写真
結婚式写真のヒント:ショットリスト、機材のおすすめなど
結婚式の写真を撮るにあたっては、最初の登場から最後のお見送りまで、カップルの大切な日を記録するためにしっかりと計画を立てる必要があります。フォーマルな写真撮影に向けての準備や、自然な瞬間を捉える方法について学びましょう。
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結婚式写真は一生もの
結婚式が「一生に一度」と言われるのには理由があります。結婚式には膨大な量の計画が必要で、計画に含まれる内容は、式、ケーキ、余興だけではないからです。
「ウェディングフォトグラファーの徹底した仕事ぶりには頭が下がります」と編集兼肖像写真家のグレース リベラさんは言います。Riveraさんは通常は結婚式写真を担当しませんが、最近リゾート婚の撮影をしたことで、このジャンルを新たに見直したということです。「本当に大変です。ファッション、ドキュメンタリー、イベント、ポートレートなど、あらゆるジャンルの撮影が1日に詰め込まれていて、7時間で大量の写真を撮らなければならないからです」
ショットリストの内容が非常に多く、撮影場所も複数あり、大勢の出席者の写真も撮影しなければならない上に、撮影時間も限られているので、腕のいいウェディングフォトグラファーであっても、それらすべてを円滑にこなすのは大変です。そのため、戦略を練ることが不可欠です。しっかりとした準備があれば、当初の計画が崩れたときにも立て直しが利きます。
ビンテージ感を出したいのであれば、1950年代以前の古い箱型カメラを使うか、数十年以上前の期限切れフィルムを使った方がよいでしょう。60〜80年前のフィルムで撮影したことがあります」とフローラ=ウェバーさんは言います。フィルムでの撮影はコストがかかりますが、撮影枚数が限られているので、シャッターを切るタイミングをより慎重にすることができ、1枚1枚の撮影をより丁寧におこなうことができます。フィルムでは1 回シャッターを押すごとにお金がかかるので、意図的にポーズをとるときに役立ちます」とマーサーさんは言います。
自分でフィルムを現像することもできますが、ビンテージ写真を始める際には、その技術や手法を心得ている専門店を見つけるのが得策です。ビンテージ写真の撮影や後処理の過程の中で助けてくれるフィルムラボと良い関係を保つことが重要です。必ず良いフィルムラボを見つけて、コミュニケーションをよくとってください。フィルムラボで処理してもらいますので」とマーサーさんは言います。
結婚式写真の撮影準備
スケジュールと撮影リスト
たった1日ですべてが終わるので、失敗は許されません。クライアントをがっかりさせることのないよう、結婚するカップルと事前に打ち合わせをしてスケジュールを確認し、ショットリストを作成しておくようにしましょう。
「私はカップルに時系列の予定表を渡すようにしています」と、ウェディングフォトグラファーで作家のカラ プリカニックさんは言います。予定表があれば、当日のスケジュールを一覧で確認できるだけでなく、時間配分が現実的に厳しい場合にも、スケジュールの見直しがしやすくなります。
例えば、出迎えてくれる300人に挨拶する必要があるので、式から披露宴会場まですぐには行けないということにカップルが気づくことができれば、新郎新婦にとって最も重要な撮影をするため時間を適切にスケジュールすることができます。
結婚式のショットリストを見てカップルと確認すべき重要事項は次のとおりです。
1. 新郎新婦の両方またはどちらかが、支度中の写真を希望していますか。その場合、支度はいつ始まりますか。
2. 出席者や家族の写真は式の前後どちらで撮影しますか。家族写真には親族の誰を撮影する予定で、いつまでに集まればいいですか?参加者のパートナーも撮影に加わりますか?
