ボールのモーションブラーを見るでしょう。人間の目にはすべてがはっきり映るわけではありません。1秒間に24フレームだと、少しモーションブラーがありますが、ほとんどがはっきり見えるので、人間の頭の中では正常な見え方になります」とマーガレット・カーニアワンさんは説明します。

フレームレートの簡単な歴史

映画制作が始まったばかりの頃、動きをスムーズに見せるために必要な短い露光を、フィルムは捉えることができませんでした。1800年代に、写真を撮ってもらうために人々が長時間立っていなければならなかったのはそのためです。1880年代に映像技術が発展すると、手でクランクを回すことで、カメラの中でフィルムのロールを回し、もっと多くのフレームを捉えることができるようになりました。その結果、14fpsから26fpsの様々なフレームレートが、映画産業で使われるようになりました。それはり、実際の動きが一貫して撮影されていなことを意味しました。次第に機械式のクランクが映像カメラに取り付けられるようになり、映像録画の安定性が高まりました。しかし、映画制作者の多くは特別な効果を求めて、特定のシーンを異なるフレームレートで撮影しました。例えば、チャーリー・チャップリンの場合、極めて速い速度で動きを表現しました。そのため、業界においてはフレームレートの基準は定まりませんでした。

24fpsを標準とする動き

音の同期化とテレビ放送という2つの大きな要因によって、24fpsが業界標準として定められました。初期の頃は、映画に音を組み込む作業が上手くいきませんでした。しかし、1920年代後半になると、蓄音機やその他の類似の機器が発明され、1927年ハリウッド映画界は再生時に音を同期させた映画、『ジャズ・シンガー』を公開しました。映画の中で映像と音があるのが一般的になってくると、映画製造者は、サイレント映画で使っていた16fpsから、24fpsに移行していきました。これが最小限のフィルムを使いながら、最も音が聞きやすいフレームレートだったからです。

1950年代には、北米、日本、南米において、またテレビ放送では30fpsを使うのが普通になりました。一方、ヨーロッパとアフリカでは、25fpsが使われるようになりました。この背景には、ヘルツの違いによるビデオ形式のNTSCとPALがあるからです。近年になり、テレビ放送はデジタル化され、このような形式から去っていきましたが、映画とテレビ産業においてNTSCとPALという基準は、今でも使われています。「ヨーロッパをベースとする仕事をする場合、よく『確実にPALモードで撮影してください』と言われます」と撮影監督のハラ・ヒロシさんは言います。

シャッタースピードとフレームレートの関係

フレームレートとシャッタースピードが同じ意味であると、よく言われますが、それは間違いです。この2つは同じではありませんが、深い関係にあります。シャッタースピードは、何秒間シャッターが開いているか(それによってどれだけカメラに光が入ってくるか)を測定します。スピードが速ければ速いほど、フィルムやデジタルセンサーに当たる光の量は少なくなります。シャッターには、フォーカルプレーンシャッター(デジタル一眼レフ用)からリーフシャッター(中型から大型のカメラ用)まで、様々なタイプがあります。しかし、ビデオの場合、最も一般的なのは電子シャッターです。フィルムカメラでは光をコントロールするために、回転ディスクを今でも使っています。電子シャッターは、物理的にカメラに取り付けられているマニュアルシャッターと比べて、シャッタースピードをより速くしたりより遅くしたりできます。一般的に、人間の目が見慣れている実際の動きを捉えるためには、シャッタースピードはフレームレートの2倍の速さでなければなりません。

カメラのフレームレートを選択している画像

シャッターアングルとシャッタースピード

映画業界で最も多く使われているシャッターのタイプは回転ディスクです。このタイプは、特定のシャッタースピードを一貫して保ちます。スピード自体を変えるのではなく、15度間隔でシャッターの形状または角度を調整します。角度が大きければ大きいほど、より多くの光が入ってきます。

シャッタースピードと同様に、角度と光の量は相互関係にあります。角度を割り算または掛け算すれば、光もそれに反応します。ほとんどのカメラは、シャッターアングルは0度から180度になっています。180度にすると、大きな映画のスクリーンで見ているような外観が得られます。これは1秒間での再生にフレームが要する時間の半分に関係しているからです。フレームレートが24fpsの時、シャッターアングルを180度にすると、最もリアルに見える最高のモーションブラーが得られます」とハラさん言います。

高いフレームレートで撮影している時、低いフレームレートで撮影する時と同じ量の露出が得られるように、より多くの光を取り込まなければなりません。そのため、シャッターアングルを変える必要があります。

フレームレートの変更時期

ほとんどの動画コンテンツは、24fpsのフレームレートを使っています。しかし、これより高い、または低いフレームレートはいつ使えば良いのでしょうか?それは何を録画したいか、またはどのようなエフェクトを作品に入れたいかによって決まります。

へッドフォンをして大画面のテレビの前に座る男性
アメフトでボールをキャッチしようとしているプレイヤー
  • 24fps: 映画、ビデオストリーミングのコンテンツ(接続スピードとの違いに注意)、テレビゲームなどは、映画のような映像を作るためにこのスピードを使います。
  • 30fps: テレビの生放送(スポーツやニュース)とテレビ番組は、画質を高めるためにこのスピードを使います。特にスポーツは、リアルタイムで動きを鮮明に写す必要があり、そのため30fpsが最適なフレームレートです。
  • 60fps: 4Kの解像度が、一般視聴者に普及されるにつれ、このフレームレートがより多く使われるようになりました。4Kの解像度では、より速いフレームレートで映像を映すことができ、実際の物を見ているような、最高に鮮明な映像を体験できます。このフレームレートは、アクションをよりスムーズに見せるので、テレビゲームを録画するのに最適です。
  • 120fps以上: このスピードはスローモーションと、素早く激しい動きのテレビゲームに使われます(バトル、シューティング、スポーツのゲームなど)。ほとんどの場合、120fps以上を使うことはありませんが、その場合は、自然でスムーズな映像にするためにハイスピードカメラが必要になります。
まず、どのようなタイプの映像にしたいのか決めます。そうすれば、どのフレームレートが適切か判断できます。どのスピードに長所、短所がありますが、どのスピードを使っても、必ずや魅力的な映像が生まれることでしょう。フレームレートとシーケンスまたは複数のフレームレートの組み合わせついてさらに学び、オリジナルの作品を作りましょう。

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