上司も納得の報告書とは? 知っておきたい書き方のコツ
さまざまなビジネスシーンで用いられる報告書。現場をよく知る担当者が、報告書を通じて迅速に伝えることで、上司は進捗状況や成果をいち早く把握し、職場の課題解決や今後の経営戦略に活かせます。今回の記事では、読み手の立場や伝えたい内容、分かりやすい構成を踏まえた報告書の作り方を解説します。
「報告書」とは、業務の経過や進捗状況、成果などを上司や同僚などの関係者に端的に知らせる文書のこと。そのため、分かりやすく項目別に記載し、定型フォーマットになっていることが多いです。
また、読み手は直属の上司になることが多いため、判断しやすいように、詳細に書く必要はありますが、基本的には状況や結果を、客観的な事実ベースで伝えていきます。
ただ、経営層などのさらに上位職の決裁を仰ぐなどの場合は、自分の意見や解釈などが必要です。そこは柔軟に状況に合わせて「報告書」をアレンジして作成してください。
上司を納得させる報告書・4つのポイント
それでは早速、具体的には4つのポイントをチェックしていきましょう。
1.直属の上司と、経営層では報告書の中身を変える
報告書は、読み手の立場や状況を考えて作りましょう。直属の上司に提出するのか、さらに上位職の人たちに提出するのかによって、書くべき内容が変わってきます。
直属の上司の場合は、さらに上の部長や役員から、細かく状況を聞かれたときに、答えられるようにする必要があるので、なるべく詳細なデータ・状況をレポートするように心がけてください。反対に、上位職には詳細な数字や状況をレポートすると、そちらが気になって、細かく確認が入ったり、本題の内容に目がいかないといったことが散見されます。そのため、あえて詳細な情報は省き、裏付けとなるデータなどはシンプルにまとめるほうがいいでしょう。
2.伝えたいキーメッセージを入れる
次に意識すべきは、読み手に「どういうアクションを起こしてもらうか」です。それがないと、ただ単に情報の羅列になってしまいます。
具体的には、全ての情報を同じトーンで書くのではなく、1枚の書類のなかで「最も伝えたいキーメッセージ」を明確にして表現しましょう。結論の場合もあれば、掲出したグラフで伝えたい数字や傾向、それを踏まえての提案などが「キーメッセージ」になるケースもあります。
たとえば、売上やユーザー推移などの結果や傾向までは明記しているのに、打ち手などの提案が示さないと、読み手からすると「結局、何が言いたいんだ」という状況になりかねません。多忙を極める上位職に対しては、これは非常に失礼なこと。報告書作成の際には、自分の存在価値を示すためにも、必ず書き手の意見・解釈を添えることが、重要です。
3.読み手が知りたい内容から構成する
納得できる報告書では、「構成」も非常に重要な要素です。まずは、読み手が知りたい「結論」から書くようにしましょう。その後は結論に至るまでの経緯・理由、意見(所感)など、必要な事項を具体的に明記していきます。
曖昧な表現を避けて、体言止め(体言止めでは伝わらない部分は「ですます」調に)でまとめていきましょう。「一言で伝えるならどう表現するのか」ということを、常に意識すると、よりシャープな言葉で書けるようになってきます。
4.箇条書きで、一文は30文字に抑える
実は、文章を読むことに十分時間を取れるビジネスパーソンはそこまで多くありません。特に上位職のエグゼクティブは、いかに限られた時間で、情報武装できるかが重要なので、たくさんの情報を収集して、意思決定したいと考えています。なので、文章体ではなく箇条書きにして、一文も短く、30文字程度に収めるようにしましょう。
ヌケモレがなくなる3つのセルフチェック
セルフチェックの方法は下記の3つです。
1.別の仕事を挟んでからチェックする
特に文章を作成する場合は、1つの仕事を長時間続けていると、この表現が読み手に適切なのかどうなのかが分からなくなってくるときがあります。そうならないようにするために、別の仕事を挟んで、時間をおいてから内容をチェックするようにしましょう。そうすれば、客観的に報告書を見直すことができます。
2.第三者にチェックしてもらう
後輩や同僚、上司など、誰でも構いません。ここでは、内容がスッと理解できるかの判断の他、自分では気づかなかった誤字脱字や、文章のクセを指摘してもらったり、客観的な読みやすさを判断してもらえたりといったメリットがあります。
3.上位職の考えや目線でチェック
視座を上げることを日常的に意識して行っていると、上位職(2つ上の役職者)の目線でセルフチェックできるようになります。たとえば、上位職が参加している会議に出て、どんな質問をしているかをチェックして、その人の尺度や判断ポイントを理解するようにします。少し時間がかかりますが、それを続けていると、報告書で必ず押さえなければいけないポイントが見えてきます。
この3つのセルフチェックができるようになると、報告書のヌケモレがなくなり、自身の視座も高くなってきます。
図表はできるだけシンプルに
ビジネスシーンではロジカルなものが求められるので、有効な数字やデータ(図表)は必ず活用するようにしてください。図表を作る際には、できる限りシンプルに。罫線やメモリなどを細かく入れたほうが見やすいと思いがちですが、読み手にとっては、気になるノイズでしかありません。こちらが伝えたいことを判断(ジャッジ)することに集中してもらうためにも整理が必要です。
その際、基準となるのは自社で使っている図表やグラフです。たとえば、上場企業の管理職の皆さんが普段よく見ているのは、自社の株主総会やIR関連の資料です。悩んだら、それらの読み慣れた資料に合わせるのがおすすめです。
また、図表のレイアウトに関しては、下記の写真のように、図表は左に、メッセージは右に配置するといいでしょう。
左からの図表(イメージ)情報は右脳に、右からの言語情報は左脳にダイレクトに飛び込むので、読み手の脳内スピードをさらに速めることができます。意思決定に必要なデータや重要な部分は、ワンカラーで表示するなどの手段も有効です。
ある研究調査では、1分間に相手に伝えられる情報量は、文字であれば300字ほど。しかし、グラフや図を使えば2000字もの情報量を伝えることができるという結果が出ています。文字のみで説明するよりも、一目見てわかるグラフや図で示したほうが、読み手にとって親切かつ、速く多く印象に残る情報を伝えられます。
Adobe Illustratorのような自由度の高いグラフィックデザインソフトを使えば、趣向を凝らした自作のグラフやインフォグラフィックなどが作成できます。統一感のあるビジュアルフォーマットにより信頼が生まれ、さらに上位職のアクションを促進させることができるでしょう。
また、Adobe Fontsには、ビジネスに向いたフォントも多数揃っており、読み手や用途に合わせて自由に活用できます。
上位職からの直しもなくなり、評価も高まる
「上司を納得させる報告書のコツ」をつかめれば、よりスピーディーに報告書を作成できるだけでなく、上位職からの差し戻しなどもぐっと減り、仕事の手間も掛からなくなり、しいては社内の評価にもつながります。
視認性や可読性の高い書体や図表のポイントを抑えたら、Adobeのツールを活用して、さらに手応えを感じられる提案を目指しましょう。
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取材協力:前田鎌利さん
プレゼンテーションクリエイター/書家/株式会社 固 代表取締役/一般社団法人 プレゼンテーション協会 代表理事。著書に『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)など。
(執筆:西谷忠和 編集:ノオト)
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