プライド写真でオリジナリティをたたえよう

プライドパレード、友達やパートナーなど特別なひと時、写真で LGBTQ+の精神を伝えましょう

エネルギッシュにポーズをとる人を写したプライド写真

撮影:ブロンソン・ファー

プライドを伝え、楽しむ

毎年6月は「プライドの月」として、米国のLGBTQ+の人々が、社会に受け入れられるようになるまでの戦いを記念し、自由を勝ち取ったことを祝福します。プライド写真は、その精神を写真で表現し、熱い感情を伝えます。仕事としてのポートレート、またはプライドイベント、自然な瞬間の写真を紹介します。

 

「プライド写真は視覚的にその歴史を訴えるだけでなく、また人の共感を呼び起こします」と語るのは写真家のブロンソン・ファーさんです。プライド写真は、真実性を認められた喜びを表現し、また、歴史上、社会から除外されてきた人達の、人生や愛にハイライトを当てます。

 

「人間同士が繋がることができるということが大切なのです。そして、社会に明るい未来を与えてくれます」と写真家のロブ・ウッドコックスさんは言います。

 

「プライドの月」の始まり

プライドのルーツは、1960年代に起きたゲイの権利の活動に遡ります。それは平等の権利を求める戦いの頂点となった、1969年、ニューヨーク市で起きた「ストーンウォールの反乱」です。 LGBTQ+の人々の集合場所のようだったグリニッチビレッジの人気バー「ストーンウォール・イン」に警察が踏み込み、ライセンスなしに酒類を販売したとして、スタッフを逮捕しました。この警察の取締行為に対し、社会は激しい抵抗を示し、数百名もの人々がこの警察の扱いに抗議しました。

 

これを受けて、最初のデモンストレーションの行進が1970年6月28日に計画されました。当初、その行進はクリストファーストリート・リベレーションデイ・マーチと呼ばれ、これは、ニューヨーク市のLGBTQ+コミュニティを讃えました。これが行進のはじまりです。そして、同様なイベントが米国各地で起きたのです。ニューヨークでの行進の前日、シカゴのLGBTQ+ の人々は、1週間にわたって開催されたストーンウォールのイベントのクライマックスとして、シカゴで最初の行進が行われました。ロサンゼルスでも、ゲイ・コミュニティの平等を求める一般市民によるデモンストレーションが行われ、サンフランシスコのゴールデンゲートパクでも、「ゲイイン」というイベントが開かれました。

 

このようなイベントは、平等を求めるムーブメントをさらに拍車をかけていきました。ゲイプライドいうネーミングは、このような初期の頃の1日だけの行進が行われていた頃に付けられました。そして数年を経てこの運動は、多様性と個人の自由を讃える1か月に及ぶ国際的な大規模なイベントとなっていきました。

プライドパレードの写真

プライド写真のタイプ

写真は、プライドを色々な方法で表現し、個人の思いを伝えることができます。

 

自己愛

ソロ写真、つまり個人的な1人だけのプライド写真は、写っている人の真の姿とその世界を表します。プライド写真を初めて撮る人は、快適なときに非社会の真の姿を捉えることができる、ということを覚えておきましょう。「自己愛の重要なことは、自分が心地良くいられる状態である、ということです。自分がハッピーだと感じられる状態です。それがファッションでも、ヌードでも何でも、その瞬間を写真で捉えるのです」とウッドコックさんは言います。

 

撮影する前に、被写体になる人ともに、どのようなストーリーを伝えたいか、考えましょう。被写体になる人に、どのような外観や雰囲気にしたいか尋ねて互いに理解を深めます。「プロセスはいつも同じです。被写体を理解し、次にインスピレーションを得るために屋外に出て、計画を立てます。でも、自分が考えている撮影の瞬間も計画しておきます」とファーさんは言います」とファーさんは言います。

さまざまな人々のLGBTQプライド写真のコラージュ

撮影:ブロンソン・ファー

カップル

パートナー同士のロマンチックな写真撮影は、ゲイのカップルの愛を強調します。ソロ撮影と同様に、事前に明瞭なコミュニケーションをとります。また、被写体になる人と写真家との間に、深い信頼と互いの尊敬の念が必要です。「カップルなら2人に確認しておきます。グループなら、写真に関わり合う人達全員に、『何かやりたくないことは?どうしたら気楽な気分になれますか?この写真を撮る目的は?』と聞いてみてください」とウッドコックスさんは言います。

 

被写体の人物と築いた信頼関係は写真に現れます。「時には彼らと飲みに出かけます。そうすると、彼らがお互いにどう振る舞うのかわかってくるのです。そうすれば、彼らも私に対してリラックスできます。撮影の時には、お互いにすっかり打ち解けていますから、より真実に近い姿を捉えることができます」とウッドコックスさんは言います。

 

キャンペーンと編集

プライド写真のスペシャリストになると、映画や特定のクライアントのための撮影をすることもあるでしょう。そのような写真は一般の人の目に触れるため、個人用の写真ほど自由な表現はできないかもしれません。後で問題が起きないように、自身と関係者に関する手順について質問をしておきましょう。このような話し合いは、創造性に溢れる撮影をスムーズに行うためにも重要です。「大切なことは、撮影の目的を確認することです」とウッドコックスさんは語ります。

 

