動画マーケティングとは?メリットと成功事例、活用方法を解説
スマートフォンや新しい通信システムが生まれたことで、より大きな注目を集めている動画コンテンツ。動画を用いて自社のマーケティングを行うにあたって、動画マーケティングを取り巻く現在の状況やその特徴を知っておきましょう。
動画を活用したWebマーケティングは珍しい施策ではなくなり、多くの企業で様々な活用事例が生まれています。「5Gで動画マーケティングが加速する」という話もよく耳にしますが、そもそも「動画マーケティング」と言っても業種や業界によってその内容は大きく異なるため、いまひとつイメージを掴みきれない方も多いのではないでしょうか。
本稿では、改めて静止画やテキストとは違う、「動画」を活用したマーケティング施策について、事例を含めて解説していきます。
1. マーケティングに「動画」を使うメリットとは?
2. まだ分析しきれていない動画マーケティング
3. クリエイティブジャンプと動画の可能性
4. 購買までの「あと一歩」を後押しするBtoCの動画活用
5. BtoC動画マーケティングのベストプラクティス
6. ターゲティングが難しいBtoBの動画マーケティング
7. 自社の制作環境に合わせた動画制作を
8. 施策の目的に沿った動画マーケティングを
1. マーケティングに「動画」を使うメリットとは?
そもそも静止画と比べ、動画のメリットはどこにあるのでしょうか。
第一に、情報の量と質の違いが挙げられます。同じ時間で伝達できる情報の量と質で比べるなら、テキストや静止画よりも圧倒的に動画の方が有利。情報の量は、一般的に1分間でWebページ3,600枚分に相当する情報量であると言われており、この圧倒的な情報伝達量によって、自社サービスの魅力やアピールポイントを想定ターゲットに伝えることができます。
情報の質に関しても、動的な視覚情報と聴覚情報をかけ合わせることによってエモーショナルな印象をターゲットに与え、記憶に残りやすくすることができます。人間の脳は動いているものに対して注意が向きやすく、そこに音声も組み合わせることでより多角的にアプローチすることができるのです。
2. まだ分析しきれていない動画マーケティング
企業がWebマーケティングの施策を行なっていく上で、「誰に、どこで、どう伝えるのか」、以下の3つの要素からまず考えていきましょう。
・ターゲティング
・メディア
・クリエイティブ
これまで主に運用型広告では、広告効果を最大化させるためにターゲティングやメディアの各定量指標を分析し、裏側でマンパワーに任せた運用を行なったり、アルゴリズムの技術を発展させたりと、制作する企業は様々な努力を行なってきました。
その結果、ターゲティングやメディア軸でのPDCAおよび改善手法は研究され尽くし、ここに至ってクリエイティブに対してスポットが当たるようになったのです。その中でも最も情報量が多く、いまだ研究の余地がある動画マーケティングへの注目度が高くなっているのです。
3. クリエイティブジャンプと動画の可能性
動画マーケティングの可能性として注目されている要素が「クリエイティブジャンプ」です。
これまでのフォーマットによる運用型広告では、どんな工夫をしても数%の広告効果の改善が限界で、まさに「塵も積もれば山となる」ような、小さなインパクトしか得られませんでした。
しかし、動画には伝えられる情報量の多さと表現の多様性から、「バズ」と呼ばれるような大きな話題を生み出す力があるのです。SNSでの口コミをきっかけに話題化させ、大手Webニュースへの掲載やマスメディアへの波及も期待できることが動画マーケティングの面白いところ。
また、企業発信の動画でなくとも、UGC(User Generated Content)と呼ばれる、プロでない一般ユーザーが作った動画が注目を集めることも珍しくなくなりました。テレビCMのような動画としてのクオリティではないものの、インターネット上で広い共感を生んだ事例は、日本だけでなく、海外でも同様です。こうした「バズ」のような話題を生み出す動画の力を「クリエイティブジャンプ」と呼んでいます。
