コーデックを学び動画再生のトラブルをなくそう
友人からシェアされた動画や、会社から支給されたセミナー動画など、自分のパソコンで再生できなかったことはありませんか。動画を再生できない理由のひとつに、「コーデック」と呼ばれる動画再生のプログラムが、パソコンにインストールされていない可能性が挙げられます。
この記事では、コーデックの概要と再生トラブルが生じたときの解決方法をご紹介します。
目次
- 動画再生に不可欠なコーデックとは?
- コーデックの形式には動画コーデックと音声コーデックがある
- 「圧縮」「変換」するエンコードと「復元」するデコード
- コーデックはハードウェアとソフトウェアで行える
- コーデックに関する注意点
- コーデックがインストールされていないと再生できない
- 動画形式とコーデックの組み合わせにも注意
- コーデックが原因の再生トラブル解決法
- 必要なコーデックをインストールする
- 必要なコーデックを持つソフトウェアを入手する
- ソフトウェアで動画をエンコードし直す
- コーデックについて知り、動画再生トラブルを回避しよう
動画再生に不可欠なコーデックとは?
広義の意味でコーデックとは、データの「圧縮」「変換」「復元」を行う技術を指します。ですから、動画に限らず、画像や音声、テキストなど、圧縮・復元することもコーデックです。また、コーデックは、「圧縮」「変換」「復元」を行う「プログラム」を意味するだけではなく、「作業」や「装置」を指す言葉でもあります。
コーデックの形式には動画コーデックと音声コーデックがある
コーデックには広い範囲の意味が含まれていますが、一般的にコーデックといえば「動画コーデック」や「音声コーデック」を指します。
動画コーデックや音声コーデックには複数の形式がありますが、代表的な形式は下記のようなものがあります。
<代表的な動画コーデックの種類>
MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、Xvid、DivX、H.263、H.264
<代表的な音声コーデックの種類>
MP3、AAC、AC-3、FLAC、LPCM、PCM
「圧縮」「変換」するエンコードと「復元」するデコード
コーデックの技術のうち、「圧縮」「変換」をエンコード、「復元」をデコードといいます。
具体的には、MP3のコーデックを使って音声ファイルを作る場合、レコードなどアナログの音声の容量を圧縮する、音声形式を変換するなどして、データを圧縮します。これをエンコードといい、パソコンで読み込めるMP3のデータに変換します。
そして、再生する場合は、MP3のデータをデコードすることで、人間の耳で聞こえる音声に復元するのです。
コーデックはハードウェアとソフトウェアで行える
コーデックは、ハードウェアを使った「ハードウェアコーデック」と、ソフトウェアを使った「ソフトウェアコーデック」の2つの方法があります。
ハードウェアコーデックは処理速度が速いので、動画のエンコードに向いています。一方、ソフトウェアコーデックは動画や音声の形式に応じたソフトウェアで対応しますが、パソコンの処理能力に負担がかかるため、ハードウェアコーデックに比べて処理速度が遅いという難点がありました。しかし、近年はパソコンの性能向上とともに、ソフトウェアコーデックも十分実用的になっています。
コーデックに関する注意点
実際にコーデックを使って動画ファイルを作成する、音声ファイルを再生するなどしたときに、トラブルが起きることがあります。
続いては、動画や音声のコーデックについて、注意したい点を見ていきましょう。
コーデックがインストールされていないと再生できない
再生したい動画ファイルや音声ファイルに使われているコーデックがパソコンなどにインストールされていないと、そのファイルは再生できません。代表的なコーデックはパソコンにインストールされていますし、再生ソフトウェアにも内蔵されていますが、それらのコーデックが必要なコーデックに対応していない場合があります。
動画形式とコーデックの組み合わせにも注意
動画の場合、mp4やavi、movなど、同じ動画形式でも、動画コーデックと音声コーデックの組み合わせが複数存在します。
例えば、動画形式がMP4の動画ファイルで、動画データのコーデックがMPEG-4、音声データのコーデックがAACになっている場合、MP4対応のソフトウェアでも、そのソフトウェアのコーデックがAACに対応していなければ再生できません。
ですから、動画形式だけでなく動画コーデックと音声コーデックの組み合わせにも注意が必要なのです。
コーデックが原因の再生トラブル解決法
動画ファイルや音声ファイルを再生できない場合、そのほとんどの原因はコーデック関連の問題によるものです。では、コーデックが原因の再生トラブルは、どのように解決したら良いのでしょうか。
必要なコーデックをインストールする
動画ファイルや音声ファイルを再生できない場合、動画再生ソフトウェアに必要なコーデックが内蔵されていないケースがあります。この場合は、必要なコーデックをパソコンにインストールすることで解決できます。
必要なコーデックを持つソフトウェアを入手する
コーデックの種類は多数あるので、足りないコーデックを毎回インストールしていては大変です。そこで、足りないコーデックをインストールするのではなく、必要なコーデックがすでにインストールされている動画再生ソフトウェアを入手する方法もあります。
ソフトウェアで動画をエンコードし直す
自身のパソコンの環境に合わせて、所有する動画ファイルの形式を変更する方法もあります。その場合、動画ファイルの形式を変換するソフトウェアなどで動画をエンコードし直します。
コーデックについて知り、動画再生トラブルを回避しよう
今では、パソコンなどで動画を簡単に見ることができますが、コーデックは動画ファイルや音声ファイルを再生するには欠かせないプログラムです。
動画や音声の再生にトラブルが生じた場合でも、コーデックの知識があればスムーズに対処できるでしょう。