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写真撮影
シルエット写真を撮る
シルエット写真を撮影するには、背景に何もない空間があればいいというわけではありません。適切な撮影プランニングと後処理の両方が求められます。
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シルエット写真とは
シルエットとは、被写体の暗い画像で、背景はそれより明るくなっています。シルエット写真は通常、被写体の横向きの位置になります。最初のシルエットは1850年代にフランスで、肖像画より安い方法として始まりました。このようなシルエットは絵画、スケッチ、紙の切り絵で使用されました。今でもシルエットはありますが、今は重い紙ではなくカメラで写真として作ることがほとんどです。
シルエット写真では、日の入りやスタジオの背景など明るい、コントラストのあるシーンの前に暗い輪郭で表した被写体を配置します。シルエット写真は、この印象的なコントラストを目立たせている点で他の写真とは異なります。写真家は各部分の光の差異を調整する、または、それぞれの物の影がより均一になるよう調整します。しかし、シルエット写真では影をできる限り深く、暗くします。
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部分的シルエット
部分的シルエットでは、被写体の片側には光があたり、反対側は暗くなっています。部分的シルエットは、どこかミステリアスな雰囲気を出し、また、被写体が部分的に暗闇に包まれているような、あるいは暗闇から出てくるような感じを与えます。完全シルエットも部分的シルエットも、良い写真にするには後処理が必要です。特に部分的シルエットでは希望する効果を出すにはさらなる後処理が必要になってきます。
シルエット撮影のセットアップ
素敵なシルエット写真を撮ることは容易ではありません。シルエットは、ほとんどの写真で避けたい物、つまり、写真の中心の真っ暗な部分を捉えようとしています。デジタル一眼レフでは、暗さを捉えるためのカメラの設定はありません。デジタルカメラの初期設定では、すべてのものに均等に露出を合わせ、明るい背景と暗いものを分離しようとします。
「カメラは暗い画像データから影を除去しようとするので、写真家はカメラと悪戦苦闘することになります。自分が意図している写真と、カメラが良いと判断する写真は異なります」と写真家のJeff Carlsonさんは語ります。そのため、シルエット撮影はほとんどの場合、マニュアルモードにします。
簡単にシルエット写真を撮る「技」として、まずカメラを空のように明るい光源に向け、そして素早く被写体の写真を撮ります。「空に向けてカメラをさらけ出すのです」とBuddさんは言います。「被写体の後ろから光が当たるので、被写体は暗くなります」
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シルエット写真の後処理
完全に暗いシルエットと明るい背景の画像を得る最良の方法は、2枚の画像を結合するか、1枚の画像を後処理で修正することです。写真撮影で「ブラケット」と言うのは、同じ被写体の写真をカメラの異なる設定で何枚も撮ることを意味します。シルエット写真では、このブラケット撮影で撮影した、異なる背景と被写体を合成すれば、イメージどおりの明るい背景と暗い被写体の写真を実現することができます。
それでも、適切な露出のシルエットでさえ濁って見えたり、エッジがボケていたりします。「ハイライトが強すぎると画像が台無しになります」とBuddさんは言います。特にシルエットのエッジには、少し手直しが必要です。「私達は、いつもカメラで完璧な写真を撮りたいと思っています。しかし、撮れないからアドビのビジネスが成り立つのですが。特にシルエットの場合はアドビのツールが必要です」とCarlsonさんは言います。画像を組み合わせるか、被写体を黒くすると、より良いシルエットができ上がります。
手直しを加えないとしても、再度チェックすることは重要です。
「シルエットが十分暗くならないことがあります。画面では暗く見えるかもしれませんが、画面が適切に調整されていないと、印象的で素敵なシルエットの人物にはならないかもしれません。ヒストグラムを見ると良いでしょう。黒が本当に黒なのか確認できます」とCarlsonさんは言います。自分の目だけに頼ってはなりません。完全な黒にしたい場合、Adobe Photoshop LightroomかPhotoshopのデータを見て、異なる画面や機器でどのように映っているのか確認します。
シルエットで印象的な画像を作る
シルエットはとても印象的な画像です。シルエット写真は一目を引きます。人物よりもセッティングや背景を強調しながらも人物をその中に入れたい場合の方法としてシルエットが適しています。有名なランドマークに人物を入れた写真を撮る場合、人物をはっきりと写すよりも、シルエットにしたほうが人物のサイズ感を表現でき、見る人もそこに自分がいるような気分になります。
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