水墨画風アートの描きかた
水墨画は、繊細さと大胆さの両方を表現できる古典的なアートスタイルです。この技法をデジタルツールでどのように描いていくか、その方法を探ります。
クロスハッチングに挑戦
水墨画やインクアートでハッチングとクロスハッチングを試してみましょう。平行線または平行線をクロスさせたものを重ねて影を表現し、線の太さと密度を増やして絵に影をつけていきます。このような効果は、Adobe Photoshopのフィルターとブラシ 、またはAdobe Illustratorで形を整えることで可能になります。
点描で腕試し
点描は、小さな点、波線、またはマークを使用して陰影を構築する効果的な手法ですが、プリセットの散布ブラシを使用すればにかんたんに適用できます。独自のカスタム点描ブラシを作成する場合は、このカスタム散布ブラシ作成ガイドが参考になります。
水彩技法を試してみる
水彩技法は、広い領域にグラデーション状の陰影を作成するのに非常に効果的で、墨を水で薄く溶いたものを使います。さまざまなデジタルブラシを使用して 、水彩技法の特徴を持つ、微妙な変化のある穏やかさを表現する、または印象的な強いコントラストのあるブラシで描くなど、デジタルアートにこれらの技法を取り入れてみましょう。
水墨画をはじめとするインクアートの特徴
鉛筆は消しゴムで消すことができます。水彩画なら描き直すことができます。しかし、墨は紙に描かれると永久に残ります。乾いてしまうとなおさらです。しかし、デジタルツールなら、たとえ墨であっても元に戻すことが可能です。デジタルペンとデジタルインクの時代が到来したことで、アーティストはクリエーションの限界をさらに広げることができるようになりました。
画材とツールの選択
デジタル水墨画の世界に入る前に、水墨画の道具を理解することが重要です。「墨を使って筆で描くことは、ボールペンを使用することとは大きく異なります。しかしどちらもインクで描くことには変わりません。墨は非常に幅広く使える画材なので、試さない手はありません」(アーティスト/Jon MacNairさん)。デジタルツールなら、ソフトさえあれば、インクペン、マーカー、ブラシなど、さまざまな道具と画風を自由に選択できるのです。
従来のアナログの画材はいまやデジタルの世界でも使えるようになりました。Kyle T. Websterさんのようなアーティストのカスタムブラシを使用すると、水墨画のタッチを自然に作成し、調整することができます。こうしたデジタルブラシを使用すると、細部を完璧にし、グラデーションとコントラストの広い領域をかんたんに扱うことができます。Adobe Frescoなら、自然なペンの線をベクターブラシとブレンドすることもできます。描き間違ったときはすぐに元に戻せるので、焦って描いてしまったひとつの線のせいで作品が失敗作になることはありません。
水墨画やインクアートのテクニックを探求する
「ペンの扱いかたが上達する最速の方法は、ミスにとらわれないこと、そしてすべての線を完璧にしようと思わないことです」(アーティスト/Violet Reedさん)。水墨画は練習こそが最良の近道です。特にデジタル描画ツールの使いかたを習得する段階では、最初に描いたものにこだわりすぎないないようにしましょう。デジタルなら、あとでいつでも調整できます。水墨画の古典的な作風である、強くて暗いアウトラインを練習しましょう。影の表現も水墨画の表現では大切なポイントです。
思い切って飛び散らせてみる
紙に墨やインクで描くと、自然と飛び散ったりするものです。まずはそうしたことを意識せずに描いてから、デジタルのブラシに変換します。紙の上の飛び散りや染みは予測できませんが、デジタルなら有機的な線と白黒のコントラストが、ブラシとして思い通りに作成でき、伝統的な技法を生かした作品を作ることができるでしょう。
実際のインクアートを見る
Behanceのアーティストの作品は、ペンとインクの描画の世界への入りかたを教えてくれます。
- ほかのアーティストがAdobe Frescoで作成したたくさんのすばらしい作品
- 点描が入った 美しい輪郭線の作品
- 有機的な形と明確なコントラストを実現した作品
- ペンとインクを使った レタリング作品
- 有機的な 筆とペンの筆跡を探索できる書道作品
「間違えてもいいことがわかり、苦手意識が消えると、インクで描くのが急に、とても楽しくなります。そして間違いと思ったものが最終的にとてもよく見えるということにも気づくことでしょう」(イラストレーター・インクアーティスト/Jung Hu Leeさん)
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