領収書や名刺、健康診断の結果など、紙の書類をスキャンして電子データに変換したい場面は意外と多いもの。
そんなときに便利なのが、スマホのスキャンアプリです。
手元のスマホで撮影するだけで、紙やホワイトボードの情報を一瞬でPDFファイルに変換してくれます。
しかし、スキャンアプリにもたくさんの種類があり、どのアプリを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
そこで本記事では、オススメの無料スキャンアプリ「Adobe Scan」をご紹介するほか、スキャンする手順を画像付きで解説します。
さらに、PDFに変換したデータの整理や編集に便利なツールもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
紙の書類をスマホでスキャンしてPDFにする方法
スマホのスキャンアプリを使えば、カンタンに書類をスキャンしてデータ化できます。
オススメのアプリは、「操作性の良さ」「スキャン後のデータの鮮明さ」「PDF化したデータの扱いやすさ」の3点で優れている「Adobe Scan」です。
アプリを起動してスキャンしたい書類にかざすだけと、とてもカンタンに操作できます。
スキャンを始める前に、まずはお使いのデバイスに合わせて、以下のリンクからAdobe Scanのアプリをダウンロードしてください。
【iOS版】Adobe Scanをインストールする
【Android版】Adobe Scanをインストールする
なお、Adobe Scanを利用するには、無料登録・ログインが必要です。
GoogleやFacebookアカウント、Apple IDがあれば、すぐにログインできます。
それでは早速、「Adobe Scan」を使って書類をスキャンしてみましょう。
【手順1】書類をスキャンする
Adobe Scanを開くと、自動でカメラが起動するので、撮影したい書類に対してなるべく水平にカメラを向けます。
撮影時は、なるべく書類の周りに物を置かず、書類と背景（デスクなど）の色味が同系色にならないように注意しましょう。
アプリが読み取り範囲を決定すると自動的に撮影されるので、スマホを動かさないようにします。
例えば「書籍」では本の「のど（閉じられた部分）」に沿ってPDFファイルを自動で分割できたり、「名刺」では、紙面上に書かれた情報を自動で連絡先に保存したりできます。
【手順2】スキャンの範囲を調整する
PDFファイルに変換する範囲が、青色の四角で囲われます。
四角の角や辺を動かし、変換する範囲を指定しましょう。
また、「スキャンを続行」をタップすると、複数ページを続けて撮影し、ひとつのPDFファイルにまとめられます。
画面右下の「PDFを保存」をタップすると、Adobeのクラウドストレージに変換後のPDFファイルを保存できます。
【参考】PDFファイルをカンタンに共有する方法
PDFファイルは、リンクで第三者に共有して閲覧してもらうことが可能です。
スキャン後の画面で「共有」をタップし、「リンクを共有」を選択すると、PDFファイルのリンクがコピーできます。
コピーしたリンクをメールなどに貼って共有しましょう。
【参考】PDFにテキストを追加・編集する方法
Adobe Acrobat Readerのモバイル版アプリを使えば、Adobe Scanで変換したPDFファイルにテキストやコメントを追加できます。
また、モバイル向けのプレミアムツール（有償版）を契約すると、PDFファイル内のテキストを直接書き換えることも可能です。
テキストの編集機能を使うには、まずは以下のページからアプリをインストールし、Adobe Scanと同じアカウントでログインしてください。
Adobe Acrobat Readerのモバイル版アプリをインストールする
Adobe Scanで紙をスキャンした後に「テキストを編集」をタップすると、以下のように Acrobat Readerのアプリが開きます。
テキストを直接編集したい場合は、「今すぐ購入」からプレミアムツールを契約すると使えるようになります。
画面下部にメニューが表示されるので、目的にあわせてツールを選んで使ってみてください。
もしAdobe Scanで変換したPDFファイルをPCで編集したい場合は、ブラウザーで使える「Adobe Acrobat オンラインツール」を使うのがオススメです。
Acrobat オンラインツールについては、記事下部の以下の見出しで詳しく解説しているので、参考にしてください。
スキャンしたデータをPCで編集するには「Adobe Acrobat オンラインツール」が便利
スマホでのスキャンに「Adobe Scan」がオススメな3つの理由
スマホでスキャンできるアプリはたくさんあります。
なかでも、Adobe Scanはカンタンかつスムーズにスキャンができるうえに、スキャン後のデータが鮮明といった点で優れています。
ここからは、Adobe Scanをオススメする理由を3つご紹介します。
【理由1】スキャンデータが鮮明
スキャン後のPDFファイルが鮮明かどうかは、スキャンアプリを選ぶ際の重要なポイントです。
PDFファイルが不鮮明だと、文字や数字を読み間違えたり、そもそも文字を視認できなかったりといった問題が発生してしまいます。
また、スキャンアプリを使わずに写真をPDFファイルに変換する方法もありますが、手間がかかるうえ、スキャンアプリよりも画質が落ちやすくなります。
その点、Adobe Scanには以下のような機能があるので、スキャンデータを鮮明なPDFファイルとして保存できるのが特長です。
・画像の遠近補正や、被写体の境界線検出を自動で行う機能
・「ホワイトボード」や「名刺」など、被写体に応じてキャプチャモードを選べる機能
・撮影時に映り込んだ不要な影や光を、PDF変換時に自動で除去する機能
【理由2】テキストを文字情報として認識できる（OCR機能がある）
スキャンアプリには、スキャン後のPDFファイルに写っているテキストを、文字情報として認識できないものもあります。
