PDF入力フォームの作り方(無料でPDFに入力する方法も紹介)
PDFのフォームにテキスト入力するには、Acrobat オンラインツールが便利です。以下のページをぜひチェックしておいてください。
PDFファイルに文字を入力できるフォームを活用すれば、回答を効率的に集められます。この記事では、PDFファイルにテキストを入力する方法と、誰でも入力可能なPDFフォームを作る方法をご紹介します。
記事後半では「PDFフォームになっていないPDFファイルにテキストを入力したい」「PDFにテキスト入力してほしいが、PDFフォームを作る手間は省きたい」という人に向けて、無料で使える「Adobe Acrobat オンラインツール」の「PDFを編集」を使った解決策をご紹介します。
目次
PDFフォームとは「入力が可能なPDFファイル」のこと
PDFフォームとは、テキスト入力欄やチェックボックスがあり、入力が可能なPDFファイルのことです。これにより、PDFフォームを受け取った人は誰でも、任意の文字列を入力したり、選択肢にチェックを入れたりできます。
回答者側で特別な操作をしなくても、PDFファイルを開くだけでテキストを入力できる状態になっているため、回答者の負担が少ない点が特長です。入力欄は紫色でわかりやすく示されるため、入力ミスや記入漏れも防ぎやすいでしょう。
このように入力可能なフォームのことを「インタラクティブフォーム」とも呼びます。一方、そのままではテキスト入力ができないフォームは「フラットフォーム」と呼ばれます。フラットフォームにテキスト入力する方法を知りたい方は「【無料】あらゆるPDFにテキストを入力する方法」をご覧ください。
PDFフォームを作るメリット
PDFフォームを作るメリットは、大きく以下のとおりです。
1.印刷・手書きや郵送の手間が省ける
オンラインで送信・回答できるため、紙での記入や提出にかかる手間が省けます。申込書や申請書など、紙に印刷して手書きで記入・提出していた文書も、PDFフォームではPCやスマホを使って直接入力して送信できます。
2.どこにいても回答できる
インターネット環境さえあれば、場所や時間を問わずに活用できます。また、PDFファイルの特性を活かし、どのデバイスからアクセスしても同じ見た目で表示されるという点もメリットです。
3.管理しやすい
紙でやり取りをする場合、回答者・依頼者ともに紛失・汚損のリスクをゼロにはできません。PDFフォームを使えば、電子データでのやり取りができるため、紛失リスクを抑えられます。また、Microsoft Excelとの連携も可能なので、データの集計もカンタンです。
4.改ざんされにくい
PDFフォームは、入力箇所以外の編集を制限できます。また、フォームに入力・送信されたデータは改ざんが難しいという特長もあります。(アドビのセキュリティに関する取り組みについて詳しくはこちらもご確認ください)
PDFフォームの活用場面
PDFフォームは、学校でのアンケートや申し込みフォームなど、決まったフォーマットに沿って複数人からの回答を集めたい場合に活用すると便利です。集まった回答はMicrosoft Excelをはじめとした表計算ソフトで集計できるため、情報の整理もカンタンです。
具体的には、以下のような場面で使えます。
- 申込書や登録フォーム: 商品やサービスの申し込み、会員登録、イベント参加登録など
- アンケートや調査フォーム: 製品やサービスの満足度調査、市場調査、顧客アンケートなど
- 注文書や購入フォーム: 商品やサービスの注文、購入手続き、支払い情報の提供など
- 書類の提出や申告フォーム: 税務申告、保険請求、給与明細の提出、公的手続きなど
ここまで、PDFフォームの概要を説明しました。続いて、このように便利なPDFフォームを作成する方法をご紹介します。
なお、PDFフォームへの記入には、無料の「Adobe Acrobat Reader」が必要です。
「相手にツールをダウンロードしてもらうのが難しい」という方や、逆に回答者側の立場で「PDFフォームにテキストを入力できなくて困っている」という方は、記事後半の「【無料】あらゆるPDFにテキストを入力する方法」をご覧ください。
入力可能なPDFフォームを作成する方法
ここからは、PDFフォームを作る方法をご紹介します。PDFに関する様々な作業を効率化できるAdobe Acrobat Proなら、Microsoft WordやMicrosoft Excelなどで作ったデータや、紙をスキャンした文書など、既存の書類を入力可能なPDFフォームに変換できます。また、テキストの入力欄を設けるだけでなく、複数の選択肢の中から任意の回答を選べる「ドロップダウンリスト」や、画像をアップロードできる「画像フィールド」など、様々な要素を追加可能です。
今回はこちらのWordファイルを使って、空欄になっている回答箇所に相手が自由に回答を記入できるフォームを作成する手順を解説します。
【手順1】「フォームを準備」をクリックし、PDFフォームにしたいファイルを選ぶ
Acrobatのホーム上部にある「すべてのツールを表示」をクリックし「フォームを準備」を選択します。その後、PDFフォームにしたいファイルを選択して「フォームを作成」をクリックしてください。
【手順2】フォームフィールド(入力欄)を調整する
