ロゴ作成のポイント
ブランドを瞬時に要約するシンボルを作成するのは、デザイン面と技術面ともに難しい作業です。
ロゴデザイナーとしてのスキルを伸ばす方法についてのアドバイスを見つけましょう。
ブランド精神を引き出す方法
すばらしいロゴとは、世界中で幅広く認識され、心に届くシンボルです。目を引くロゴの作りかたとはどのようなものでしょうか。ここでは企業やブランドの顔となるロゴ作成のコツを解説します。
「ロゴデザインというのは、限られたスペースでストーリーを語ることです」とデザイナーのDylan Toddさんは言います。「自分が何を伝えたいのかを考え、図形でも活字でも、それを凝縮できる最善の方法を見つけてください」。ロゴデザインについての知識があると、悪いアイデアを取り除き、限られたスペースでブランドのストーリー性を大きく発現することができます。
すばらしいロゴとは
商業用のロゴは、会社の使命、価値観、精神を反映する必要があります。オリジナルロゴを作成する場合、デザイナーはプロセスの早い段階でこうしたことを確認する必要があります。クライアントまたは会社を知ることは、最適なロゴを作成するための最初のステップです。
「私はクライアントが何を伝えたいのか、誰を対象としているかについて知るために、自分が作成したアンケートに答えてもらうことから始めています」(Toddさん)。グラフィックデザイナーのJimmy Preslerさんは、次のように語っています。「彼らが描こうとしている想いと、プロジェクトの具体的な目標について尋ねます。参考写真、画像が多ければ多いほどわかりやすいですね」。ロゴのデザインの作成を始める前に、クライアントのビジョンとアイデンティティを理解すれば、目標にさらに近づきます。そしてそれをたったひとつのロゴでそれを伝えるのです。
「私たちは商売の需要に応えるコマーシャルアーティストなのです。クライアントにはビジョンがある、それをかたちにするのです。ときには驚くようなものを作ることができますが、クライアントが伝えようとしているストーリーに反するものを作りたくはありません」(Toddさん)
ロゴのデザインを改善するためのヒント
ロゴを作り始めるとき、Preslerさんはひとつのアイデアから広げていくことを提案します。「たとえば、ウサギの顔を描く方法は何通りあるのか、どうすればかんたんに描くことができるか試してみます。中心となるアイデアを繰り返し描いてみて、思い通りに描けるアイデアを探します」
Toddさんは初期のスケッチをデジタルツールで行ないます。「Adobe Illustratorを開いて、文字をタイプし、文字を切り刻んで移動させます。それは描くというよりも彫刻のようなものです」
ロゴのコンセプトを洗練するための彼のお気に入りの方法は、ペンツールを使用して文字の線を曲げ、かたちを整え、変形させることです。ベジェ曲線を使用すると、アンカーポイントに基づいてきれいな弧を作成できるからです。「ベジェ曲線は文字とロゴデザインにまったく新しい視点を切り開きます」
Illustratorのペンツールを使用して、線、文字、または画像で曲線を作成する方法を見てみましょう。
Toddさんは、すぐれたロゴを作成するためには、ツールを知ることが重要であることも強調しています。彼はIllustratorのスキルを磨くために10年以上費やしてきました。「大工のように自分のツールに慣れることです」。デザイナーはIllustratorの充実したすべてのツールを、時間をかけて試すべきだとすすめています。
Illustratorのツールセットの理解を深め、ロゴ作成の取り組みに生かしましょう。
また、「デザインには堅苦しい決まりはありませんが、若いデザイナーは時間をかけてコツを覚える必要はある」とも言っています。「ルールを破ろうとする前に、しっかりとした基礎が必要ですからね」(Toddさん)
ロゴのディテールと読みやすさを考慮する
ロゴはすぐに認識できるものでなくてはいけません。見やすさ、読みやすさが重要なので、過剰なデザインには注意しましょう。「デザイナーではない人に見てもらいましょう。家族や友人に見せてください。何となくおしゃれに見えるけれども、書いてあることが誰にも読めないという場合は、やりかたを考え直す必要があります」(Preslerさん)
ロゴは、紋章、政府の印章、または古代の文様のように見えるべきではありません。キャデラックのロゴが華やかな紋章のようなものから、より様式化された縞模様の盾に変わったのには、それなりの理由があるのです。判読不能な細工が多く施された家紋では、ディテールを見極めようと目を細めてしまいます。本質を表すように単純化されたロゴこそが、ブランドのアイデンティティをより直接的に伝えることができるのです。
シンプルというのは難しいものです。デジタル画家でもあるAlyssa Newmanさんは、精細な表現が持ち味のアーティストやデザイナーにとって、シンプルなデザイン要素でまとめることは非常に難しいことを認めています。「このバッジ、アイコン、ロゴを本当に基本的な形で効果的に伝えるにはどうすればよいだろうか、と考え込んでしまいます」。美しいロゴ作成の芸術的手腕は、シンプルさと創造性が出会うところにあります。
スケーリングをかんたんにするベクターデータ
ロゴは拡大や縮小した場合でも、名刺、レターヘッド、社用車というように、どこで使われても見映えよく仕上げる必要があります。また、カラーでも、白黒でも効果的でなくてはなりません。ベクターデータは、こうしたさまざまなニーズを満たすためのスケーリングに便利なデータ形式です。
「ベクターデータは、固定数のピクセルではなく、グリッド上の点に基づいています。これにより無限に拡大・縮小が可能になるのです。ベクターデータは、名刺に印刷されても、ビルボードに印刷されても同じように見えます。これはロゴのデザイナーが解像度の問題を回避し、会社のロゴをより順応性のあるものにするためのすばらしい方法です」(Toddさん)
アイコンとしてのロゴを作る
クライアントは通常、ありふれたものとは異なる、目を惹くユニークなロゴを求めています。クライアントの希望に添えるためには、ロゴデザインのトレンドに従うのではなく、また人々の目に触れすぎたフォントを使わないよう、Toddさんは警告しています。「Futura、Helvetica、Gothamはすばらしいデザインですが、よく使われているフォントです。すでに見たことがあるように見えるロゴは絶対に避けましょう」
マンネリ化を避け、クライアントが目立つようにするには、型を破ることを恐れないようにしましょう。クライアントはまさにクリエイティブなロゴを必要としているのです。「あらゆるものは今までに存在しているものです。究極にシンプルなロゴやアイコンに行き着いたら、それがオリジナルだと認められたいと思うでしょう。ためらわずに風変わりなものを作りましょう」(Newmanさん)
瞬時に認識されるブランドアイコンを自分も作らなければならない、とプレッシャーを感じる必要はありません。ロゴデザインにおけるインスピレーションのすばらしい例である、ナイキのスウッシュ、アップルのロゴ、そしてアマゾンスマイルはすべて、非常に具体的な感覚を呼び起こします。ただし、これは、スタイルが変化しても変える必要のないスマートなデザインだからこそ、長年にわたってアイコンとしての地位を獲得してきたのです。
ロゴはアイコンになる場合とならない場合があります。それはデザイナーがコントロールできることではありません。コントロールできることは、読みやすさと使いやすさです。すぐれたロゴの作成を始めるために、アドビのロゴデザインツールも見てみましょう。
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多くのアーティストはまず鉛筆デッサンを学びます。この基本技法を活かして作品を美しく仕上げます。
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