顔の描きかた、頭部の描きかた
肖像画を描くときも、漫画を描くときも、顔の各部をどのようにスケッチすべきかを理解することが重要です。このチュートリアルで描きかたのステップで学びましょう。
まず顔のバランスを理解する
どんなアーティストも、多かれ少なかれ人体のスケッチには苦労します。特に頭や顔は、まつ毛や頬骨などすべての要素が難しいと感じるかもしれません。パーツの各部には重要なディテールがたくさん詰まっているからです。なかでも一番重要なのは、頭の基本的なバランスを理解することです。これが理解できると、鼻先や耳のトップといったディテールを描き入れるときの配分がわかるようになります。
幸いなことに、そのバランスを学ぶのはそれほど難しいことではありません。まず、顔の細かい部分は省いて、必要な部分だけにポイントを絞りましょう。基本的なところがわかったら、それを使ってスケッチブックいっぱいに練習をすれば、そのスキルはすばらしい肖像画を描くときに使うことができるでしょう。
顔の重要なパーツを把握する
人間の顔をよく観察すると、顔は 3 つのパーツに分かれていることがわかります。1つめは額の髪の生え際から眉毛まで、2つめは眉毛から鼻の一番下(鼻の下のくぼみの一番上)まで、3つめは鼻の一番下から顎の一番下までです。自分の顔を観察すると、実際にそのようになっていることに驚くでしょう。顔を 3 つのパーツに分けるのは、顔のスケッチの重要な第一歩です。
髪の生え際は頭の一番上ではありません。頭蓋骨の一番上は髪の生え際より高い位置にあります。横から見ると耳は、額の正面から後頭部への距離の半分の位置から始まります。よくある間違いは、耳の位置を前にし過ぎてしまうことです。頭を横からみてください。耳が半分の位置から始まって、さらに後ろへ伸びていることがわかります。
顔の描きかたのステップ
ドローイングのチュートリアルを使って、顔の描きかたをマスターしましょう。この練習を積み重ねていけば、顔のドローイングを完成させることだけでなく、あとから描いた顔を修正することもラクになります。
1. まず、単純な円か楕円を描きます。これが頭です。縦線を円の一番下まで描いて、二等分します。
2. 円を水平に二等分します。この線が大まかな眉の位置になります。
3. 円の一番上から少し下がった位置に水平の線を描きます。これが髪の生え際になります。髪の生え際から眉の位置までの距離を、下にあと 2 つぶん取ります。これで顔の 3 つのパーツが取れました。次に円の左端と右端に、上から下に向けて縦の線を引きます。そのとき、上から下に向かって少し内側に入るよう、斜めに角度をつけます(画像のピンクの線)。これが頭の側面になります。
4. 次のイラストに示されているようにピンクの線を描きましょう。眉の線を通って、上から下に、中央に向かう短い斜めの線。小さな逆三角形を描きます。これが下側の面を表します。つまり鼻の下側です。
5. 眉と鼻の下側の部分から 4 分の 1 の位置に水平の線を引きます。この線は眉のすぐ下になります。これが目の位置です。斜めに短い線を 2 本引きます。頭の左右の端に近い部分にあるピンクの線です。この線は上から下に向かって外に広がります。これが目のくぼみの外側の端です。つまり、眼窩と呼ばれる頭蓋骨に眼球が収まっている穴です。この斜めの 2 本の線を、眉の線と目の線の間に描きます。この線は、頭の左右の端の内側で止めます。
6. 目のラインの延長線上で、いま引いた斜めの線と顔の中心を走る縦の線との間の距離に注目しましょう。イラストのグリーンの線です。顔の両側のこの距離を二等分します。イラストのブルーの線です。口の位置の線は、鼻の下から顎の下までの 3 分の 1 の距離に引きます。
7. これで口の位置と、目の瞳の中心を正確に表すことができました。イラスト中央には2つの円が描かれています。これは瞳を描くための適当な大きさを表しています。耳はおおよそ、目の一番上と鼻の一番下の間に位置します。
8. 口のラインを描きその空間に、上唇の小さなカーブ、そして下唇と顎の上部の小さなくぼみを描きます。ここで示すように、線を加えて鼻を描きます。この線は鼻の左右の端を示したもので鼻の稜線の幅ではありません。完成した顔の例を見てわかるように、鼻の稜線は個人によってそれぞれ特徴があるため、ここではそれを描く必要はありません。
9. 目の上まぶたの線を描きます。この線は瞳を表す円の上端を切るように描きます。この線は幅が狭すぎても広すぎてもいけません。イラストをよく見て、線の位置とバランスに注意しましょう。
10.顔のドローイングのバランスを示す 3 つの基本形ができました。自分で描く、またはこの画像をコピーしてガイドラインとして使い、Adobe Fresco でいろいろな顔を描いてみましょう。ヘアスタイルや顔の特徴を変えていくだけで、さまざまなバリエーションを作ることができます。
この顔を基本にして、目、鼻、唇の形、顎のライン、眉の幅や角度を変えれば、さまざまな特徴の顔を描くことができます。この手順を違うかたちの頭に使えば、写実的な顔や漫画的に誇張した顔を描くことも可能です。以前描いた顔を修正するときにも使えます。さらにスキルアップしたい場合は Behanceのライブドローイングレッスン を見てみるとよいでしょう。
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