また、それ以外にもこれまでと比較できないほど高速なインターネット環境の5Gの浸透と、SNSや街中のデジタルサイネージの普及、そしてスマートフォンで簡単に動画視聴できる環境が一般化されたことによって、動画は企業がWebマーケティングの施策を行なっていく上で欠かすことができない要素になってくるでしょう。
4. 購買までの「あと一歩」を後押しするBtoCの動画活用
クリエイティブとして動画をマーケティングに活用していくことは、今後ごく当たり前のことになるでしょう。その中でも、BtoCビジネスのマーケティングでは特に動画を活用していくべき、という見方もあります。
マス広告であるテレビCMの印象から、動画はマーケティングファネルにおける「認知獲得」にだけに効果的であるというイメージが強いかもしれませんが、Webの動画マーケティングは「比較・検討」しているターゲットを購買に向かわせるという効果があります。
イメージしやすい具体的な事例では、YouTube等でよく見かける「〜やってみた」「〜使ってみた」系のレビュー動画や、開封動画でしょう。これらの動画を閲覧する層はすでに購買を検討しているターゲットです。彼らのあと一歩を後押しする強いメッセージを、動画を通して届けることができます。
5. BtoC動画マーケティングのベストプラクティス
BtoCではすでに活用が進んでいる動画のWebマーケティングのベストプラクティスを少し紹介していきます。
SNSで動画の「クリエイティブジャンプ」が起きたケース
大手食品メーカーのTwitterキャンペーン動画で、プロモーションツイートへのRT数が23万超え、動画も400万回再生という、大きな反響を得た事例があります。
これは同じ系統で人気を集める商品2つをピックアップ。キャンペーン動画を見た人による、「自分はどちらの商品が好きか」というTwitter投稿を通して、コミュニケーションが広がっていく、というもの。
タレントさんをキャスティングしているだけでなく、しっかりストーリーを作った上で複数回の動画投稿を行なっており、「次はどうなるのか!」という期待と、ユーザーの「参加している感」というインタラクティブ性をキャンペーンで演出できたことが成功の要因でした。
Instagramを用いた『縦型動画広告』の事例
また、Instagramのストーリーズや、TikTokの台頭をきっかけに近年では縦型の動画も注目を集めています。あるアパレルのブランドは、Instagramのストーリーズ広告によって1日の購買が前年比7, 8倍になったケースも。
この事例は、手間のかかる撮影を行わず、動画制作ツールを使い静止画をうまくつなぎあわせてアニメーションにしているところがポイントです。既存の静止画、動画素材を使用しているため、低予算で制作できるため、投稿本数を増やすことも可能に。投稿本数が多ければ、クリエイティブの効果検証の精度がより高くなるのです。
なかなか動画の撮影できない場合にも、この静止画をつなぎあわせる手法であれば比較的コストを抑えて動画が制作できます。
6. ターゲティングが難しいBtoBの動画マーケティング
BtoBのWebマーケティングは見込み顧客の母数が少ないため、ターゲティングが難しいという悩みがあります。それは動画を活用したマーケティング施策でも同じ。
近年よく活用されているのが「タクシーアド」です。名前の通り、タクシー内に設置されているサイネージに動画を流すという広告で、どちらかと言うとマスに近いマーケティング施策ですが、タクシーを頻繁に利用するような会社のなかでもより決裁に近い人に向けて動画を流すことができます。最近では、BtoB向けのSaaSを提供する企業で芸能人を起用したCM動画を制作されている事例をよく見かけます。
キャスティングに力を入れることも大事ですが、サービスの良さや提供する価値の本質を伝えるには、「サービスをいかにメッセージ化して、動画の企画に落とし込めるか」が非常に重要です。
サービスの本質をドキュメンタリーテイストで伝える企画を採用したHR系SaaS企業の事例はSNS上でも大きな話題になり、数値的な成果では、獲得リード数が1日あたり1.7倍に増加したそうです。
その一方で、動画制作に予算がそこまでかけられないというケースもよくあります。その場合も、BtoCのベストプラクティス同様に購入した素材を上手く使うことで、撮影をしなくとも編集テクニックで効果的な動画広告を制作することができます。
