ファッションデザイン画の描き方
内側のファッションデザイナーの才能を呼び起こし、ガイドのステップに従って、デザインアイデアに命を吹き込みましょう。
既製品からオートクチュールまで
ファッションの世界では、全体を素早くスケッチするクロッキーが使用されます。このような表現豊かなファッション画は、アーティストのデザインに命を吹き込みます。「お針子さん、パタンナー、布提供業者、営業マン、どんな人と働く場合にも、クロッキーを見せれば誰でもどんなコレクションになるのかわかります。」とファッションデザイナーでクリエイティブディレクターのリン・ドハティさんは言います。布を裁断して縫い始める前に、アイデアを固めてクロッキーを描いてみましょう。
「クロッキーに描く人間は、本物より背が高くて正しいプロポーションではありません。」とデザイナーのソーダミニ・マドラさんは言います。ファッションモデルの絵は、手足、首が誇張して長く描かれています。通常、人間の体は7頭身ですが、クロッキーでは8頭身から11頭身ぐらいに描きます。こうすると、衣服がどのように動き、人の体の上で服がどのように見えるかよく示せるからです。さらに、クロッキーに描かれた人体の顔には特徴がありません。それは服に焦点を当てているからです。
クロッキーのテンプレートを使うのは、描き方を学ぶ上で役に立ちますが、違う体型やポーズもためらわずに描いてみてください。そこから、自分自身のクロッキースタイルができていきます。
何が流行しているか学ぶ
他のファッションデザイナーの服を見てインスピレーションを得るように、スケッチを始める前に他の人のクロッキーもみてください。他のアーティストがどのように布地と陰影を使って、デザインの動きと深みを出しているか探求してください。そしてどんなポーズが自然に見えるでしょうか。他の人の絵に出てくるポーズをコピーするとともに、写真も参考にしてください。雑誌やファッションブログには、プロのモデルが独特なポーズをとっている写真がたくさんあります。スケッチをすると同時にリサーチをして、写真は後で見ることができるように保存しましょう。
ジョゼフィーナ・フェルナンデスさんの作品
絵を描く面を準備する
Adobe Frescoのようなデジタルツールを使えば、これまでになくファッション画が簡単に描けます。複数のレイヤー使い、1つはクロッキー用に、あとは服のデザイン用に使います。こうすることで、人体デッサンやデザインを消すことなく各レイヤーを編集でき、普通のファンションスケッチブックより、もっと合理的な手順となります。
「もし自分自身のスタイルがあるなら、デジタルでそのように描けるブラシを選ぶことができます。」とファッションデザイナーのジョゼフィーナ・フェルナンデスさんは言います。例えば水彩画効果とチャーコールブラシを使うと、トレーシングペーパーや面倒なツールを使うことなく、実際に描いたような効果が得られます。しかも、参考写真をキャンバスにインポートして、それを見ながら描くこともできます。
人体デッサンをスケッチする
1.まずまっすぐな線から始めましょう
描こうとする人間の頭から爪先までの長さを表すために、まっすぐな縦の線を引きましょう。
2.その線をいくつかのセクションに分けます
線をセクションに分けるために、均等にマークを付けます。最初のセクションは頭の長さなので、他のセクションも「頭」と考えます。クロッキーを描くのが初めてなら、人の背の高さを10頭身にしましょう。これなら割り切れる数字なので、ここからさらに小さなセクションに分割しやすいのです。
3.人体のプロポーションを決める
胴体、腕、足の長さを決めましょう。「1番上のセクションは頭です。次は首。胴体はセクション2つか3つ分の長さです。骨盤はセクション1つ分です。その他は脚と足先の部分です。」とマドラさんは言います。これで、このクロッキーのモデルが背の高いエレガントな人になりました。
4.肩と腰のラインを描く
肩、胸、ウェスト、腰を表す水平のラインを描きましょう。可愛いポーズにしたいなら、肩の線と胸の線を1つのアングルにし、首と頭は違うアングルにしましょう。ここで参考とする絵を見て、ダイナミックなポーズを色々試してみてください。
5.全てを描きこむ
アングルが決まったら、モデルの体全体をスケッチしていきましょう腰とウェストに曲線を加え、脚と腕に肉付けしていきましょう。手は骨盤と腿の半分の位置との間に置きます。手に指を描き、肘と膝は曲線を描きましょう。
ジョゼフィーナ・フェルナンデスさんの作品
6.自分のファッションデザインを描く
1つのレイヤーに体のラフなスケッチを書いたら、その上にデザインを描くためのレイヤーを加えましょう。こうすれば人体の絵を保存して、再度使うことができます。Fresco の色々なブラシを試して、独自のテクスチャーを描いたりテキスタイルを模倣したり、服に色を付けたりしてみましょう。「もしシフォンのブラウスを描いているなら、そのドレープと薄さを表現したいでしょう。そういう時にディテールを描くのです。」とドハティさんは説明します。自分でデザインした、アンサンブルの流れるようなラインをゆっくりとスケッチしましょう。クロッキーとはファッションのためにあるのですから。
7.顔を描く
クロッキーで、どれだけ顔を詳しく描くかは自分次第です。「私は顔をなるべく簡単にします。大きなまつ毛と突き出した唇を描いて、鼻は2つの点だけです。」とフェルナンデスさんは言います。アーティスの中には顔を空白にしておく人もいれば、まるで立体的な肖像画のようにしっかりと顔を描く人もいます。簡単にスタートするなら、まず目だけを描きましょう。これなら服から注意をそらすことなく、自然な人体の感じを出せます。
8.さらにディテールを加える
次に髪とアクセサリーを加えます。髪を使って、モデルがとっているポーズにアクセントを付けましょう。軽いラインで肩に髪を垂らしたり、頭に高く結い上げたりするのも良いでしょう。アクセサリーはデザイン全体の一部とし、デザイン以上に注意をひかないように心がけましょう。
9.色と影
全てをスケッチしましたら、次は色をつけましょう(まだ、つけていない場合)。スポイトツールを使って、参考写真の肌の色とマッチさせましょう。髪、服、背景に色をつけます。複数の別のレイヤーと、色々なブラシテクスチャーを使ってください。服のデザインが目立つように、意識して色づけを試してみてください。
ジョゼフィーナ・フェルナンデスさんの作品
自分自身のスタイルを作る
服をデザインする時に自分のスタイルを表現するように、クロッキーでも自分のスタイルで表すことができます。「見え方は時が経つにつれ変化します。常にスキルを磨いて行けば、物事も次第に理解できていきます。」とフェルナンデスさんは言います。もしかしたら8頭身で、自然な体つきのタイプのクロッキーが好みになるかもしれません。もしかしたら、デザインしているパンツをより素敵に見せるために、すごく足の長いモデルを描きたいかもしれません。描けば描くほど、自分にとってベストのスタイルが見つかるでしょう。
寄稿
リン・ドハティ、ソーダミニ・マドラ、ジョゼフィーナ・フェルナンデス
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