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ネガティブスペース写真でドラマチックな雰囲気を演出しましょう

写真を美しく配置することで、ミニマリストな写真スタイルを実現できます。コツ:

  • 邪魔な要素(およびそれを取り除く方法)を特定する
  • 光と影を使って、鮮明かつドラマチックな方法で焦点を強調する
  • 三分割法を適用して、被写体とその周囲の構成を検討する
  • 被写界深度を浅くし、背景をぼかして焦点を際立たせる
  • 感情と意図にもとづいて空白を探求する

ネガティブスペース写真とは

ネガティブスペース写真は、ミニマリスト写真に関連する写真スタイルです。ネガティブスペース写真では、被写体だけでなく、被写体の周りの空間にも焦点が当てられます。そのため、鑑賞者はまず中央の人物に目を向けるかもしれませんが、その人物を囲み、その存在を浮き立たせている大きな空間のことも意識せざるを得なくなります。本質的に、その空間は(どのような形であれ)被写体を浮き立たせ、強調するものとなります。写真家のJimmy Marbleさんはこう表現しています。「モデルやパフォーマーが名詞なら、ネガティブスペースは形容詞です」


「写真という形のミニマリズムです。焦点を当てる部分の他には、ほんの少しの要素があるのみです」写真家のWill Milneさんは言います。その焦点やメインの被写体が「ポジティブスペース」であり、残りのフレーム、例えば何もない空やスタジオの白い空間がネガティブスペースです。


焦点や被写体のあり方に関わらず、その周りの空間は、見逃すことができないほど目立つ存在である必要があります。「空いた空間にも役目を持たせるのです」と写真家のPetecia Le Fawnhawk-Maggioriさんは語ります。大体のルールとして、ネガティブスペースが写真全体の少なくとも50%を占めるようにすると、程よい効果が得られます。例えば風景写真で、遠くに人物が1人だけ写っていることより、スケール感や孤独感が感じられるような写真は、ネガティブスペース写真だと言えます。

ネガティブスペース写真の要素

ネガティブスペース写真は、被写体とそれを取り囲むスペースとの関わり合いが重要です。「私は常に、自分の写真をデザインの観点から思考します。フレームとなるボックスがあるとします。そのボックスをアレンジするのです」とMarbleさんは言います。そのフレーム内では通常、被写体に使われる領域がフレームの半分以下で、残りの大部分はネガティブスペースに使われます。


ネガティブスペースの写真家も三分割法などの写真構図のルールを使用しますが、このスタイルでは、それらのガイドラインに対して独自のアプローチがとられます。「創造力を発揮して三分割を使いましょう。私が最も好むのは、極端な前景と極端な背景の構図です」とMarbleさんは言います。

Looking straight up through a window skylight at a lone cloud in a blue sky

撮影:Will Milne

通常、写真に含まれる要素は非常に少ないため、すべての要素が大きな影響力を持つ必要があります。つまり、各要素を効果的に使う必要があるということです。一つ一つを丁寧に表現する必要があります。「写真に写っているものはとても存在感があります。いたってシンプルで難しい問題はないように思える写真でも、実際には前景と背景を意識し、無駄な要素を特定し、それを取り除く方法についても考える必要があります」とMilneさんは言います。

ネガティブスペースの

ネガティブスペースは、無地の背景であることがよくあります(ただし常にではありません)。例えば、コンクリートの壁や明るい色の紙、または黒いスタジオの背景などです。ただし、それらは一部の例に過ぎません。空白には様々な形のものがあります。


ネガティブスペースは一様である必要はありません。野原には、豊富なテクスチャがありますのでネガティブスペースとして使うことができます。同様に、何かしらの変化のある砂漠の光景や曇り空は1色ではないのにもかかわらずドラマチックで空っぽの空間を表現できます。ネガティブスペース写真とは、広い野原や広大な砂漠、広い空など大きく広がったスペースと被写体との関係を表現します。通常、画像で最も重要となるのはスケール感と被写体に対する余白感であり、ネガティブスペースの具体的な種類ではありません。ただのミニマリスト的な単一色の背景より、多くの意味を持っています。

