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写真撮影
幾何学写真で隠れた形状を発見しましょう
幾何学写真とは私たちを取り巻く幾何学的な形や線、模様に焦点を当てたものです。幾何学の美しさを強調し、シャープで目を引く写真を作り上げるテクニック学びましょう。

幾何学写真とは
幾何学写真は、身の回りにある幾何学的な線、形、パターンに注目した写真です。幾何学的な画像は建築写真によく見られますが、題材としては広い都市景観から自然が生み出す形状までまちまちです。対象が都市であれ自然であれ、幾何学模様の美しさを使って、写真をより興味深い作品に仕上げます。
多くの写真家にとって、幾何学写真を撮る喜びは、すっきりと秩序立った形状を人々に見てもらうことにあります。「私は人生がこうあって欲しい、という願いを写真にしています。人生を幾何学模様にたとえると、楽しいけれど苦しく曲がった部分があるもの。でもそれらを四分割して『ゆとり』という空間ができればよいと常々思っています」と語るのはニューヨーク市在住の写真家、ニコラス ジョージさんです。
混沌としたものの中に整然としたものを見つけるには、観察力が必要です。「自分の周囲をよく観察することを習慣にするんです」と写真家のロブ チャンブリスさんは言います。彼は、サンフランシスコベイエリアに通勤する間によくインスピレーションを得ているようです。「私の仕事はグラフィックデザインです。だから、この写真のスタイルは、私の脳の働きによく合うと思います。物を空間に収めて、一定のやり方で並べていきます」とチャンブリスさんは言います。
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幾何学的な形状はあらゆる場所に存在している
幾何学写真を始めるのに最適な方法は、同じ形が繰り返し続く場所や平行線など、日常の中で幾何学的なパターンを探すことです。「肝心なのは常に注意している、ということです。ほとんど瞑想的とも言える行動です。「私は、多くの人が気に留めないものに注目し、毎日目にするものの中に何か新しくて興味深いものを見つけるようにしています」
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光に気を配る
幾何学写真を外で撮る時に光と天気は大きな役割を果たします。興味深い幾何学的な形状の多くは、影が作り出します。影は1日のうちで大きく変化していきます。真昼ではなく早朝か日の入り直前に、太陽に照らされている建物などを見てみましょう。早朝や夕暮れに近い時間帯では、太陽の光が柔らかく、光の色も違います。日中の強い光や影とは対照的です。両方の方法を試してみて、どのような結果になるのか試してみましょう。
散策を楽しむ
自宅の周辺を歩いて、普段は見逃しているような興味深い線や形を探してみましょう。「まずは、上を見ることをお勧めします。Aの地点からBの地点へ、いつものように歩くのは簡単です。でも、ゆっくり歩いて、新しいアングルから周囲を見て、いつもとは違う歩き方をしてみましょう。
「もう1つのヒントは、どういう種類の写真を撮るかや、何を被写体にするかについて、固まった考えを持たないようにするということです。対象物を探すとき、私だったら物ではなく良い天気を求めます」とジョージさんは言います。
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バランスを考える
どのような写真を撮るにしても、プロの写真家の誰もがそうするように、自分で思い描いた写真の構図が得られるようにしましょう。幾何学写真において、このことは何よりも大切なことです。撮影や編集の時に、画像を構成する要素のバランスを考えましょう。
写真の中に、あまりたくさんの色や対象物を入れて見る人を圧倒しないようにします。多くの場合、幾何学写真はミニマリズムと共通性があり、色や形の数を制限することで、パターンが際立つように構成されています。「私の場合、何も無い空間が写真をより興味深いものにしています」とチャンブリスさんは言います。
「人の目は写真の最も明るい部分に行く、ということを覚えておきましょう。私は構図を考える時、それを念頭に置いています。注意を引きたい場所ではない所に、人の目が行ってしまうのは避けたいのです」とジョージさんは言います。
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三分割法に従う
