写真撮影に小道具を取り入れる

多様性は人生のスパイスです。写真撮影においても、小道具を使うことで作品に味わいを加えることができます。写真撮影における小道具とは、新生児写真やその他のタイプのポートレート写真でよく使われる小物のことです。被写体の人物とともに配置することで、スタイリスティックな効果や感情を表す効果を加えることができます。小道具は、被写体の人間性の一面を捉えて個性として表現するために使用されたり、美的な目的で使用されたりします。

例えば、花屋のネットショップ用に新しいポートレートを撮るのであれば、画像の前景に花やその他の植物を配置して、ナチュラルな雰囲気を加えることができます。シェフやパン屋の場合は、得意料理と調理器具を前景に置き、見る人がまるでキッチンにいるような雰囲気にすると良いでしょう。ミュージシャンの場合は、演奏する楽器を前景と中景に置き、その人の特徴を表すような視点から撮影します。

誰が何をしている写真であっても、写真撮影の小道具はストーリーをより効果的に伝えるための助けになります。

写真撮影用の小道具が重要な理由

どのようなタイプの写真でも、撮影用小道具を使うと、写真の中で様々な感情を織り交ぜて人物などを簡単に表現できます。「私は写真に立体感や深みをだすために、小道具を使います」と写真家のJulia Coxさんは言います。

小道具を使うと、顔写真のような最も基本的な写真であっても、その人物を表す特別で個性的な写真に変えることができます。小道具は写真をより興味深く、楽しい作品にするための強い味方です。

写真の背景についても考慮します。最適な背景は、小道具と共に使えば写真の効果を一層高めます。教師に黒板の前に立ってもらうと、教育現場のイメージがよく出ます。バレンタインデーの記念写真を撮るカップルには、鮮やかな赤の背景が合います。

小道具と背景は、写真の視覚的なストーリー性をさらに伝えやすくします。

An aerial view of a photographer talking with a model posing on a prop

撮影:Julia Cox

A model posing by laying their head on a planter of flowers

小道具を活用する

撮影で小道具を使う前に、まず、どのようなタイプの写真を撮るのかを決めておきます。赤ちゃんの写真に使う小道具は、妊娠中の女性のためのパーティ写真や、ウェディング、雑誌用の撮影に使う小道具とはまったく異なりますので、事前に十分に計画して小道具を用意しましょう。どのような小道具が必要か考えて、使う小道具のリストを作ればスムーズな撮影ができます。

必要な小道具を全部揃えるには時間がかかります。「小道具を集めるのはすぐにできる作業ではありません。かと言って、集めすぎて小道具の山ができてしまうかもしれません。何年もかけて小道具のコレクションを作って、何も捨てないでいたら、そうなります」と写真家のStacey Marshさんは言います。

常日頃から変わった物がないか探しましょう。いつかは撮影で使えるかもしれません。予算が限られている場合は、リサイクルショップなどで中古品を買って、それを撮影に使い素敵な写真を撮りましょう。探している小物がどこにも見つからなければ、自分で作ってみるのもよいでしょう。

最初のうちは、すでに周りにある物をうまく活用する方法が良いでしょう。友人や家族から小物を集めてコレクションを作ります。

撮影する写真のタイプによって、小道具の集め方も違ってきます。赤ちゃんの写真の場合、大抵は、バスケット、ブランケット、その他の赤ちゃんに関連する物品が用意されます。ペット写真の場合は、ペットフードやペットが好きなオモチャをスタジオに用意して小道具に使います。また、アンティークチェアにじっと座っていてもらいたい時には、ご褒美に食べ物をあげましょう。

ファッション写真を撮影する場合は、モデルが着る服やビンテージのヘッドバンドなど、モデルの個性を引き立てる小物や装飾品を準備するのがよいでしょう。また、被写体の人物がアートブロガーである場合は、絵の具、筆、イーゼルなど、美術との関連性にハイライトを当てるようなアイテムで、その人物の個性を伝えるとよいでしょう。