ファイルの内容が自動的に分析され、適切なフォームフィールド(入力欄)が追加されます。追加されたフォームフィールドは、画面右側にリスト表示されます。
さらにフォームフィールドを追加したい場合は、画面左側のメニューから任意のフォームフィールドを選択しましょう。ファイル上の任意の位置をクリックすれば、フォームフィールドを追加できます。位置や大きさの調整も可能です。
追加できる主なフォームフィールドの種類は、以下のとおりです。
- テキストフィールド・・・テキストを入力できる
- 画像フィールド・・・任意の画像を挿入できる
- チェックボックス・・・選択肢から回答を選べる(複数回答可)
- ラジオボタン・・・選択肢から回答を選べる(複数回答不可)
- ドロップダウンリスト・・・ポップアップメニューから項目を選択したり、テキストや数値を入力したりできる
- ボタン・・・「ファイルを開く」「サウンドを再生する」「webサーバーにデータを送信する」など、様々なアクションを実施できる
- 日付フィールド・・・日付を入力できる
- 電子サインフィールド・・・デジタル署名を入力できる
フォームフィールドの種類を変更したい場合は、フォームフィールドをクリックし、左側のメニューから任意のものを選択してください。不要なフォームフィールドは、クリックして「Delete」キーを押せば削除できます。
【手順3】「プレビュー」でフォームを確認する
作成したフォームを確認するには、画面左側の「プレビュー」をクリックしてください。受信者と同じ視点でフォームを表示できます。
再び編集モードに戻すには、画面右上の「プレビューを終了」ボタンをクリックします。
【手順4】PDFフォームを保存して送信する
PDFフォームが完成したら、画面左上の「メニュー」>「別名で保存」をクリックし、任意の場所に保存しましょう。保存したPDFフォームをメールやチャット等に添付すれば、入力フォームを送信できます。
Acrobatの画面上でフォームを送信する方法
なお、Acrobatの画面上でメールやサーバーと連携して、PDFフォームを送付することも可能です。画面左下の「送信」ボタンをクリックし、表示されるポップアップの「保存」を選択してください。
次に、フォームの配布方法を選択して「続行」をクリックします。ここでは「電子メール」を選択しました。
フォームの配布方法を選択します。「Adobe Acrobatを使用して送信(S)」を選ぶと、Acrobatの画面上でPDFフォームの送信ができます。「次へ」をクリックすると、次のステップに進みます。
フォームを配布する相手のメールアドレスを入力します。複数人のアドレスを入力し、一度に送信することもできます。メールの件名を変更したい場合は「タイトル」欄の文字列を、メールの本文を変更したい場合は「メッセージ」欄の文字列を、それぞれ書き換えてください。必要な情報を入力できたら「送信」をクリックします。
最後に、送信に使うメールアドレスを選択し「続行」をクリックすると、PDFフォームを送信できます。
【参考】受信者側の作業
上記の操作をすると、受信者側にはPDFフォームが添付されたメールが届きます。PDFフォームに入力するには、Acrobat Readerが必要です。Acrobat Readerをダウンロードしていないデバイスを使っている場合は、メールに記載されたURLをクリックし、無料でダウンロードしてから次の手順に進みます。
Acrobat ReaderでPDFファイルを開き、フォームに必要事項を入力後、画面右上の「フォームを送信」をクリックすると、フォームを送信するためのメニューが表示されます。
送信に使用するメールアドレスと名前を選択し「送信」をクリックします。
メール送信に使用するシステムを選択し「続行」をクリックすると、フォームに入力済みのPDFファイルが相手に送信されます。
PDFフォームを集計する方法
ここからは、PDFフォームへの回答を集計する方法を紹介します。回答はExcelにまとめて集計すると、一覧性が高く、フィルタをかけられるため便利です。
【手順1】メールの添付ファイルを集計ファイルに追加
PDFフォームに回答があると、回答済みのPDFファイルが添付されたメールが届きます。添付されたPDFファイルをダウンロードし、Acrobat Proで開きましょう。
集計ファイルの追加場所を設定できる画面が表示されます。追加したい場所を指定して「OK」ボタンを押しましょう。すると、回答内容が反映されたPDFファイルが開きます。
【手順2】「スプレッドシートにデータを結合」を選択する
画面左上の「メニュー」から「フォームオプション」>「スプレッドシートにデータを結合」を選択してください。
「ファイルを追加」をクリックし、回答結果を収集したいPDFファイルを開きます。複数のファイルを同時に選択することもできます。PDFファイルを選び終えたら「書き出し」をクリックしてください。
【手順3】CSVファイルをExcelで開く
「書き出し」をクリックすると、データがCSV形式で書き出されるので、任意の場所に保存して開きましょう。
画面左上の「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択し、「Excelブック(*.xlsx)」で保存すると、CSVファイルをExcelファイルとして保存できます。Excelファイルに変換すれば、フィルターや関数の追加など、様々な加工が可能です。
