アドビが創造する持続可能なオペレーション
アドビの目標は、2035年までに業務で使用する電力を100%再生可能エネルギーに移行することです。アドビが新設しているノースタワーは、シリコンバレー初のオール電化ビルになる予定です。そしてこれは、アドビが推進する脱炭素と無駄の削減の、ごく一部にすぎません。
脱炭素の推進
- アドビはScience Based Targetsで認められた目標を設定しています。
- 2035年までに再生可能な資源を使用した電力に100%移行するよう取り組んでいます。
- 従業員の70%がLEED認証を受けたオフィスで働いています。
新しいエネルギーの未来を実現
再生可能エネルギーとストレージへのコミット
アドビは数年前に、再生可能エネルギーへ100%移行することを目標に設定し、RE100にコミットするとともに、Science Based Targetsイニシアチブにも参加し、目標の認定を受けました。アドビでは、自治体、地域および連邦政府の政策に沿って、自社の送電網を脱炭素化して最新化し、再生可能エネルギーを取り入れることを目指しています。しかも、アンバンドルの再生可能エネルギー証書やカーボンオフセットをいっさい購入することなく、この目標を達成しようとしています。
2017年と2018年、アドビはグリッドスケールの買電契約(PPA)2件を締結したことで、RE100の目標達成に近づきました。1件目は、インドのバンガロールオフィス用に、2.5メガワットのグリッドスケールで「オープン」アクセスのソーラーPPAを締結しました。つまり、CO2ベースの電力を相殺するためにアンバンドルの再生可能エネルギー証書を購入するのではなく、太陽エネルギーを購入してそのまま現地の送電網で使用することにしたのです。そして2件目は、FacebookおよびEnel Green Powerとパートナー関係を結び、テクノロジー業界で初となる、風力エネルギーの共同購入契約を締結しました。これは、米国の再生可能エネルギー市場を開放し、エネルギーコストの安定化と環境汚染の低減を図るうえで、重要な一歩となりました。また、地元の農業経営者、牧場経営者、土地所有者にも、収益の機会が生まれました。
エネルギーの測定と管理
アドビの監視システムは、電力、水、天然ガスの使用量から、全データセンターの電力使用効率(PUE)まで、ありとあらゆる観点に基づき、エネルギー消費と重要な運用データを収集しています。アドビが所有、リースしているすべての施設でスコープ1とスコープ2のCO2排出量を測定・報告しているだけでなく、共同データセンターにおける自社の排出量も測定・報告しています。アドビではスコープ3の排出量についても真剣に考えており、Science Based Targetsで認定された目標の一環として、ビジネスが成長していても社員の出張を減らすことを目指しています。これらの情報はすべてCDPに報告し、アドビのwebサイトに掲載しています。
グリーンビルディングの推進
アドビは、米国グリーンビルディング協会のLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証をいち早く取得した企業のひとつです。この認証取得に取り組んだことで、環境への影響を抑えるとともに、コストの安定化を図ることができ、企業としての運用効率が向上しています。LEED認証については、新築と改築だけでなく自社ビルの継続的な運用とメンテナンスでも取得しており、世界で最も環境にやさしい職場のひとつとなっています。データセンターでも、サーバールームの統合や仮想化などを実践することで、省エネを促進しています。アドビの従業員の70%以上がLEED認証を取得した施設で働いており、きれいな空気を吸い、安全な水を飲み、自然光の下で仕事をし、先進的デザインの利点を享受しています。
環境にやさしいデータセンターのデザイン
アドビが大規模なデータセンターを開設する場所としてオレゴン州のヒルズボロを選んだのには、いくつか理由があります。「エンタープライズゾーン」という税インセンティブが導入されているため、低コストで水力発電の割合が高い電力が利用でき、100%再生可能エネルギーへ徐々に移行できる可能性があります。オレゴン州の穏やかな気候はエネルギー効率的にも適しており、洪水のリスクや年間の温度差が少ないうえに、ワシントン郡は元々半導体産業が盛んな土地柄であることからヒルズボロの電力網や通信網にも信頼性があります。再生可能エネルギーへの移行を目指す他のテクノロジー企業もこのエリアで事業を運営しているため、電力調達の面での連携が期待できます。このサイトは将来的に太陽光発電設備を設置できるよう設計されており、気候関連のシナリオ分析でも、水に対する安全度が非常に高く、マテリアルリスクが非常に低くなっています(渇水が少ない、極端な気温変化が少ない、燃料燃焼率の上昇が起きにくいなど)。
このデータセンターは、大規模サイトのサーバールーム統合によるスケールメリットについて、研究開発の中心となっています。また、アドビはエネルギー効率分野におけるリーディング企業と連携しながら、ホット/コールドアイルや熱リユースなどのテクノロジーを導入するとともに、サーバー、ストレージ、ネットワークなどの設備を一新しています。
さらにアドビは、共同設置しているデータセンター(COLO)とも持続可能性の取り組みで緊密に連携しており、協力して政策への働きかけをおこなっているほか、各社の再生可能エネルギー目標の設定や、その目標を運営地の送電網で達成する手段の特定を支援しています。
廃棄物の削減
アドビでは、物理的なサプライチェーンから完全なデジタルサプライチェーンへと移行するにあたって、製品が廃棄物などによって環境に与える影響を95%以上削減しました。廃棄物の発生に関しては、アドビの従業員やSIMS Recycling、Green Standardsなど地域のパートナーと連携し、責任を持ってコンポストやリサイクルにまわしています。その結果、アドビでは廃棄物からの転換率が毎年90%を超えています。