3. 式の前に新郎新婦がお互いの姿を見せあう場合は、まずその撮影をおこないましょう。この感動的な瞬間には時間を十分にとってください。
4. 30分から60分で終わってしまう慌ただしい時間の中で特別な瞬間を逃さず撮影できるように、式の基本的な流れを把握し、準備を整えましょう。
5. 披露宴のスケジュールを確認しましょう。ファーストダンス、花嫁の父親のダンス、ケーキカットなどのイベントはありますか。タイミングを確認して、ブーケトスのときにカメラのバッテリーが切れることなどがないようにしましょう。
6. 食事をとる時間を確保しましょう。食事や水分補給、トイレに行く時間を確保できるように、スケジュールに余裕を持つことが大切です。
ライティング
その日のスケジュールを知ることによって、どのタイプの照明を使用するかを決めることができます。ゴールデンアワー(通常、日の出からの1時間と日没までの1時間に起こる、柔らかく魅力的な自然光)は、結婚式のポートレートに非常に適していますが、多くの場合、結婚式は光の強い日中におこなわれます。
「太陽が真上にあるため、目の下に深い影ができてしまいます」と、結婚式の写真家Anna Goellnerさんは説明します。「私はいつもこの時間帯は木でも建物でも良いので日陰を探します。より均等な照明に役立つものは何でもです。周りに日陰がない場合は、被写体の後ろに太陽が来るようにして、よりソフトに見える工夫をしてください」
ゲストが到着する前に到着して、会場周辺の照明を見て回りましょう。後のストレスを軽減できます。
披露宴が夕方にかかる場合は、フラッシュを使用する必要があるかもしれません。「シャッターをドラッグする」という手法は、背景のディテールを失うことなく薄暗い結婚式のシーンを撮影するのに最適だと、フォトグラファーのキレン マーフィーさんは言います。
カメラのシャッタースピードを遅くし、ISO(光に対するカメラの感度)を上げると、フラッシュで前景の被写体を照らしつつ、背景の光も取り込むことができます。これは、会場のディテールを失うことなく、披露宴でダンスをしているゲストを撮影するのに最適です。試し撮りは必要ですが、フラッシュがなくても、ISOを高くしてシャッタースピードを遅くすれば、薄暗い披露宴会場で良い写真が撮れる場合があるとゲルナーさんは言います。
機材
会場がどこであっても、式が始まると、別のレンズを取りに外に出ることはできません。撮影に備えましょう。フラッシュはもちろんのこと、様々なショットを撮影するために、各種のレンズも必要です。どのようなショットを撮りたいのかを考えて、結婚式用の撮影機材リストを作成しましょう。例えば、プリカニックさんの場合、当日の様々な瞬間を報道写真風に捉えるための万能な50mmレンズと、大勢の出席者を広角ショットで撮影するための16〜35mmレンズ、そして親しい人どうしの様子を離れたところから捉えるための70〜200mmレンズを使用しています。
天候に対する準備も忘れないようにしましょう。晴れた日の南カリフォルニアなら、暑さに適した服装を選ぶ必要がありますし、冬のシカゴなら、防寒対策をして雪にも備える必要があります。撮影時に集中力を欠くことのないように、プロ仕様の快適な服装で撮影に臨むようにしましょう。
セカンドカメラマンの存在も役に立ちます。
「私はカメラ2台を持ち、セカンドカメラマンも2台持ち、そして様々なレンズを準備しました」とRiveraさんは回想します。「離れたところから瞬間を捉えるための長いレンズと、広めのレンズ。必要なものすべてを撮影するのに30分しかない式の場合は特に、2つのレンズをすばやく切り替えることができるようにしたいですね」
大切な日には予想外を想定する
新郎新婦はおそらく雨の場合の計画も立てています。式のカメラマンもやはり撮影リストで予想していない瞬間に備える必要があります。結婚式の進行中、注意深く観察していると、当人たちが気づくことのない、本当にユニークで記憶に残る瞬間を捉えることができます。
「『特別で意味のあるシーンとはどんな瞬間か』ということを考えるようにしています」とPlicanicさんは言います。「写真を見たときに驚いてもらいたいですね。『こんなことがあったなんて知らなかった!どうやってこれが撮れたの』とよく言われます」
誰しも、自分の結婚式で起こることをすべて目撃できるわけではありません。フォトグラファーが鋭い目を持ち、リアルな瞬間を捉えるようにすれば、多くの場合、新郎新婦はそのフォトグラファーが期待以上の仕事をしてくれたと評価してくれます。
「私が画像を送ったとき、リストに載っていなかった瞬間を捉えた写真がたくさんありました」とRiveraさんは言います。「でも花嫁はそれに夢中でした」