参考になることは全てムードボードに表現し、クライアントにとって、何が良くて何が良くないか明確にしておきます。プライド写真は、ポップカルチャーからグラマー写真、ポートレートまで、さまざまな分野の影響を受けています。アイデアに行き詰まったら、このような分野や、周りの人達からインスピレーションを得ましょう。

ポーズをとる二人の人を写したプライド写真

撮影:ブロンソン・ファー

プライドのイベント

プライドのパレードやイベントは、人物像を捉え、愛し合う人達の親密な時を見つけ、そのありのままの姿になる喜びの時を写真におさめる良い機会を与えてくれます。しかし、計画がないと撮影はできません。イベントを捉えるには、いつでもどこでも良い写真を撮れるという順応性と撮影のための準備が必要です。

 

撮影の前に、どのような外観の写真にしたいかを考え、次に撮影リストを作って手順を決めておきます。実際に現場に行きましたら、良い写真を撮るために躊躇してはなりません。アングルを変え、違う光源を見つける、フレームを変えるなど、できることは何でもしましょう。撮影リストはあくまで参考であって、指示表ではありません。果敢にインスピレーションを得てそれに従います。

 

プライドのイベントでは、周りをよく見回し、迫力があり親密で楽しい瞬間を見逃さずに捉えます。パレードを賑わす出し物を撮ったり、または広角レンズでパレードの群衆を捉えたりするのもよいでしょう。望遠レンズを使って遠くから、人々の邪魔にならないようにして親密な触れ合いの瞬間を捉えましょう。橋かバルコニーがあれば、高い位置から人物の動きを捉えることができます。

 

ストリート写真と同様に、被写体となる人物の許可を撮影する前に得る必要があります。遠くから撮影する場合は、被写体の人物の近くまで行って自己紹介します。これは写真家が守るべき最良方法であると同時に、 LGBTQ+ コミュニティの人々と同じ体験を共有しているという、敬意の念を表すことにもなります。「彼らから大きな好意を受けているのですから、それを返してあげるのは、彼らのコミュニティにとても良い贈り物になります」とファーさんは言います。

プライドの旗を顔にペイントした笑顔の人の写真

プライド写真撮影の最良方法

以下のアドバイスに従って、人目を引くプライド写真を撮りましょう。

 

適切な機器を用意する

撮影のタイプに従って、適切な機器を用意します。ソロ撮影でもカップルの撮影でも、カメラを安定させるために三脚を用意し、彼らの雰囲気に合う道具も準備します。現場に出向く時は、必要な物だけをバッグに入れ、スナップショットなども撮りやすいようにしますただし、レンズはいくつか用意して、広角、ミッドレンジ、クローズアップなどのショットも撮ります。

 

ポーズを決める

写真で親近感を出すには、さまざまなポーズを、被写体の人物にとってもらいます。カメラの前で何をすればよいのか分かっているプロのモデルと違い、ほとんどの人にとって初めての撮影体験なので、ポーズを取るための指示を与えます。「撮影で人々に何かをするように指示すると、彼らの動きはたちまち真実味のある生き生きとした動きになります」とウッドコックさんは言います。

チュチュを着てポーズをとる人を写したプライド写真

撮影:ロブ・ウッドコックス

光を当てる

照明を変えて、違うトーン、ムード、雰囲気を出してみます。プライドのイベントを、日中に撮影すると、眩しいハイコントラストのイメージを捉えることができ、プライドの楽しさや喜びを表現できます。夕暮れ時に撮影すると、より落ち着いた、ムードのある感じになります。

 

創造力を発揮

想像力を発揮して自由に写真を撮りましょう。プライドの撮影は、それ自体が個性の表現です。最初は、満足のいく結果にならなくても実験的なことを恐れず自分の力を試ししてみます。「多くの場合、思う通りに写真は撮れません。でも、それでいいんです」とファーさんは言います。

 

敬意を払う

LGBTQ+コミュニティに敬意を払いましょう。ゲイの人々はよく、まるで「動物園の動物のように感じさせられている」とファーさんは言います。被写体の人物にポジティブな光を当てることで、LGBTQ+ の人々の生々しい体験を伝え、それによって彼らは自分達の体験を自身で振り返ることができます。

 

写真撮影に自信を持つ

イベントでもスタジオでも、撮影が終わったら編集で写真の出来栄えを良くし、創造性を確実に表現しましょう。

草原で背の高い鏡の後ろに座つ人を写したプライド写真
水面から半分顔を出してポーズをとった人のプライド写真

撮影:ブロンソン・ファー

何百枚もの写真を撮った場合、Adobe Photoshop Lightroom中の、AIで起動しているコンテンツタグが、多くの写真の中から、必要なものを見つけ編集する作業をしやすくします。Lightroomのさまざまなプリセット選択すれば、忘れがたい外観の写真を撮ることができます。また、好みのプリセットを微調整して、後から使用、保存することもできます。バッチ編集では、同じ調整を複数の写真に一度に適用させることで時間を節約することができます。

 

良い写真は、写っている人物の人生を垣間見ることのできる窓になり、時にはその人の真の姿さえも見せてくれます。プライド写真は、彼らの戦いのストーリーを伝え、気づかせるだけでなく、見る人の気持ちを高揚し、エネルギーを与え、彼らのコミュニティを世界に紹介します。彼らが自己を表現することを写真という媒体を通じて手助けし、撮影者自らの創造性を表現してみましょう。

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Adobe Lightroom のプリセットで写真を簡単に編集し、クラウドの写真ストーレージ管理を使えば、どこにいても自分の作品にアクセスできます。

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