A photographer taking a photo of a model standing in front of a recently painted wall while they hold a paintbrush
Two stacked photos: A shot of a photographer using their phone to take a photo of a plant on top of a shot of an assortment of photoshoot props (chairs, plants, ladders)

小道具を有効に使う

撮影用小道具を有効に使うための方法をいくつか紹介します。

スツールを使う

撮影によく使われる小物の1つ、スツールは、単に座るだけにも使えますが、モデルはスツールを使って自由自在に創造力を働かせてポーズをとることができます。普通に座るだけでなく、スツールを色々なやり方で使うようモデルに勧めましょう。例えば、鳥が留まっているようにスツールの上に乗ったり、馬に乗っているようにまたがったり、スツールの上に物を置き、モデルは床に座ったりと色々なポーズをとることができます。

目的を持つ

写真撮影の目的に合わせて、小道具を適切に管理します。使用する物品はすべて、写真に深みやテクスチャを与え、被写体の人物のストーリー性を伝えるものでなければなりません。不必要な物は見る人の注意をそらし、構図を意味のないものにします。

見方を変える

シーンに加えるアイテムの他、レンズの前に小道具を加えることもあります。例えば、フィルター、ガラス、またはプリズムなどは写真に独特の効果を生み出します。

「外で撮影する場合、何かを前景に置いて撮影してみます。何か周囲にある物をカメラの前に置いて、撮影するのです。その物を使って何枚か写し、どのような効果が出るか試しみてください」とCoxさんは言います。

サングラス、クリスタル、カメラのレンズといったアイテムを使い、光によって趣のある効果を出すこともできます。

自然な様子を撮る

撮影小道具を単に綺麗に配置するだけでなく、それを使って様々なことを試してみます。被写体の人物に小道具を使って何かしてもらうと、自然なさりげない行動になり、リアルで魅力的な写真になります。赤ちゃんの誕生祝いのケーキ写真、ゲームを楽しむ家族写真、編み物のブロガーが編み物をしているところなど、写真に独特の個性を生み出します。

A baby sitting next to a cake surround by various props that are sunflower-themed

撮影:Stacey Marsh

「小道具を使う場合、リアルなアイテムを使います」とCoxさんは言います。

直感を信じる

どのような外観の写真にするかは、実際に写真を撮影する写真家のセンス次第です。使う小道具が気に入らなければ、他の物を使ってみます。

「小道具を色々使い、楽しみながら撮りましょう。写真撮影はアートの一種ですから、そこに間違いというものはありません」とCoxさんは言います。

インスピレーションが湧かなかったり、撮りたい写真の種類に最適な小道具がわからない場合は、以下のようなアイデアが役立ちます。

  • 食品の写真: 木のまな板、ワイングラス、白い陶器、ベーキングペーパー、大理石の板
  • 旅行関係の写真: 絵葉書、キャッシュ、地図、衣服、地元の料理、車、オートバイ、観光名所、地元の人々
  • 家族写真: 看板やバナー、昔の写真、花火、風船、オモチャや本、傘、額縁

アドビのアプリで写真を後処理する

小道具を使って満足のいく写真ができたら、アドビのアプリで編集し、さらに魅力的な写真にしましょう。

編集したい写真を数枚選び、 Adobe Lightroomにエクスポートします。次に、色を調整する、影を濃くする、コントラストのハイライトを調整する、などカラーグレーディングのツールで編集します。さらに細かい編集をするには、解像度の高い画像をAdobe Photoshopにエクスポートして、クリエイティブフィルターやぼかしなどのツールを使って写真を完成させます。気にいった写真が見つからなければ、自身の写真コレクションやAdobe Stockの中から写真を選び、色々な要素を組み合わせてコラージュを作ることもできます。後処理から写真の公開に至るまで、小道具は強い味方となります。


コントリビューター

Julia CoxStacey Marsh


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