Adobe Premiere Pro の動画反転とミラー効果
Adobe Premiere Proで動画を反転させる方法やミラー効果を作り出す方法を学び、映像の向きをコントロールして思い通りの映像に仕上げましょう。
いつ動画を反転させるか
動画を反転させるということは、元の映像のミラーイメージ、鏡に映ったような状態を作り出すということです。プロ向けの映像撮影機材で撮影した動画でも、カムコーダーやスマホで撮影した動画でも、編集した動画を観る人の方向感覚が狂ってしまうようなものにはしたくありません。たとえば、左から右に動いた被写体が、次のカットでそれが右から左に動いていたら、見ている人の視線が乱され、映像のアクションを追うことができなくなってしまうかもしれません(視線を維持することは動画編集における 3 番目のルールです)。このようなケースでは、動画を反転して視線の流れを保つことで、この問題を解決することができます。
動画を反転させるには
動画を反転させるには、Adobe Premiere Pro の「水平反転」または「垂直反転」を使います。Premiere Proは、FLV、MOV、WMV、MP4といった、ほとんどすべての高解像度、低解像度の動画ファイル形式に対応しています。こうしたファイルを読み込み、水平反転を使うと、元のクリップのミラーイメージを作ることができます。反転によって左にあったものは右側に、右にあったものは左側になります(垂直反転の場合は、動画の上下が逆になります)。映像データをプロジェクトに読み込ませたら、反転するところを決めて、次のステップを行ないます。
クリップ全体を反転させる
数分の動画、あるいは短いクリップを変更するときには、この方法を使います。
1. 「エフェクト」パネルを選択します。
2. 「ビデオエフェクト」から「トランスフォーム」に進みます。
3. 「水平反転」または「垂直反転」を選択します。
4. 選んだ反転方法をクリップにドラッグすると、すぐに映像が反転します。
クリップの一部だけを反転させる
あえて方向感覚がおかしくなったような効果を出したいときは、クリップの一部だけを反転してみましょう。
1. Cキーを押してレーザーツールに切り替え、クリップの反転したい場所をクリックします。
2. レーザーツールを選択したままで、反転効果を終わらせたい部分をクリックします。
3. 「ビデオエフェクト」から「トランスフォーム」で、「水平反転」か「垂直反転」を選択します。
4 タイムライン上で、クリップのその部分に反転効果をドラッグします。
ミラー効果を作成
スクリーンの半分がもう一方の半分を映すミラー効果を作成するには、ミラーエフェクトを使って映像の一部だけを反転させます。
「エフェクト」パネルを選択します。
「ビデオエフェクト」を選択します。
「ディストーション」にある「ミラー」を選択します。
クリップに「ミラー」エフェクトをドラッグします(次のステップを行なうまでは何も変わりません)。
「エフェクトコントロール」パネルで「ミラー」エフェクトに進みます。
横に並んだミラーイメージを作るには「反射の中心」を調節します。設定値をドラッグで増減して、ミラーラインを好きな場所に移動します。
上下にミラー効果を作成する時は、「反射角度」を調節します。矢印を左に-90度スライドすると、動画の上半分が下半分を映します。矢印を右に 90度スライドすると、下半分が上半分を映します。
文字や数字が逆さまになっていないか確かめる
画像に看板やナンバープレートなどが映っている場合、文字や数字も一緒に反転してしまいます。もしテキストが背景にあるだけなら、Premiere Pro のマスキングとトラッキング機能を使ってぼかすことができます。「エフェクトコントロール」パネルの「水平反転」を使って、反転したマスクを作ることもできるので、それを文字やグラフィックがある動画に適用します。
動画を回転させることも
動画の反転と動画の回転を間違えないようにしましょう。動画の回転は、動画の向きを 90 度から 180 度調整します。傾いている映像を、水平にするための微調整に使うこともできます。動画を回転したいときは「エフェクトコントロール」パネルを開き、「モーション」にある「回転」に回転させたい角度を入力するか、数値を左右にドラッグして値を増減します。
Premiere Pro を使うと、好きな方法で動画を編集できます。ほかのチュートリアルで、反転した動画にエフェクトを追加する方法や、一般的な編集のコツを学ぶこともできるので、ぜひいろいろチャレンジしてみましょう。