どうしたら良い瞬間が撮れるでしょうか。経験がものをいいますが、実際には当日忙しいカップルが間違いなく見逃しそうな物語をその日のうちに見つけ出すことです。
「本当に楽しい会話をして笑っている人々に注目します」とPlicanicさんは言います。「ゲストの視点から見た結婚式を捉えます」
ある程度の混乱状態は受け入れましょう。熱狂的な結婚式のエネルギーが写真に力を注ぐこともあります。
「一日中、すべてが急ピッチで進んでいきます。時には、構図を完璧に整える時間がないこともあります」とウェディングフォトグラファーのナバ ザビさんは言います。「それでも、それらの写真は非常にインパクトがありますし、ルールを完全に守っていないのが逆に良いこともあります」
結婚式の写真撮影にかかる費用と考慮事項
通常、新郎新婦は好みの作風のフォトグラファーに撮影を依頼しますが、それでも、クライアントの希望を事前に整理することは重要です。
「新郎新婦は写真家に仕事を全面的に依頼しています」とPlicanicさんは言います。「ですから、自分が何をどのように撮影するのか、そして新郎新婦はどのように協力できるかを伝えることになります」
それを伝えると、現実的な期待をしてもらうことができます。「新郎新婦が持ってくる参照画像の多くは、1枚の写真の作成に8時間かかった編集用の結婚式写真であるということを理解してもらう必要があります」とRiveraさんは言います。
新郎新婦から、今までに経験したことのない何かを求められるかもしれません。対応できる要求かどうかを判断するには、お金と時間について考慮事項を分析します。これは、プロとして結婚式撮影しようとするすべてのカメラマンが経験すべきプロセスです。
1. 運営コスト: 機材費から税控除まで、ビジネスの運営にかかる費用を把握することで、作業時間に対する料金設定を決めやすくなります。計算には、会計士の費用を含め、保険、ソフトウェア、レンタルサーバー、データストレージの料金も忘れずに含めます。大規模な結婚式を撮影するために、セカンドカメラマンを雇う必要がありますか。考慮しましょう。会場までの往復の移動費も計上するようにしましょう。
2. 納品コスト:写真アルバムや印刷した写真などの物理的な製品を提供する場合は、それらのコストも価格に反映させるようにしましょう。
3. 時間コスト: 結婚式ではどれくらいの時間を費やすことになりますか?事前の相談や準備にかかる時間はどうでしょうか?写真の処理や編集にかかる時間、また最終的な製品やパッケージをクライアントに届けるための時間も忘れずに計上するようにしましょう。
4. 機会コスト: 1年を通じての収入を考える際には、結婚式の写真撮影が季節産業であり、主な依頼は春の終わりから秋の初めにかけて集中するということを忘れずに考慮しましょう。一度に1つの場所にしかいられません(1日に2つの結婚式を撮影することはできません)。結婚式の多くは土曜日に当たるため、週末に予約が入ると、その日に他の仕事を断る必要があります。撮影価格設定をおこなう際には、次のことに留意しましょう。既に予約が入っているために依頼を断らなければならない場合もあります。資金的ニーズを満たすために適切な金額を請求しているかを確認するのは非常に重要なことです。
5. 専門知識コスト: 経験豊富なウェディングフォトグラファーになるには時間がかかりますが、熟練したプロの優れた対応力は、新郎新婦にとって非常にありがたいスキルです。なぜなら、悪天候やスケジュールの変更、厳しい照明条件、対応の難しいゲストなど、当日に不測の事態が生じることも考えられるからです。「なぜこれにこれだけの費用がかかるのか?」という質問の際には、経験豊富なカメラマンは、多忙なイベント中に自信を持ってあらゆる課題を処理する自分の能力について説明できます。自信と経験値が上がるなら、それに応じて撮影料金を調整するようにしましょう。
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これらの価格設定に業界標準はありません。結婚式の規模と種類、地域の費用の違いにより、どこでも通用する価格設定はありません。ウェディングフォトグラファーがこれらのビジネス上の決定事項にどう対処するかは様々ですが、自身の経済的ニーズや、優れた写真を撮るための必要条件を把握することが、決定プロセスの指針となるでしょう。
サービスの内容と価格設定が明確になれば、自信を持ってクライアントと交渉することができます。また、サービスの詳細を自信を持って説明すれば、特別な日を記録するのにふさわしいフォトグラファーとして、クライアントからの信頼を築くことができます。
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