An overhead photo of a person walking in a curved line and then making a U-turn in the snow with a trail of footprints behind them

撮影:Will Milne

An overhead photo of a person walking in a straight line in the snow with a trail of footprints behind them

光がネガティブスペースに与える影響

「ネガティブスペースは、光と影を使って作り出すことができます」とMarbleさんは言います。光は被写体を際立たせ、ドラマチックに強調する役割を果たします。また、背景に伸びる影は、被写体と空間との関係をさらに強調する働きをします。これは、明るい直接光を使った場合に最も効果を発揮します。

「強い光を当てなければ、被写体の形に注意を向けさせることはなかなかできません」とMilneさんは言います。柔らかい光だと、ややぼんやりとした柔らかい影になります。ネガティブスペース写真では多くの場合、特徴的で明確な存在感を示す必要があるので、柔らかい影は不向きです。

独自のネガティブスペースを作る

「ネガティブスペースを何で構成するかについては、柔軟な発想で考えましょう。色々な種類の空間がネガティブスペースとして使うことができます」カメラの設定によってもネガティブスペースを作ることができます。被写界深度を浅くすることでぼやけた背景を作り出し、メインの焦点を際立たせることもできますし、写真の構図工夫次第で、どのような背景であっても見る人の注意を引くネガティブスペースに変えることができます。ネガティブスペース写真で鍵を握るのはコントラストとスケールです。スキルの高い写真家であれば、ボケやその他の効果を使ってフレームの一部をぼやけたネガティブスペースに変え、別の部分をはっきりと目立つ被写体にして、目的の効果を達成することができます。

空白を活かす写真スタイルは、テーマを問わず使用できます。食品の写真やファッション写真でも、ネガティブスペース写真にすることはできます。人通りの多いニューヨークの街角でのストリートフォト写真や、ビジネス用のポートレート写真、さらには商品写真おいても、この手法は使えます。広い空間内に被写体を配置し、十分な空白を確保して被写体との対比を表現することができれば、誰でもネガティブスペースを使ってすばらしい画像を作り出すことができます。

ネガティブスペースの画像であらゆる感覚を呼び起こす

ネガティブスペース写真の最も重要な点は、見る人にどのような印象を与えるかということです。何もない空間に囲まれた被写体の人物は、周りの雰囲気との関係性を表しています。ほとんどの場合、被写体よりそれを取り囲む空間の方が当然かつ比喩的にもより大きな広がりを持っています。ポジティブスペースとネガティブスペースが、互いに関連しあって魅力的な効果を生み出します。

Person biking in front of a large die-cut circle in front of a building

その効果を理解し、ネガティブスペース写真のスキルを磨くための良い方法は、様々な空間を探索することです。多くの経験と探求を積んで、空間が表す印象的な側面を感じ取れるようになりましょう。そうすれば、特定の印象を捉えるスキルを磨くことができます。「自然の中にあるものを利用します。自分が小さな存在であることを認識します。そして、さらに探求を続けます。空間を敏感に捉えるには、空間を体験することが大切です」とLe Fawnhawk-Maggioriさんは言います。


何もない空間を使う時は意図的におこないます。ネガティブスペース写真は多くの場合、ミニマリスト的な写真になりがちです。すべてが鮮明で洗練されています。それが全体的に効果をもたらします。不必要な要素は編集で除去します。広くて何もないように見える空間も、実際には写真家の意図的な作業の結果であることが少なくありません。例えば、Adobe Photoshopで邪魔な要素を丹念に消している場合もあります。画像の切り抜きやクリーンアップをおこない、細心の注意を払って画像を作成することで、あらゆる鑑賞者の目を焦点に引き付け、空白の中の孤立した人物を魅力的に見せることができるのです。



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