#F5F5F5

フレアを使ってドラマチックな雰囲気を出す方法

スターバーストやハローは、太陽に向かって撮影する場合でも、スタジオで人工照明を使用する場合でも、写真にドラマチックなタッチを加えるのに役立ちます。レンズフレアは、Adobe Photoshopでゼロから作成することもできます。レンズフレア効果をうまく活用する方法と、レンズフレアを写したくない場合にその発生を回避する方法を学びましょう。

レンズフレア効果でクリエイティブな雰囲気を出す

レンズフレアは、明るい光源がカメラのレンズに当たったときに発生します。この光は、写真の中で円、リング、星型、または全体に広がる霞の形で現れることがあります。レンズフレアは、かつてはカメラレンズの欠陥によって起こる残念な現象と考えられていましたが、現在では、驚くべき結果を生み出すために使用できる、意図的なスタイル上の選択肢となっています。

レンズフレアは、バックライトの当たったポートレートに暖かみのある柔らかさを与え、風景写真を鮮明にし、映画のような、または太陽光に覆われているような外観を自然に出します。しかも、レンズフレアは発生する度に異なる外観で現れるので、写真にその時だけのユニークな雰囲気が出ます。

A person posing with a lens flare reflecting on them; a couple embracing each other as a lens flare shines above them
撮影:Stephanie DeFranco

レンズフレアの種類

ゴースト

レンズフレアは、光源から発して写真の中で、円形やいくつかのリングとなって現れます。このような現象は、アーティファクトまたはゴーストと呼ばれます。これを、レンズによって生み出される背景のぼかし効果(ボケ)と混同しないようにしてください。

ベーリング

光によってできた霞が画面全体を覆い、色の褪せた感じのするローコントラストの写真になることがあります。この全面的なもやはベールと呼ばれるもので、光源がフレームから外れたレンズの側面にあり、その光線がレンズの前面の要素に当たっている場合に発生します。ベーリングは意図的に使って、ソフトで暖かなムードを写真に出すことができます。しかし、効果が強すぎると色褪せてしまい、使い物にならなくなってしまいます。

スターバースト

スターバースト効果は、 f/11や f/16など絞りを小さくして撮影した時に起こります。絞りとは、カメラに入ってくる光の量をコントロールし、調整するレンズの開口部のことです。絞りを小さくすると、入ってくる光の量が少なくなり、太陽が小さな星の光のビームのように見えます。

レンズフレアのアナモルフィック現象

映画撮影で使われているアナモルフィックレンズは、歪みを起こさずに横幅の広い範囲を捉えることができます。これは、部分的には、正方形のレンズ形状と水平なレンズ要素によって実現されます。このレンズは、この正方形が特徴ある水平のフレアを起こすことでもよく知られています。映画監督のJ. J. Abramsは、アナモルフィックレンズのフレアをよく使ったことで有名です。将来、彼の映画を見る時に、アクションの中でこの効果がどのように使われているか観察しましょう。

レンズフレア効果を出す方法

レンズフレアを出すには、太陽または別の光源に直接カメラを向けて撮影します。「最も良いのは、色々な角度から撮ってみることです。たとえ色が飛んでしまっても、これでどの角度がいいか悪いかわかります」と写真家のMartha Galvanさんは言います。フレアがどのように現れるかは様々な要因によって異なるため、試行錯誤が必要になる場合があります。関係する要因としては、以下のことが挙げられます。

カメラのレンズと本体

レンズフレアの場合、機材の違いによって現れる効果も異なります。たとえば、Nikon 85mmとCanon 16mm–35mmでは、レンズフレアの出方は異なり、またSony ミラーレスデジタルカメラや、 Leica のフィルムカメラでもその効果は異なります。

最近のレンズには、ほとんどの場合、グレアを防止するための反射防止コーティングが施されています。そのため、古いレンズを使った方がレンズフレアを出しやすいかもしれません。UVフィルター、ポラライザー、ニュートラルデンシティ・フィルターなどもフレアを抑えてしまいます。同様に、多くのレンズには、フレアを防ぐためにレンズフード(レンズシェードとも言います)が付いています。フレアを出したければフードを取らなければなりません。

A photographer setting up a camera on a tripod on top of a desert dune while the sun sets in the background

焦点距離

ズームレンズの場合、フレア効果がより多く出ます。レンズに関わる要素が多く、それがカメラの中で反射を増幅し、フレア効果を作り出します。一方、広角レンズは、焦点距離が短いため光源が小さく見えます。