PDFフォームへの回答結果の集計方法の説明は以上です。続いて「PDFフォームに回答しようとしたが、テキスト入力ができない」「PDFフォーム以外のPDFファイルにテキストを入力したい」という場合の対処法をご紹介します。
【無料】あらゆるPDFにテキストを入力する方法
ここでは、PDFフォームに限らず、そのままでは何も入力ができないPDFファイルにテキストを入力する方法をご紹介します。使用するのは、Acrobat オンラインツールの「PDFをオンラインで編集」機能です。無料でカンタンに操作できるので、ぜひ試してみてください。
【手順1】PDFファイルをアップロードする
Acrobat オンラインツールの「PDFをオンラインで編集」を開き、テキストを入力したいファイルを以下のいずれかの方法でアップロードしてください。
- グレーの破線で囲われたエリアに、ファイルをドラッグ&ドロップする
- 中央の「ファイルを選択」ボタンをクリックしてファイルを選択する
アップロードが完了したら、画面左のボタンからAcrobat オンラインツールに無料登録・ログインします。ログイン方法は、Adobe アカウントのほかに加えて、Google アカウント、Facebook アカウント、Apple IDから選べます。
【手順2】ツールバーから「テキストを入力」を選択する
ツールバーの「A」と書かれたボタンにカーソルを合わせ「テキストを入力」を選択します。
任意の位置でクリックするとフォームフィールド(テキスト入力欄)が表示されるので、テキストを追加したい位置までドラッグして移動し、テキストを入力します。
【手順3】PDFファイルをダウンロードする
文字の書き込みが完了したら、画面右上の「ダウンロード」ボタンをクリックし、PDFファイルをダウンロードしましょう。
また「ダウンロード」ボタンの隣にある「リンク」アイコンをクリックすると、共有用のリンク(URL)を発行できます。共有用のリンクをメールやチャットツールに貼り付けて送れば、相手はURLをクリックするだけでPDFファイルの閲覧やダウンロードができます。添付する手間が省けるだけでなく、相手のメールの保存容量を圧迫する心配もありません。
ここまで、PDFフォームを作成・送信して回答結果を集計する方法と、PDFファイルにテキストを入力する方法をご紹介しました。最後に、この記事でご紹介した2つのツールについて、カンタンにご説明します。
PDFで入力・集計作業をするならアドビツールが便利
PDFファイルにテキストを入力したり、PDFファイルへの入力内容を集計したりと、PDFに関する作業をするなら、アドビのツールを使うのがオススメです。PDFを開発したアドビならではの、かゆいところに手が届く機能が盛りだくさんです。ここでは、「Adobe Acrobat Pro」と「Adobe Acrobat オンラインツール」の2つをご紹介します。
PDF入力フォーム作成をはじめ、PDFに関する様々な機能が使える「Acrobat Pro」
有償の「Adobe Acrobat Pro」は、PDFの変換や編集、パスワード保護といった機能はもちろん、機密情報の墨消しや電子サイン機能など、様々なPDF機能を網羅しています。
●Adobe Acrobat Proの特長
1.PDFフォームの作成をはじめ、PDFの変換や編集、電子サインなどあらゆるPDF機能が使える
この記事でご紹介したPDFフォームの作成以外に、PDFの変換や編集、法的効力のある「電子署名」の追加など、PDFに関するあらゆる機能をワンストップで使えます。
2.2つのPDFを比較して差分をチェックできる
修正前後のPDFファイルのように、異なる2つのPDFファイルを読み込ませて、変更点や差分をカンタンにチェックできます。
3.墨消し機能で重要情報を保護できる
PDFファイルに記載されている個人情報や機密情報を、墨消し機能で隠せます。単に文字を色や図形で隠すのではなく、該当箇所のデータ自体を削除するため、重要な情報を保護しながらPDFファイルを共有できます。
PDFの編集作業を頻繁に行う方は、まずは7日間の無料お試し期間で、使い勝手を試してみてください。
PDFに関する25以上の機能が無料で使える「Acrobat オンラインツール」
Acrobat オンラインツールは、ブラウザーでPDFの編集や変換ができる無料ツールです。PDFファイルにコメントや注釈を追加できる「PDFを編集」のほか、「分割・結合」「変換」「圧縮」「テキスト・描画の追加」「パスワード設定」など、PDFに関する25以上の機能を無料で使えます。
以下の記事では、Acrobat オンラインツールで使える機能と詳しい使い方を紹介しています。
はじめてのAdobe Acrobat オンラインツール完全ガイド(概略版)
アドビのツールを活用し、ぜひPDFを扱う業務を効率化してください。
(執筆:ウェブライダー)
https://milo.adobe.com/libs/img/mnemonics/svg/acrobat-pro-64.svg
ぜひAdobe Acrobatオンラインツールをお試しください
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