野鳥写真撮影は機材が重要
どのようなデジタルカメラでも、すばらしい野鳥を撮ることができますが、満足のいく出来栄えを得るには以下に掲げる機材が重要とプロのフォトグラファーは言います。
カメラ
カメラはデジタル一眼レフでも、ミラーレスでも良いですが、シャッタースピードが1/2000秒またはそれより速いスピードが必要です。このスピードであれば、ハチドリの羽の動きでさえ、ブレることなく撮影できます。
同様に重要なのが焦点を合わせる速度です。これはカメラのモーターとレンズが、被写体に焦点を合わせるにかかる時間です。何枚もの写真をすばやく撮れば撮るほど、思いどおりの写真を撮ることができる可能性が高くなります。1秒に撮影できるフレーム数 (FPS) が6枚から9枚のバーストモードのあるカメラで、および撮影が停止するまでのバッファが大きいカメラにとって速度は重要です。
レンズ
望遠レンズは高価で重さもあります。しかし、鮮明なクローズアップ写真を撮るには、長い焦点距離が必要です。カメラとレンズの間に取り付ける補助的なレンズやテレコンバーターを付けることで、焦点距離を長くすることができます。
野生生物と風景写真を専門とする写真家、Joseph Filerさんは、デジタル一眼レフと800mmのレンズを使って鳥を撮影します。写真家のGerrit Vynさんは、野鳥を撮るには望遠レンズと近距離用のレンズの両方が必要だと言います。「18メートル先のタカを撮影するには、500mmのレンズと1.4倍のテレコンバーターが必要です」とVynさんは指摘し、「長さが15センチぐらいのウグイスを撮影するには、4~5メートル離れなければいけません」と言います。
ISO
ISOの設定でカメラのセンサーが取り込める光の量を決定します。鳥が静止している状態を撮影する場合、ISO400ぐらいの低いISOに設定し、シャッタースピードを遅くして、なるべく多くのディテールを捉えられるようにします。動いている鳥の場合、1秒以下のわずかな時間にも光を多く取り入れることができるように、 ISO800かそれ以上に設定すると良いでしょう。「鳥が動くのを待っている時にも、高いISO値と速いシャッタースピードなら、いつでもその瞬間を捉えることができます」とVynさんは言います。
絞り
絞りとは、カメラセンサーに光を取り入れるためのレンズの開口部のことで、Fストップという測定値で表されます(Fストップの数値が低いほど、絞りの開きが大きいということを覚えておきます)。絞り優先モードとは、絞りをマニュアルにする設定(カメラのダイヤルのAまたはAv)で、カメラはそれに合わせて自動的に、最適なシャッタースピードを選びます。カメラが多すぎる光を感知すると、シャッタースピードは速くなります。
三脚
枝に停まっている鳥や、巣に座っている鳥、または水中につかっている鳥を撮影したい時は、三脚を使うとさらに良い写真が撮れます。三脚で安定性を保つと、シャッタースピードを遅くして被写界深度を深くすることができます。「三脚なしで動き回って撮った方が楽しいのですが、静止した鳥を撮影する場合は、三脚を使うのが適切です」とFilerさんは言います。
飛んでいる鳥や、地面の上ですばやく動いている鳥を撮影したい場合は、カメラを安定させることが大切ですが、三脚はかさばりすぎるのが難点です。軽量の200–500mmの望遠レンズを使い、シャッタースピードを速くすれば、三脚がなくても良い写真が撮れます。