水彩画の題材とモチーフ
シンプルな水彩画のアイデアをいろいろ試し、プロからそのコツを学びます。
水彩画のテクニック
水彩画の最も基本的な要素は色素と水です。水が多ければ多いほど、色は透明度を増し、ブラシのストロークは大まかになります。主な2つのテクニックは、「濡れた面に色を入れる」ことと「乾いた面に色を入れる」ことです。
濡れた面に色を入れるテクニックとは、あらかじめきれいな水で湿らせた紙に、水彩絵の具で色を入れていくことです。このテクニックを使うと、水彩絵の具が薄く柔らかにブレンドされ、日暮れどきの空の色の変化や、曇りの日の優しい色合いの変化を表すことができます。水が多すぎましたら、乾いた筆を使って余分な水分を吸い取ります。筆を強く押すことで、絵の具を吸い取ることができ、微妙な色合いの模様とテクスチャーを出すことができます。
乾いた面に色を入れるテクニックは、既に水で混ぜ合わせた色を乾いた紙に入れていきます。このテクニックでは、線がよりシャープになり、物の形のエッジがはっきりとし、筆のストロークでさらにコントロールできます。絵の具の層を作る場合は薄い色から塗り、乾くのを待って、その上からより暗い色を塗ります。紙に塗った色が濡れている間は、他の色と混ざって色が濁ることがあるので、注意します。
簡単な水彩画のアイデアでスタートする
どんな題材でも絵のスキルを伸ばし、道具をだんだん使いこなすことができるようになります。ですから、自分が一番興味を持っている題材を選ぶと良いでしょう。次の水彩画プロジェクトを描くのに、次のようアイデアはいかかでしょうか。
静物画
水彩画ではほとんどの場合、静物画から始まります。それには理由があります。「静物はそれをセットして、本物を見て、それを描くことができます。学ぶ点として、それが一番重要なところです。」とアーティストのエリック・ウィーガートさんは語ります。花瓶に生けた花や、朝食などもさっと水彩で描いてみます。細かい部分より、形と陰影に注意し、ハイライトの部分は塗らずに、スペースを残すことを覚えておきます。
水彩画で花を描くと特に美しく見えます。絵の具の透明さが花びらの明るさや、葉が太陽の光で輝いているのを、うまく捉えることができるからです。1本のバラから始めてみます。中心から描き始め、濃い色で内側の花びらを塗ります。外側の花びらはより大きな筆使いで水をより多く使って塗りながら崩れた螺旋のような形で描いていきます。葉を塗る時は、正確に描くことはあまり考えないようにします。思いきった筆使いで、流れているように描いて葉を自然な形にします。
簡単な風景画
森、野原、山などの美しい題材は水彩画に最適です。花の咲いている野原や、青空を背景にした山を描く時は、薄い青で空から描き始めます。地面を描く前に空を乾かします。遠くに見える山を描く場合は、それぞれの色の層を乾かしてから次の色を加え、だんだん近くの物を描いていきます。冬景色を描いている場合は、雪を表すために白の絵の具のサイズと空中で舞っている量も変えて、散りばめてみます。絵の具を散りばめれば、星を描くこともできます。一般的に、筆使いは大胆にしていきましょう。「突進するような勢いで描くと良いです」とウィーガートさんは言います。「水彩は、多くの修正が必要な絵には向いていません」
家、農家の納屋などの建物を描いて、水彩画のテクニックを練習します。「私の場合、形を表しやすい、大きな形とパターンの題材からスタートします」とウィーガートさんはアドバイスします。「ほとんどの建物はただの大きな立方体です。三次元の立方体がどのように立体として出来ているかを理解すれば、家の絵は既に半分描けたようなものです」家の壁や屋根の繊細な色の違い、また、影が窓、ドア、軒に出ている様子などに注意を払います。
都市の風景
デジタル水彩画を描く時でタブレットを使用すれば、近隣の風景を簡単に描くことができます。アーティストのジョゼフィーナ・フェルナンデスさんは、外に出て行って、10分で街の風景を捉えることを勧めています。「その短い時間に自分が描くのは、一番重要なディテールなのです」
水彩絵の具の使い方に慣れてきましたら、海や湖の風景を描いてみます。他の風景画と同様に、海の風景もその場に行って、見えるままの風景を水彩画用紙に描いていきます。室内で描く場合は、外で見た風景を思い出せるような参考写真を見ながら描きます。しかし、写真の風景は描かないでください。「自然の法則は、構図を考えて撮影した写真とは全然違います。野原に降り注ぐ光はそれぞれ全然違うんです」とウィーガートさんは言います。
水彩画を成功させるコツ
色を混ぜるときは混ぜすぎないようにします。色素が多すぎると、絵の具の透明性が失われます。暗い色が暗すぎないよう、特に注意します。「色の明るさに注意してください。明るさと暗さの関係です。色の変化よりも注意してください」とウィーガートさんは言います。
デジタルで描いている場合は、素材についてはそれほど心配する必要はありません。デジタルの場合は、気に入らない線を消すことができるので、早く作業ができます。実際の絵の具と紙を使う場合、濡れた表面に色を入れるテクニックの場合は別ですが、1色が乾くまで待って次の色を加えなければなりません。「実際の絵の具を使う場合は、十分に待たないと色が混ざり合い濁ってしまいます」とフェルナンデスさんは言います。「しかし、デジタル場合は、新しいレイヤーを作れば、色と色が混ざらないようにできます」
イェラナ・ジェームズさんの作品
Adobe Frescoで描いた絵
自分のためのスケッチをデジタルで描く、旅行先からの絵葉書やしおり、ギフトに絵を描くなど、Adobe Frescoを使用すれば、どこにいても、それができます。本物のブラシのように色を混ぜ、絵を華やかにしてくれる豊富な種類のライブブラシから選べます。本物のような水彩画を描く方法を学び、ステップを踏んだチュートリアルに従って、クラゲが泳ぐ海底シーンを描いてみます。
どこへ行くにも水彩絵の具をいつも持って、見る目と画力を向上させましょう。筆さばきを大胆に運びましょう。ボブ・ロスさんの言った言葉を思い出してください。「間違って描くことはありません。間違いはちょっとした偶然の出来事にすぎません」
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