画像の色を変えて創造的な写真に
Adobe Photoshop の色を変更する機能「色相・彩度」を使って、好みの配色の画像に仕上げる方法を学びましょう。
それぞれの色にそれぞれの物語がある
写真を通してストーリーを伝えたいとき、色は重要な役割をします。冷たい色調の青はどこか沈んだ雰囲気を出し、暖かい黄色は太陽に輝くビーチを想起させます。しかし、ものや風景が完璧であったとしても、写真家はそこにある色しか捉えることができません。風景の中に、自身ではコントロールできない色がある、一面が雲に覆われた日のどんよりとした空の色があるだけで、写真の雰囲気は変わってしまうのです。
そんなとき、Adobe Photoshopの写真編集機能を使えば、ビューファインダーから見たあざやかな色を再現する、写真をもっと楽しく、エキサイティングに表現するといった加工を行なうことができます。Photoshopならかんたんに、部分を選択し、色を変更ができるのです。
色相・彩度で写真の色を変えるには
写真家や芸術家は、色を「色相」と「彩度」で語ります。「色相」とは赤、青、緑というような色の違いです。たとえばビーチで撮った写真を投稿するとしましょう。でも、実際は青く見えていたはずの水が、写真ではグリーンが強く見えたとしたら、これは色相が違っているということになります。「彩度」は、色のあざやかさを表します。たとえば、青よりもグレーに見える午後の空、空一面が雲に覆われたどんよりした暗い空の色は、彩度が低い例です。
写真の色を思った通りに変えてくれる“魔法の色変換機”はありません。でも Adobe Photoshop なら、さまざまな方法で画像の色を調整することができます。「色相・彩度」を使うと、画像の色特性をすばやく選んで調整し、思い描いている見た目に近づけることができるでしょう(この調整はカラーグレーディングと呼ばれることもあります)。
色相・彩度調整ツールを使う
写真の編集は、色を変えたい部分にただ新しい色を選ぶような単純な作業ではありません。写真の中の複数の要素に同じような色が含まれている場合、ある特定の色だけを編集するのでは十分ではないからです。そこで「色相・彩度」調整ツールの登場です。このツールを使うと画像の中の特定の色を編集することができるようになります。写真の一部だけ色を調整したい場合には、調整したいところを限定するためにレイヤーマスクを使う必要があります。まずはじめに、以下の手順を実行しましょう。
「色域指定」ダイアログを開く
「選択範囲」メニューにある「色域指定」をクリックします。
目的の色をサンプリングする
「色域指定」ダイアログの右側にある、3つのスポイトツールから中央のスポイトを選びます(隣に「+」マークがあるスポイトツール)。調整したい色をクリックし、目的の色をサンプリングします。そのまま、それぞれ違う色調をクリックしていき、選んだ色の範囲を広げます。
選択範囲を微調整して調整レイヤーを追加
必要に応じて「許容値」のスライダーを調整して、正確な選択範囲にしていきます。色を正確に選択できたら、「OK」をクリックしてメニューを閉じます。これで色の選択ができました。「レイヤー」メニューを開いて「新規調整レイヤー」を選択し、「色相・彩度」をクリックします。
「色相・彩度」の調整レイヤーが追加される
これで選択範囲だけに適用される「色相・彩度」の調整レイヤーが作成されました。
色を変更する
レイヤーマスクが設定された「色相・彩度」の調整レイヤーを選択します。「プロパティ」パネルにある、上から2 つ目のドロップダウンメニューから、編集したい色相を選びます(青、赤、シアンなど)。そして「色相」「彩度」のスライダーを調節して、表現したい色に調整します。ほとんどの画像は豊富な色のスペクトルがあるため、表現したい色を出すには一定の色だけでなく、もっと多くの色を調節する必要があります。たとえば、空の明るい色の部分を調整するときには、青を最初に調整したら、あわせてシアンも調節していきます。
「色相・彩度」の調整によって、写真を表現したい色に変えることができたら、画像を好きなファイル形式で保存してシェアしてみましょう。またはもっと色を強調したり、写真をレタッチして、さらに調整していきましょう。「色相・彩度」のほかにも、写真を編集する方法はたくさんあります。求める色、求める表現にたどりつくための方法を探求しつづけましょう。
編集前
編集後
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Adobe Photoshop で写真にぼかしを入れる方法
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ニュースになりそうな出来事の写真を撮るための基礎を、プロのアドバイスと合わせて学びます。