三分割法を使うと、しっかりとした構図を構成することができ、写真が一層力強い感じになります。構図の手助けとして、ほとんどのモバイルデバイスと高性能カメラには、グリッドディスプレイのあるビューファインダーが付いています。これをオンにすると、水平の線と縦の線が画面に現れます。そして、縦線と横線が交差する部分に、見る人の注意を引きつけたい物が来るようにします。
幾何学写真の編集のヒント
Adobe Photoshop Lightroomの高性能な写真編集ツールを使えば、思い通りの幾何学写真を撮ることができます。
Lightroomの便利な機能:
不要なオブジェクトを削除する: 見る人の注意を妨げる物は、すべてコピースタンプツールで削除できます。
色と影を調整する: コントラストを上げたり、彩度を上げたり、影を暗くしたりすることで、写真をよりドラマチックにすることができます。
線をまっすぐにする: 幾何学写真では真っ直ぐな線とその正確さがすべての鍵を握りますが、カメラとレンズの角度によって線が歪む場合もあります。見せたい形を思い通りに見せるには、パースペクティブの歪みを調整しましょう。
しかし、調整しすぎないように注意します。「ある程度編集したら、そこでやめて、後でもう一度見直してみます」とジョージさんは言います。
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切り抜きが重要
印象的な幾何学写真にするには、よく考えて切り抜きすることが肝心です。切り抜きする時には三分割法を活かし、独自性のある構図を考えます。撮影する時は少し広角に撮ると、後で切り抜きの作業が楽になります。
「切り抜きは被写体そのものより、もっと重要かもしれません。私の場合、切り抜きしていない元の写真が仕上げの作品になることは、滅多にありません。大抵は一部のみを使います」とジョージさんは言います。
高解像度の写真を撮影できる大きなセンサーを搭載したカメラを使うと、画質を落とさずに、かなり切り抜きすることができます。「小さな写真でも大きく拡大でき、ピクセル化することなく画像を操作できるので、可能性が広がります」とジョージさんは言います。
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常に新鮮な幾何学写真を撮る
幾何学写真は、単に建物や森林のアート風な写真ではありません。それは周囲にある物を新鮮な目で見直した写真です。都市の建築物に興味がわかないのであれば、または何か新しい物に挑戦したいのであれば、他の方法で幾何学写真の原理に沿って、クリエイティブな写真を撮ってみましょう。
自宅で幾何学写真を撮る
人を惹きつけるパターンを見つけるのに、外へ出る必要はありません。ユニークなパターンや、幾何学的な被写体は、よく見慣れた光景の中にも存在します。1日の中で、興味がわく光や影が自宅にいても見つかります。「ソファに座っていても、太陽の光の一筋が壁に当たれば、すばらしい幾何学写真を撮ることができます」とジョージさんは語ります。
いつもの被写体を新しい角度から撮ってみる
対象として良さそうな被写体やパターンを見つけても、しっくりこない場合は少し時間をかけていろいろ試してみましょう。被写体に近づいたり遠のいたりして、アングルを変えてみましょう。構図を変えたり、違う時間帯にもう一度撮影したりしてみて、シーンがどのように変わるか試します。
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上空から撮る
視点を変えてより迫力のある写真を撮りたい場合は、航空写真(都市と風景両方の航空写真)で地上の幾何学的模様を撮影します。交差する通り、農地、砂丘、丘など遠くから見ると大変魅力的な形状となります。
幾何学写真を共有する
撮影のスキルを高めるため、Instagram やBehance など、オンラインの写真コミュニティにプロフィールを作り、写真を定期的に投稿しましょう。他の人たちと作品について語りあり、互いに感想を交換しましょう。
この写真のジャンルで、他の写真家に自作を見せるのは、視野を広げることになり、またインスピレーションを得ることもあります。「いつも同じイメージで何度も撮っていると、それが癖になってしまいます。そうならないように、私は違う被写体、違うアングル、違う色などで、いつもとは違うことに挑戦しています」とジョージさんは言います。
幾何学写真の第一歩は、カメラを片手に、時間をかけて周囲をよく観察することです。「私は、時間を忘れるほど周囲の物をじっくり観察することに没頭しています。私がするのはそれだけです。注意しながら観察するのみです」とチャンブリスさんは強調します。