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夜間撮影のスキルを磨きましょう

コツ:

  • 絞りを開けて自然光を取り入れる
  • 適切な露出で撮影するために、ISO値を高くする(ただし、高くしすぎない)
  • 暗い場所で被写体を撮影する場合はフラッシュや補助光を使う
  • 焦点を保ち、揺れを防ぐために三脚を使う
  • 夜間撮影を単なるアートではなく、冒険として捉える

太陽が沈み、星が出て、街の明かりが灯り始めると、カメラの使い方も変わってきます。


夜の写真撮影では光と動きに対して特別な注意が必要になるため、三脚や専用レンズ、あるいはISOを上げても画質が低下しないカメラが必要になるかもしれません。考慮すべきことは確かに多いですが、その反面、楽しいこともたくさんあります。時には、適度な制約があるときこそ、最も魅力的な画像を自由に発見することができます。暗い中での写真を最高の仕上がりにする、夜景撮影のためのヒントについて見ていきましょう。

夜間撮影用の設定を決める

夜間は少ない光で撮影することになります。星を撮影する場合でも、街の明かりを撮影する場合でも、カメラが被写体を検知するのに十分な光が被写体に当たっているか確認する必要があるでしょう。

Serene picture of a campsite under the stars captured at night
Close up photograph of a crack in the street taken at night

まず、夜間の撮影用に設定します。絞りを開放したり、シャッタースピードを遅くしたり、またISO(デジタルカメラの感度のことで、映像カメラの映像スピードに相当)をいろいろと調整してみます。被写体に当たる光を調整する方法も探してみましょう。具体的には、フラッシュや補助光を使用したり、被写体に街灯の下まで移動してもらったりといったことです。


これらの対処方法にはそれぞれに制約があり、綿密な計画や、ちょっとした運が必要になります(木の枝を光の外に移動させたい場合は、ある程度の長さのロープか、非常に安定した風が必要です)。昼間の撮影用の設定で撮っても、昼間と同じような効果は絶対に得られないので、夜の写真を上手に撮りたいのであれば、設定をいろいろと試すための時間を確保するようにしましょう。


低照度撮影や夜間撮影のベテランであるAnthony Pidgeonさんは、最適なシャッタースピードを見極め、適切なホワイトバランスを見つけるために、まずテストショットから始めることを提案しています。「夜は暗いので、センサーやフィルムに画像が記録されるのに時間がかかります。つまり、写真を撮るためにはシャッタースピードを遅くする必要があります」


「環境光で撮るとどのような結果になるかを示す、基準の露出を確認する必要があります」とPidgeonさんは言います。「次に、ハイライトを白飛びさせることなくどこまで離れられるかを確認します。『クールな赤や緑のネオンサインは、露出オーバーになると白飛びしてしまいます』自分の基準値が決まるまで露出の調整を続けてください」

光を探す

写真家でアートディレクターのAlex Tanさんは、夜の写真撮影が最も作業しやすい環境だと言います。「なぜなら、昼間の撮影とは異なり、光の状態が変化せず、一晩中ほとんど同じだからです。ですから、いろいろ試してみる余地があります。光の移り変わりを心配せずに、心行くまで試行錯誤を続けることができます。昼間の屋外だと、日差しが絶えず変化してしまいます」

「光の移り変わりを心配せずに、心行くまで試行錯誤を続けることができます」

この一貫性があるおかげで、設定を試す時間が確保できるのです。シャッタースピードを遅くしたり、絞りを開く必要がありますが、均一に照らされた背景でテスト撮影をすることができます。


Pidgeonさんは、夜間にストリート写真の撮影をする場合、いくつかの異なる方法で光を探すことを勧めています。Pidgeonさんはこう述べています。「多くの場合、光を使って物の形や大きさがわかるようにしたほうがよいです。例えば、建物の一部には光が当たっているものの、そこから離れるほど光が弱くなり、建物と夜空の境目がわからなくなっている場合がありますが、それだとあまり良い写真は撮れません」


Pidgeonさんはこう考えています。「その建物の角の位置に何か割り込ませて、建物の縁がわかるようにする方法を見つけるのがよいでしょう。それで十分おもしろくなります。時には通り過ぎる車をただ待つだけで、ヘッドライトの光がきらめく瞬間に建物の輪郭をとらえることができるかもしれません。これは心構えを変えるということです。写真の構成について真剣に考える必要があるからです。対処する問題が少ない分、写真に収める被写体を付け加えるのです」

A night photo of someone using their phone
光源を用意して、ライトペインティングをしてみるのもよいでしょう。小さくてかんたんに持ち運べる光源は色々あります。Pidgeonさんは次のように説明しています。「露出時間を5秒にして、懐中電灯の光を何かに当ててみてください。スマホを使用して、『3まで数えたら、建物のこの部分にペイントしよう』といった具合です」デジタル撮影なら、すぐに結果を確認できます。「もしうまくいかなかったら、もう一度試してみるだけです。とても楽しいですよ」とPidgeonさんは述べています。

ピントを維持する

露光時間を長くしたり絞りを開いたりすると、被写体にピントを合わせるのが難しくなります。ぼやけを避ける方法について、Tanさんは次のように述べています。「絞りを開けたりシャッタースピードを遅くしたりする場合は、カメラを通常よりも安定させる必要があるかもしれません。夜間の撮影では、何かと時間がかかるものです」


Tanさんはこう警告します。「夜間撮影ではピント合わせに失敗することが多く、被写体がぼやけてしまいがちです。被写界深度を深くして撮影すると、シャープさが失われやすくなります。被写体がほんの数センチでもカメラから離れると、突然ピントが合わなくなってしまいます」。慎重に撮影設定して、被写体となる人にじっとしていてもらうようお願いすれば、鮮明な画像になります。


風景写真家のSamuel Nuteさんは、夜空の写真(天体写真)に関するヒントを示してくれています。それは、露光時間をかなり長くする必要があり、非常に慎重なピント合わせが必要になるということです。Nuteさんは次のように提案しています。

「何を撮るかに応じて、シャッターを10秒から1分ほど開けておく必要があります。ただし、その間にカメラが少しでも動いてしまったら、写真はブレてしまいます」


「カメラに触れなくていいように、シャッターを遠隔操作できるケーブルを使うことが非常に重要です。また、三脚も同様に重要です。何度も言いますが、カメラを動かさないようにする必要があるからです」


風のある夜だったり、星の軌跡を撮影しようとしている場合は、器材を利用してカメラの揺れを最小限に抑えるよう、Nuteさんは勧めています。「三脚をセットした後、リュックサックを下ろして重石にすれば、風が吹いても三脚は動きません」

準備、忍耐、そして冒険心

夜間写真を撮影する際には、普通に昼間撮影する場合よりも、もう少し念入りに準備をして、カメラの設定もより正確におこなう必要があります。でも努力はきっと報われます。レンズを通して発見する夜の風景にきっと驚くことでしょう。


Pidgeonさんは、夜間撮影に挑戦する人への最後のアドバイスとして、次のように述べています。「冒険するような気持ちで臨みましょう。計画通りに実行することよりも、感動的なシーンや面白いシーンを見つけることに意識を傾けましょう。技術的スキルによって計画通りに進めることもある程度必要ですが、夜景撮影では、無作為に起こる事を上手く利用してください。こうした考え方を持っていれば、きっといい写真が撮れることでしょう」

Brilliant night photograph of the neon lights of a sign
Capturing an image, at night, of the lIghts strung over a picnic table
Quiet street at night

提供元

Anthony Pidgeon、Samuel Nute、Alex Tan


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