水彩画を上手に描くためのテクニック
水彩画の表現方法を知り、次のプロジェクトのインスピレーションを得ましょう。
水彩画入門
水彩の流れるような筆づかいや豊かな質感は、アートの世界でも際立った特徴です。身近な水彩絵の具は、子どもからアーティストまで誰でも使用することができます。用途が広く掃除もかんたんな水彩画はアート初心者向けと思われることもありますが、独特の明るさと豊かな表現力を持つ水彩は、子ども向けの本から肖像画に至るまで幅広く使用されています。
水彩は混ざりやすく、たっぷりの水に溶かして描く技法・ウォッシュは紙の上で重ねて塗る場合に最適です。「水彩ウォッシュのグラデーションにより繊細な表現が生まれます。重ね塗りの境目にできる輪郭は、まるでダンスを踊っているようです」と、画家でイラストレーターのJonathan Caseさんはその魅力を話します。水彩は繊細で大胆な効果を生み出すことができるのです。
ウェットオンウェット
ウェットオンウェット
とはいえ、この効果を使用するのはかんたんではありません。ウェットオンウェット、つまり濡れた水彩紙に水を含んだ筆で描くのは、乾いた表面に乾いた筆で描くのとは明らかに違った状態になるので、この技法をマスターするには根気と練習が必要です。水の流れや動きを制御するにはマスキングテープとマスキング液を使います。水を加えすぎた場合にはキッチンペーパーが役立つでしょう。アナログの水彩画には初心者にも専門家にも、その結果が予測できない場合があります。そこでデジタル水彩画の出番です。
デジタル水彩画を始める
デジタル水彩なら、従来の水彩画の風合いと美しさをより高い精度で実現できます。「デジタル水彩画をぜひ試してみましょう。デジタルならでは醍醐味と美しさがあります」(水彩画家/Benjamin Deweyさん)。Adobe Frescoがあれば、水を一滴も使わずに、アナログの水彩の風合いを再現することができます。
デジタル水彩画のメリット
デジタル水彩画の柔軟性は、プロのアーティストに新たな可能性を提供します。たとえば、従来のようにアナログでクライアント用の水彩画イラストを作成する場合、修正が難しく、できたとしても時間がかかります。「デジタルのメリットは修正がしやすいことです」(Deweyさん)
デジタルで絵を描く前に、カラーパレットを決めておく、つまり使う色を決めておくことが重要です。なぜなら、初心者は色を使いすぎて、作品を飽和状態にしてしまうことがあるからです。また、従来のアナログの水彩画では、色を混ぜすぎたりすることもありました。デジタル水彩ではこうした問題は起こりません。色が濁ってしまったらカラーの調整をするだけです。使う色を決める際には、基本的な色彩理論を理解しておくとスムーズに色を決めることができ、魅力的なカラーテーマ内で作業できるでしょう。
デジタル水彩では自然で芸術的なブラシストロークを作成することも重要です。「デジタルでは、かならずしも思い通りのブラシストロークができるとは限りません。いままで描いていた通りの質感になるように細かい調整を行ないましょう」(Caseさん)
いろいろな絵筆で色の層を重ねて消し、その軌跡を試してみましょう。ほかのアートと同じように、水彩画もデジタル絵画もマスターするには時間がかかり、練習が必要です。自分に合ったアプローチを見つけましょう。
デジタルイラスト向けペイントブラシ
完璧な絵筆を見つける
デジタルペイントにおいてブラシの操作と調整方法を理解しておくことは重要です。同じ水彩画でも、花を描く場合と、風景を描く場合には異なる筆が必要ですが、ブラシをカスタムしたり、専用のブラシを使用することで、表現したものに合ったスタイルをかんたんに実現できます。Kyle T. Websterさんのようなアーティストやイラストレーターは実際の道具に基づいてデジタルブラシを作成し、アナログの絵画の質感を再現しています。
絵画仲間から学ぶ
インターネット上には水彩のヒントやチュートリアル、初心者向けの記事がたくさんあります。ほかのアーティストの取り組みを見ることで、インスピレーションを得ることもあれば、課題の克服に役立つこともあるでしょう。どこから始めたらいいかわからない場合は、Behanceの仲間からのリソースとインスピレーションをチェックしたり、dobeチュートリアルを参考にしてみましょう。
複数の方法を組み合わせる
作品を作るとき、選ぶツールはアナログのみ、またはデジタルのみに限定する必要はありません。アナログの手法で水彩を使って紙にいくつかの筆の軌跡を描き、そこから独自のカスタムブラシを作成することもできます。こうした機能を活用すると、自然な水彩表現にさらに独自の質感を加えることができるでしょう。写真をベースにするのもひとつの選択肢です。このチュートリアルで、写真やイラストに水彩効果を適用する方法を見てみましょう。伝統的な水彩は、デジタルツールと組み合わせることでクリエイティブの可能性が一気に広がります。水彩画のすばらしい力を活用して、新しい作品を作り始めましょう。
伝統的な水彩は常に選択肢の1つですが、デジタルツールを使いこなせるようにすると、創造的なアイデアの可能性が広がります。紙に描く場合でも、画面に描く場合でも、水彩画の素晴らしい力を今すぐ活用して、新しいものを作成し始めましょう。
その他のおすすめ
プロのイラストレーターのアドバイスに従って絵を練習し、スキルを磨きましょう。
新しいキャリアへの足掛かりとなるポートフォリオの作成と作品のプレゼンテーションのヒントを学びます。
多くのアーティストはまず鉛筆デッサンを学びます。この基本技法を活かして作品を美しく仕上げます。