アンチエイリアシングとは?ジャギーが発生する原因も解説

写真や画像を拡大した際に、エッジ部分がギザギザに見えてしまうことはありませんか。
このギザギザは「エイリアシング(ジャギー)」と呼ばれ、エイリアシングが目立つと画像やデザインが不自然に見えたり、見栄えが悪くなったりすることがあります。こうした問題を解決し、画像を滑らかに見せるための処理を「アンチエイリアシング」といいます。
この記事では、アンチエイリアシングの定義や、エイリアシングが起こる原因を解説します。
記事の後半では、画像編集ツール「Adobe Photoshop」を使って、画像をきれいに切り抜く機能もご紹介します。
アンチエイリアシングとは
アンチエイリアシング(anti-aliasing)とは、コンピューター上で文字や画像を表示する際に現れる「階段状のギザギザ」を滑らかに見せる処理のことです。
この階段状のギザギザを「エイリアシング」または「ジャギー」といいます。そのため、エイリアシング(aliasing)がない(anti)状態にする処理をアンチエイリアシングと呼んでいます。
エイリアシングが起こる原因
エイリアシングはなぜ起こるのでしょうか。
それは、コンピューター上に表示される画像は、格子状に並んだ正方形のマス(ピクセル)で構成されているからです。
コンピューターは1ピクセルよりも細かい単位での描画ができません。
そのため、色が変わる境界線の部分は、1ピクセルごとに塗りつぶしの色を変えることで、境界線を表現しています。
その結果、「ドット絵」のように輪郭がガタガタして見えてしまうのです。
エイリアシングが目立ちやすいかどうかは、画像の解像度によっても異なります。
画像の鮮明さを示す「解像度」とは、1インチの中にいくつのピクセルが並んでいるのかで表されます。
例えば、1インチの辺に10個のピクセルが並ぶ場合の解像度は10ppi、100個のピクセルが並ぶ場合は100ppiと表されます。
そのため、低解像度の画像、つまり画像に含まれるピクセル数が少ないほどピクセルごとの角が目立ち、エイリアシングが起こりやすくなります。
エイリアシングが起こりやすい部分やデータの例として、以下が挙げられます。
・円や曲線、斜線のエッジ部分
・低解像度のモニターで表示した画像
・低解像度のプリンターで出力した印刷物
・ゲームや3Dグラフィック
では、こうした「エイリアシング」を軽減するための処理である「アンチエイリアシング」は、どのような仕組みで行われているのでしょうか。
続いて、アンチエイリアシングの仕組みを解説します。
アンチエイリアシングの仕組み
アンチエイリアシングを適用すると、文字や画像の境界線のまわりに中間調が補われるため、エイリアシングが目立たなくなります。
「中間調」とは、異なる色や不透明度で描画されている、ピクセルの境界に位置する色や色調のことです。
例えば以下のりんごの画像の場合、黒と赤の中間の色が、背景とりんごの境界線付近に足されています。
境界線部分をより拡大すると、以下のような見た目になっています。
つまり、アンチエイリアシングを適用し境界線付近に中間調が足されることで、「黒・赤」のようにはっきり区別されるのではなく、「黒・薄い黒・薄い赤・赤」のように段階的に色が付けられます。その結果、境界線が滑らかに見えるようになります。
では、背景が透明の場合はどうなるのでしょうか。
その場合、「ピクセル内をどのくらいの不透明度の色で描画するか」によって表現されます。
この図のように、不透明度によって色のグラデーションを付けることで、エッジが滑らかに見えるのです。
エイリアシングが目立たなくなることで、自然な見た目になるほか、ディスプレイ上や印刷物で画像がキレイに表示されるというメリットがあります。
一方でデメリットもあるため、使い方によっては注意が必要です。
アンチエイリアシングを適用した画像は、画像処理に時間がかかるため表示速度が下がることがあります。3Dグラフィックといった高度な画像や動画の場合、特に表示が遅くなりがちです。
例えば、3Dゲームにアンチエイリアスを適用すると、画像がキレイに表示される分、動作が重くなります。
他にも、新聞の本文のように小さい文字を鮮明に印刷したいときや、ゲームキャラクターのようなドット絵をあえて表現したいときなど、アンチエイリアシングの処理が不要になってくる場合もあります。
そのため、必要に応じて、アンチエイリアスの設定値を調整したり、設定をオフにしたりして対応しましょう。
アドビの画像編集ツール「Adobe Photoshop」で画像を美しく編集しましょう
「Adobe Photoshop」は、世界中のクリエイターに支持されているハイスペックな画像編集アプリです。
Photoshopなら、加工したい画像を開き、拡大縮小や切り抜きといった処理をする過程で、アンチエイリアシングが適用されます。
そのため、アンチエイリアシングの処理をカンタンにでき、スムーズにデザインやクリエイティブ作成を進められます。
Photoshopには画像にアンチエイリアシングを適用する以外にも、様々な画像編集機能が揃っています。
例えば、写真から特定の被写体を選択して切り抜くこともカンタン。
「オブジェクト選択ツール」を使えば、クリックするだけでカンタンに被写体を選択できます。
被写体を選べたら、メニューバーの「選択範囲」→「選択とマスク」をクリックしましょう。
表示モード内の「表示」から「オーバーレイ」を選ぶと、選択範囲をチェックしやすくなります。すると、アップルパイと下に敷かれているクロスの境界線といった細かい部分が欠けていることがわかります。
ツールバーのブラシツールを使えば、欠けてしまった部分をカンタンに復元できます。
きれいに切り抜いた画像はカフェのメニューやチラシなどに活用してみましょう。
詳しい操作手順が気になる方は、以下のページを参照してみてください。
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