そのため、スキャン後のPDFファイルのテキストをコピーしたり、文字列の検索をしたりすることはできません。
一方、Adobe Scanには、テキストの読み込みが可能な「OCR機能」がついています。
スキャンしたテキスト情報が自動で文字認識されるため、テキストのコピーや検索が可能なPDFファイルとして保存可能です。
活字のテキストや名刺はもちろん、手書きの領収書やホワイトボードなど、幅広い文字情報を読み込めます。
【理由3】変換後のPDFファイルをPCで編集できる
Adobe ScanでスキャンしてPDFに変換したデータは、自動でクラウドストレージに保存されます。
クラウドストレージはネット環境さえあればデバイスを問わずアクセスできるので、スマホでスキャンしたPDFをPCで編集することも可能です。
例えば、無料でPDFの編集や変換ができる「Adobe Acrobat オンラインツール」を使って、Adobe Scanでスキャンした複数の領収書を、ひとつのPDFファイルにまとめるといった作業ができます。
最後に、PDFの共有や編集に便利なAcrobat オンラインツールについてご紹介します。
スキャンしたデータをPCで編集するには「Adobe Acrobat オンラインツール」が便利
スキャンは手軽にできるスマホがいいけれど、編集はPCで行いたい場合もあるでしょう。
その場合、通常はスマホに保存したPDFファイルをPCに共有する必要があります。
しかしAdobe Scanで紙をスキャンすると、変換後のPDFファイルは自動的にAdobeのクラウドストレージに保存されます。
そして、Adobe Scanと同じアカウントで「Adobe Acrobat オンラインツール」にログインすれば、PCからクラウドストレージにアクセスできます。
クラウドストレージに保存されたPDFファイルは、Acrobat オンラインツールを使ってPCでカンタンに編集ができます。
Acrobat オンラインツールはブラウザーでPDFへの変換やファイルの圧縮ができるツールです。
基本操作はツール画面にファイルをドラッグ&ドロップするだけなので、PDFの編集に慣れていない方でもカンタンに使えます。
スマホでスキャンしたPDFファイルをPCで編集したい場合は、以下ページからAcrobat オンラインツールにログインしてください。
無料のAdobe Acrobat オンラインツールにログインする
ここからは、スキャン後のPDFファイルの整理に特に便利な機能を、用途別に3つご紹介します。
1．PDFのファイルやページの整理に便利な機能
Acrobat オンラインツールの「PDF結合」や「PDFのページ並び替え」の機能を使えば、複数のPDFファイルをひとつにまとめたり、ページを並び替えたりといった作業をカンタンにできます。
例えば、複数の領収書やレシートをスキャンした後にひとつのファイルにまとめたり、日付の古い順に並べ替えたりする際に役立ちます。
複数のPDFを結合し、ひとつのPDFファイルにまとめられます。
PDFのページ順序を入れ替え、構成を変更できます。
PDFの中から、不要なページを削除できます。
PDFに、新しくページを追加できます。
2．PDFファイルの共有に便利な機能
PDFファイルのデータ容量が大きいと、メール添付が可能なデータ容量を超えてしまい添付ができなかったり、ダウンロードに時間がかかってしまったりといった問題が起こります。
共有する前にPDFファイルを圧縮しておくことで、こうした問題を回避できます。
PDFファイルのデータ容量を、「高・中・低」3段階の圧縮レベルで軽量化できます。
3．PDFファイルの編集に便利な機能
「PDFを編集」の機能を使えば、PDFファイルにテキストでの書き込みやコメントの追加ができます。
例えば、書類に不備や不足があった場合、該当箇所にコメントを書き込んで修正を依頼できるので便利です。
PDFファイルに書き込みやコメントを追加できる機能です。
有料の「Acrobat Pro」を契約すれば、PDFファイルの内容を直接書き換えられます。
PDFファイルの内容を大幅に編集したい場合は、PDFをMicrosoft Wordに変換し、Word上で編集する方法もオススメです。
上記の機能を活用しながら、PDFファイルの整理や編集を効率よく進めましょう。
また、Androidスマホを利用してPDFを閲覧・編集・保存する方法については、【無料】AndroidスマホでPDFを閲覧・編集・保存する方法のページも参考にしてください。
そして以下の記事では、Acrobat オンラインツールで使えるすべての機能と詳しい使い方を紹介しています。
上記以外の機能の活用方法も解説しているので、PDFファイルの整理に活用してください。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド（概略版）
Acrobat オンラインツールは、無料プランでは使える回数に制限があります。
しかし、Acrobat StandardやAcrobat Pro、Creative Cloudのコンプリートプランを契約している方なら、無制限で利用できます。
スマホでのスキャンとPDFの編集を効率化しよう
紙の書類をスキャンするツールとして、プリンターを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし「Adobe Scan」アプリを使えば、スマホでスキャンするだけでカンタンにPDFファイルを作成できます。
ビジネスなどで急な書類提出が必要になった場合も、作成したデータをすぐに共有できるので便利です。
また、「Adobe Acrobat オンラインツール」を使えば、そのままPDFファイルの整理や編集ができるので、わざわざPCなど他のデバイスにデータを送る必要がありません。
「Adobe Scan」と「Adobe Acrobat オンラインツール」を使って、日々のPDFファイルの整理や編集を効率化しましょう。
（執筆：ウェブライダー）
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください