一目置かれる、レポート表紙の作り方 必須情報からデザインまで
書き手の分析や提案など、独自の工夫が求められる「レポート」。表紙を付けることで、読み手の心を一瞬にしてつかみ、より良い印象につながります。今回は、読み手に認められるレポート表紙の作成ポイントを紹介します。
たとえるならば、表紙は文書の「顔」。読み手の心をつかむためにも、非常に重要です。特に「レポート」は、単なる報告だけでなく、上司の決裁などの判断を促す役割も担っています。
ただ多くの情報を盛り込むのではなく、タイトルなどで、レポートの目的を伝え、読み手がすぐに理解してページをめくるような作りになっていることが大切です。
1.複数の人への提案や意見を発信できる「レポート」
区別をつけていない企業が大半ではありますが、「報告書」と「レポート」は用途や形式で若干の違いがあります。「報告書」は、仕事の経過や結果について端的に報告する文書のことで、「レポート」は、それに加えて、書き手の意見や提案をまとめた文書のことをいいます。書き方も、定型フォームが多い「報告書」に比べて、「レポート」は制限がなく自由です。
さらに、読み手も違います。「報告書」は直属の上司や同僚が対象ですが、「レポート」の場合は、上申書という意味合いもあり、直属の上司だけでなく、部長や経営層などの複数の上位職も目を通します。こうした点から、「レポート」は書き手による独自の工夫が非常に重要になってきます。
2.レポート表紙に掲載する基本的な項目
表紙は、このレポートに「何が書かれているのか」が、すぐに分かる構成でなければなりません。そのため、最低限必要な情報のみを明記します。具体的には、以下の項目です。
―タイトル
―サブタイトル ※必要に応じて
―日付
―宛名(受信者)
―作成者(部署名)
―画像(3D、写真、イラストなど)※必要に応じて
企業によって異なりますが、トータルの枚数を明記する場合もあります。それによって、事前にボリューム感を認識できるので、読み手は心理的な不安を感じずに読み進められます。特に、ペーパーレス化が進む昨今では、紙書類としての現物がなくボリュームがつかみにくいため、こうした読み手への配慮が重要になるでしょう。
3.読みたくなるレポート表紙の作成ポイント
読みたくなるレポート表紙を作るポイントは下記の7つです。さっそく見ていきましょう。
1 : タイトルには視認性の高い太字を使う
表紙で一番重要なのは「タイトル」です。表紙ではレポートの内容をストレートに伝え、ページを瞬時にめくらせるようにしましょう。
表紙のテキストは明朝体よりもゴシック体がおすすめです。明朝体は、横棒が細くなり、視認性(見やすさ)が低くなります。その点、ゴシック体のようなしっかりとした太字は視認性が高く、年配者にも「読みづらい」という不安はありません。タイトルは、太字にして目立たせましょう。
そして、その他のサブタイトル、名前、日付などは同書体のMediumやRegularなどの細字を使ってコントラストをつけると、メリハリがついて、圧迫感もなく、読みやすい表紙になります。ちなみに、書体を複数種類使うと、視認性や可読性(読みやすさ)が下がるので、1種類に絞って使うようにしましょう。
2 : タイトルは13文字以内、サブタイトルは30文字以内
タイトルは13文字までに抑えましょう。それ以上の文字数になると、文章として最後まで読まないと内容が理解できないので、タイトルの認識に時間がかかってしまい、誤解を招くおそれがあります。
サブタイトルは、必要な場合のみつけるようにします。文字数としてはタイトルの2倍(26文字)が理想です。最大でも30文字以内に抑えるようにしましょう。レポートの作り手が内容をプレゼンできる場合などは、サブタイトルは不要です。
3 :「数字」を有効に活用すれば、注目度が高まる
タイトルに数字が入っているだけで、注目度は高まります。特に決裁者や経営層は、数字に対する感度が高いのが一般的。
たとえば、携帯電話会社での提案などでは、「契約解約率を0.5%に」といえば、(一般の人にはピンと来なくても)上位職には、その数字の度合い(いかに低いか)が分かるので、それをタイトルに使えば、非常に大きなインパクトを与えるレポートになります。
そのため、数字は他の文字よりも大きく表示するのがポイント。通常のタイトルは「30pt」、数字は「50pt」が1つの目安です。
4 : ビジュアルは3D、写真、イラストの順に選ぶ
画像は使う場合と、使わない場合があります。そもそものレポート提出の目的が、「上長の承諾」や「報告」という場合は、基本的には、写真やイラストなどの画像は入れません。なぜなら、画像がノイズとなり、読み手の目がそちらに奪われて、一番重要なタイトルが注視されない可能性があるからです。
ただし、目的がこれからリリースするサービスのイメージやプロダクトを紹介する場合は、メッセージ(言葉)だけでなくビジュアルで感情に訴える画像を入れるのがおすすめです。
プロダクトのモック(実物大の模型)がある場合は、その3D模型(画像)を入れるのがいいでしょう。それがなければ写真、イラストの順番でチョイスしてください。
ビジネスに関わっている人たちは、よりリアリティが持てるものや、実感できるものに感情が動きやすいので、そういった観点でビジュアルを選ぶと間違いないでしょう。
5 : 写真は大きく扱うか、小さく扱うか
使う画像が決まったら、次は画像のレイアウトです。大きく分けて次の2つの方法があります。
表紙全面に入れる
ワンポイントで載せる
何度もお伝えしていますが、表紙ではタイトルが一番重要です。そのため、表紙全面に画像を入れる場合、画像を透過させて背景として配置しましょう。商品のイメージを脳裏に焼き付ける「残像効果」が与えられます。
ワンポイントで画像を使う場合、タイトルとのバランスを考慮して右端か左端に入れ、読み手に印象づけましょう。
6 : どんなシチュエーションにも対応できるレイアウトに
レポートは印刷して配るときもあれば、スライドとして投影してプレゼンするときもあります。どんなシチュエーションにも汎用できるようにレイアウトしておけば、臨機応変に対応できます。
まず表紙全体のレイアウトを考える場合は、読み手の視認性や可読性をしっかり意識しましょう。画面いっぱいにタイトルを表示すると圧迫感があるので、必ず左右に1〜1.5センチの均等な余白スペースを空けます。
次に上下(天地)は、センターラインよりも、やや上(1センチ未満)の場所にタイトルを配置します。こうすると、レポートをスライド投影するときに、前列にいる人の頭が邪魔になって見えないといったことを防げます。
7:基本は黒色のみ。より伝えたい部分にはワンカラーを追加
Adobe Illustratorを使えば、アイコンや文字、数字などを組み合わせ、画像などの加工やコラージュ、細かなレイアウト調整なども行えるので、よりきれいで、分かりやすい表現にこだわることができます。また、Adobe Fontsを使えば、15,000種類を超えるフォントから、使いたいフォントを自由に活用可能です。
5 . 表紙のクオリティ次第で、レポートへの注目度がアップ
レポートの「中身」はもちろん「表紙」にもこだわることで、読み手の注目度を高められます。先に紹介した「読みたくなるレポート表紙の作成ポイント」を押さえれば、デザインに苦手意識がある人でも、簡単にできるように。Adobe Illustratorを使って、より洗練されたレポート表紙を作成しましょう。
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取材協力:前田鎌利さん
プレゼンテーションクリエイター/書家/株式会社 固 代表取締役/一般社団法人 プレゼンテーション協会 代表理事。著書に『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)など。
(執筆:西谷忠和 編集:ノオト)
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