DNGとRAW

DNGは編集が簡単

RAWファイルの編集は容易ではありません。サイドカーを使うか、他の形式に変換してから編集する必要があります。サイドカーとは、すべての編集、変更、設定を含む独立したXMPファイルです。基本的に、このファイルでは別のファイルが作成されるため、元のRAWファイルはそのままの状態で、一切変更されません。サイドカーは小さいファイルですが、RAWファイルは実質的に2つのファイルがセットで保存されます。

DNGの場合、編集と変更は直接ファイルに書き込まれます。そのため保存するファイル数は減りますが、削除した情報を後で復元することはできません。

品質とファイルサイズ

DNGファイルは、通常RAWファイルよりも15～20％サイズが小さくなりますが、品質の差はほとんどありません。DNGはファイル内に元のRAWファイルを保存することもできます。これによりサイズは倍になりますが、安全策にもなります。

また、DNGファイルはサイズを小さくして保存と編集がしやすくなるように、一部の情報を取り除いています。JPEGプレビュー、GPS情報、メタデータ、特定のカメラ機種の焦点、ライティング、ピクチャーコントロールなどの情報です。

メモリとアーカイブ

DNGファイルは圧縮できるため、RAWファイルよりもはるかにサイズが小さくなり、保存とアーカイブに最適です。米国議会図書館の収蔵にもDNGファイルが使用されています。DNGには破損の有無をセルフチェックする機能があることもアーカイブに向いています。

互換性

RAWファイルはサードパーティ製のソフトウェアでは編集できません。さらにやっかいなことに、RAWファイルには様々な種類があります。カメラメーカーによって異なるだけでなく、センサーモデルによっても異なる場合があります。キヤノンのRAWファイルとニコンのRAWファイルは同じではありません。最新のハイエンドのカメラでは、これがさらに問題になります。ソフトウェアが各モデルに対応できるようになるまでに時間がかかることもあるからです。

DNGファイルは、広範な種類のRAWファイルに対応しています。DNGは、オープンソースで互換性の高い単一の形式のため、いつでも写真ファイルを開くことができます。カメラメーカーがネイティブのRAWファイル形式に対応しなくなったとしても問題ありません。ただし、カメラメーカーが自社の写真用に制作しているソフトウェアでは、DNGファイルが動作しない場合もあります。

編集機能

RAWファイルを編集する最も簡単な方法は、DNGに変換することです。使用するコンピューター、ソフトウェア、写真の数にもよりますが、変換には数時間から数日かかることもあります。ただし、DNGファイルにすれば、いつでも開いて編集できます。

DNGファイルは、PhotoshopやLightroomなどアドビのプログラムとの相性が優れています。編集する写真数が多い場合は、ファイルに組み込まれたショートカット機能や合理的なプロセスを利用できるDNGが便利です。

他の写真編集者との共同作業

RAWサイドカーは複雑なファイルだと思われがちですが、他の写真編集者と共同作業する場合に最適なソリューションです。オリジナルのRAWファイルを持っていれば、そのサイドカーを送受信することで同じ画像で作業できます。

DNGファイルを共同作業で使用する場合は、ファイル全体を共有してそれが最新版であることを確認する必要があります。しかし時間の経過と共に、特にファイル数が多い場合は最新版の統一が難しくなります。