絞り

絞りは、フレアの現れ方に大きく影響を与えます。絞りを大きく開けると、太陽がより大きく見え、光が拡散されます。すると、フレアが柔らかな形になります。絞りを大きく開けた場合、被写界深度が浅くなることに注意します。被写体にピントが合っていることを確認します。たとえばf/16のような小さなf ストップの場合、レンズは小さな星のように見える太陽を捉えることができます。

A lighthouse next to a grassy hillside with the sun shining through a tree, creating a lens flare
撮影:Aubry Healy

1日の時間帯に注意する

日の出と日の入りの時間は、写真家の間でゴールデンアワーと呼ばれ、太陽は空の低い位置にあります。この時間帯は太陽をカメラに収めることが比較的簡単で、レンズフレアも捉えやすくなります。しかも、光がソフトで自然の拡散光になっています。「ポートレートを撮る時は、いつも日の入りの1時間前に始めます」と、写真家のStephanie DeFrancoさんは、空の低い位置にある太陽を利用する方法について説明します。

スタジオでレンズフレアを発生させる方法

「スタジオの方がレンズフレアを作るのは簡単です。というのは、スタジオだと光とその強さ、色、高さをコントロールできるからです」とGalvanさんは言います。屋外でレンズフレアを捉えようとすると、白トビ、バックライト、被写体のシルエット化などの恐れがあります。しかし、スタジオ内であれば、露出のバランスをとるため、ライトまたはリフレクターで被写体に光を当てることができます。

The Adobe Photoshop lens flare settings pane superimposed over an aerial shot of a rocky canyon
#F5F5F5

Adobe Photoshopでレンズフレアを作る方法

試行錯誤を繰り返すことを避けたいのであれば、以下の簡単な手順に従って、質の高いレンズフレアを後処理で人工的に作ることができます。

#F5F5F5

1. Photoshopで写真を開きます。


2. 新規レイヤーを作成します。編集/塗りつぶしを選び、50%のグレーで塗りつぶします。


3. 描画モードをオーバーレイに設定します。


4. フィルター/描画/逆光に移動します。エミュレートしたいレンズフレアタイプを選択します。


5. レンズフレアを配置し、「OK」をクリックします。


#F5F5F5
この方法を確認するには、Photoshop でレンズフレアを加える、または削除する方法についてのチュートリアルを参照しましょう。
A couple embracing each other while standing on a lakeside dock with a lens flare above them
撮影:Stephanie DeFranco

レンズフレアの見た目を決める

露出の三角形に注意する

レンズフレアを出したい時、その重要なポイントは絞りです。絞りをどれだけ開くか、絞るかで最後の仕上がりに大きな影響をもたらします。ということは、写真に適切な露出を決めるには露出の三角形の他の要素、つまりシャッタースピードとISOとのバランスを取らなければならないということです。写真のノイズを最小限に抑えるためには、ISOをできる限り低くしなければならないので、最も柔軟に対応できる要素はシャッタースピードということになります。

時間をかけて試行錯誤する

ポートレート撮影をしていて、設定を調整する時間がないと感じることもあるかもしれません。しかし、DeFrancoさんは焦っては駄目と言い、「自分が今、何をやっているか、じっくり考えながらやります」。数時間もかけて編集し直したり、使えない写真ばかりがメモリーカードに残ったりすることを防ぐためにも、じっくり考えながら作っていきます。

レンズフレアを最小限に抑える方法

レンズフレアで引き立つ写真もありますが、あまり合わない写真もあります。光が強すぎる場合は、光を拡散することができます。「重要なことは光をコントロールすることです」とGalvanさんは言います。「木があれば、被写体を木の下に動かせば、光を部分的にブロックできます」。ディフューザーまたは自然の障害物で光を制限する場合、思い通りの光が得られる方法を見つけましょう。

他にも光をコントロールする方法が以下の通りいくつかあります:

  • レンズフードを使用する
  • 光を背にして撮影する
  • レンズを常にきれいにしておく。レンズの内側の埃はベーリングを起こし、外側のこすれたような汚れは、好ましくないフレアを生みます
  • 上質なフィルターを使う

ポートレートをソフトで夢のような雰囲気にする時も、風景写真を太陽の光の一筋で生き生きとさせる時も、思い通りのフレアを得るには、試行錯誤を繰り返すことが大切です。新しいことに挑戦し、思い通りの効果がすぐに出なくても落胆しないで続けていきましょう。写真を編集して申し分のない作品にしたいのであれば、 Photoshop Lightroomに写真を取り込んで、最高の出来栄えにしましょう。



https://main--cc--adobecom.hlx.page/cc-shared/fragments/seo-articles/do-more-photoshop-color-blade