魅力的なシグネチャーロゴの作成
手書きの署名や署名風のフォントを使用してデザインしたロゴや、シンプルなモノグラムの署名を基にしたロゴは、ブランドのロゴに最適です。
シグネチャーロゴとは?
シグネチャーロゴは、ブランド名を基に筆記体、またはカリグラフィーのスタイルでデザインした会社のロゴです。このタイプのロゴデザインは、人名が会社名になっているブランドやソフトタッチで親しみのある外観を出したいブランドに適しています。
「シグネチャーロゴは、ライフスタイルロゴや写真関係によく使われます。女性的なタッチを表現するマーケティングのブランドに、そうした傾向が見られます」(サラ・ジフロー)
シグネチャーロゴの注意点
「このスタイルを使う時には注意しましょう。よりビジネスライクな会社や大規模な企業は、別のスタイルを好むかもしれません。例えば、筆記体のロゴはファッション系のブランドには向いていますが、投資会社には不向きです。写真家は独立してビジネスをしていますから、このスタイルが合っています。人々のモチベーションを起こさせることがテーマの講演者は、自分自身が売り物ですから、シグネチャーロゴがブランド作りに役立つでしょう」(アシュリー・リッパード)
シグネチャーロゴを作成するにあたり、既成のフォントやオンラインロゴ、ロゴテンプレートを使うことはおすすめできません。
「シグネチャー(署名)なので、本物のサインのように見せましょう。サインをスキャンしてトレースするのです。手書きスタイルのロゴなら、自分で描いてみるか、誰か美しい手書きのレタリングができる人に頼んで書いてもらい、それをスキャンします」(アシュリー・リッパード)
シグネチャーロゴは、多くの業界で一般的に見られます。オリジナリティのあるロゴを作成して、ロゴを目立たせましょう。
「シグネチャーロゴを意外な方法で使用して、見る人の記憶に残るようにしましょう。ほとんどのシグネチャーロゴはサインそのままを使用しますが、他の要素を少し取り入れてもいいでしょう。ページからはみ出るようにしたり、カットしたりしてもいいです。何か輝きを持たせる方法を見つけましょう」(アシュリー・リッパード)
ロゴに言葉を1つか2つ加えて企業の特徴を表す、または、企業のキャッチフレーズを入れたバージョンを作っても良いでしょう。このとき、あまり加工しすぎないように注意します。
「筆記体のサインだけでも、かなり複雑に見えたりします。そのため、あまり他の要素を入れすぎないように注意します。シンプルな形や要素の方が、サインを綺麗に装飾し、要素間の競合がありません」(サラ・ジフロー)
サイズを自由に変更できるバージョンを作る
シグネチャーロゴを使ったデザインは、あらゆるサイズではっきりと読めるものでなければなりません。
「大きなサイズの時には素晴らしいロゴに見えても、小さなサイズにするとよく見えなくなることがあります。そのため、ロゴを使用する環境がどのようなものであっても、確実にはっきりと読めるようにします」(サラ・ジフロー)
あらゆるサイズに対応できるようにするには、文字を太くするとよいでしょう。サインは細い字で書かれていることがよくあります。いくつか違うバージョンを複数作る必要があるかもしれません。グラフィックデザイナーは、さまざまな方法で複数の異なるロゴをデザインする、または、より小さいサイズでロゴを使用するために、シンプルなロゴをデザインすることがあります。多くの場合、次の3つのバリエーションが必要となります。
- Webサイトのヘッダー、レターヘッド、透かし、その他のバナーなどで使用するロゴ
- 名刺のような四角形のスペースに使用される型押しのロゴ
- Instagramのアイコンや、その他の小さなスペース用の小さなロゴ
Adobe Illustratorを使用して作成
何千ものフォントやトレーシング機能など、Adobe Illustrator には、魅力的な高解像度のシグネチャーロゴを作るために必要な機能が全て揃っています。
企業ロゴの場合、特別なフォントに変化を加えて作成する方法もあります。Adobe Creative Cloud をサブスクライブすれば、Adobe Fontsの18,000種類以上のフォントを利用できます。Adobe Illustrator のファイルにテキストを加え、文字のアウトライン化機能を使用すれば、フォントのアウトラインを編集可能なパスに変換できます。
「ロゴによく合うフォントを選びます。しかし時には、変な部分があったり、好みでなかったりします。その際は、字間や字の端を微調整したり、文字のエッジをスムーズにしたり、余分な模様を削除します」(サラ・ジフロー)
iPad でAdobe Illustratorを利用して、署名する
iPad とApple Pencil スタイラスのおかげで、デジタルの手書きレタリングが今まで以上に簡単になりました。 iPad でAdobe Illustratorを利用して、署名したり、レタリングを描いたりすれば、たちまちオリジナルのベクターアートが出来上がり、それを使って作業することが可能になります。
誰かが紙に描いた署名をコピーしたいのであれば、Adobe Illustrator でスキャンし、Image Trace機能を利用して、編集作業の出来るベクターファイルに変換します。
優れたロゴ作成のためのチェックリスト
新しいロゴを作成する時は以下の手順で進めましょう。
- クライアントが何を求めているか、何が好みかを確認する
- クライアントとその競合他社についてリサーチする
- インスピレーションを受けるためにムードボードを作成する
- ロゴのアイデアを可能な限りスケッチする
- いくつかのアイデアを、クライアントに見せるために白黒で描く(3~5点ほど)
- クライアントが好んだバージョンを微調整して、色付きのバージョンを作成する
- さまざまなロゴファイル(グレースケールロゴ、カラーロゴ、立方体ロゴ、バナーロゴなど)をひとつにまとめてクライアントに送る。大抵の場合、クライアントはそれぞれのスタイルの透明 PNGを要求するでしょう。
どのようなタイプのカスタムロゴをデザインするにしても、あらゆるサイズで使用可能であり、はっきりと識別でき、記憶に残るロゴになるようにしましょう。他にどのような作品があるのか、Behanceでシグネチャーロゴを参照しましょう。それらを基にアイデアを出し、独自の魅力的なシグネチャーロゴを作成しましょう。
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