7. 自社の制作環境に合わせた動画制作を
では、これまで制作経験がない企業がマーケティング用の動画を制作する場合まずどこから着手すればよいのでしょうか。
これは動画制作に限ったことではありませんが、まずはそのクリエイティブとマーケティング施策の目的をしっかり定義してあげることが重要です。社員総会で流すような社内向け動画であっても、どういうモチベーションの社員に対し、どう感じてもらいたいのかを丁寧に企画してあげましょう。
5W1Hとして、いつ、どこで、誰に、何を、どのように伝えるのか、そしてなぜ動画で伝えるべきなのかまで深く考えることで動画の方向性も自ずと決まってくるのです。
そうした前提条件が決まったらどのように動画を制作するかを検討します。企業が動画を制作する場合は大きく3つの方法が挙げられます。
・制作会社(広告代理店)
・クラウドソーシング
・インハウス(社内制作)
自社のトップページに掲載する、CMのように大々的に放映するといったブランディング要素が強い動画であれば、動画も高いクオリティのものが求められます。低クオリティの動画で広告展開しても、逆にマイナスのイメージがついてしまう可能性も。
その場合は動画制作のプロがいる動画制作会社に依頼するのが安心。動画マーケティングのプロである制作会社のマーケター、ディレクターのもとであれば、ある程度は「間違いない」動画を制作できるはずです。
編集のみの作業で、かつ社内でしっかりとした要件定義が行えている場合は、クラウドソーシングを活用することもありです。その場合は、動画の知識があるディレクターを社内からアサインするのがおすすめ。しかし、どのような動画が完成するのか最後まで読めない、という場合もあります。その出来に満足できない場合は、社内で微修正をして完成させる必要も。そうしたケースに備えて、編集ソフトをある程度扱える社内の担当者がいるとよいでしょう。
社内で編集ソフトをうまく扱うことができるデザイナーさんがいる場合は、インハウスでの動画制作もおすすめです。動画は情報量が多く、表現の幅が広いため、静止画よりもディレクションの難易度が高く、社内で制作することができれば密にコミュニケーションしながら制作を進めることが可能。特にバナー広告の延長線のような短尺のシンプルな動画制作では、社内完結した方がコストが抑えられるでしょう。
Adobeの『Premiere Rush』は、業界標準の『Premiere Pro』の豊富な機能がシンプルになった、初心者でも使いやすい動画制作ソフト。豊富なテンプレートを使うことで手軽に見ごたえのある動画を作ることができます。インハウスで初めて動画制作を行うのであれば、編集ソフトとして『Premiere Rush』導入を検討してみてください。
8. 施策の目的に沿った動画マーケティングを
Webマーケティングにおいて、動画は制作がゴールではありません。制作した後はターゲティングを行なって配信し、その広告効果を最大化させる必要があります。
その後はしっかり振り返りを行い次の動画施策につなげていくことは他の広告運用と変わりませんが、伝えられる情報量と質は圧倒的な差があることも事実。
「クリエイティブジャンプ」を狙い、これまでのインターネット広告とはまた違った広告効果を生むためにも、施策の目的に沿ったクリエイティブの制作と動画マーケティングを心がけていきましょう。
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取材協力:入谷大規さん(株式会社TORIHADA)
映像制作事業をはじめとし、インフルエンサーマーケティングや個のエンパワーメント事業などを行う、株式会社TORIHADAの動画プロデューサー。TORIHADAでは「企業様やサービスの魅力を動画でわかりやすく伝える」というコンセプトのもと動画制作サービス『ムビツタ』事業部を統括し、あらゆる企業の動画制作を幅広く担当。YouTubeの企業チャンネルやUGCコンテンツ制作領域も広くプロデュースしている。
(執筆:大木一真│モジカク株式会社 編集:ノオト)
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